2013年12月26日

あちこちで小豆粥

チュンムキムパッの店を出た私たちは、テジクッパッの店が並ぶ通りをぶらぶら歩いた。テジクッパッの店はたくさんあるが、中でも大きな店舗が4軒連なっているあたりは大勢の客でにぎわっていた。特に4軒のうち1軒(「송정3代국밥」)の前にはかなりの行列ができていて、その人気ぶりがうかがえた。

この日は冬至だったので、普段はククスやポリパッなどを売る店も特別に小豆粥も販売していた。手書きの 「동지팥죽」(冬至の小豆粥)という札をかけ、店頭に小豆と白玉団子を用意している店(▼)。



さらに南へ歩くと、道の中央に屋台が何台も並んでいた。南浦洞(ナンポドン)の屋台通りを小規模にしたような感じ。


売っているのはどの屋台も同じ。真っ赤なトッポッキや串に刺したオデン、パジョンや焼き餃子など。



  

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2013年12月23日

冬至の小豆粥

昨日は冬至。日本で冬至といえば柚子湯に入りかぼちゃを食べるように、韓国では팥죽(パッチュッ=小豆粥)を食べる習慣がある。韓国では、小豆は厄除け・魔除けの食べ物として知られている。冬至には、邪気を取り払い健康で暮らせますようにとの願いをこめて、小豆粥を食べる。

冬至に食べる小豆粥には、もち米粉を練って丸めた白玉団子を入れて食べる。この白玉団子は、小型の鳥の卵に似ていることから 「새알(セアル)」(새=セ=鳥、알=アル=卵)と呼ばれる。

また冬至の小豆粥は食べるだけでなく、昔は厄除け・魔除けのために家中の壁に少しずつまいてまわったのだそうだ。まくと言ってももちろんそんなに大量ではなく、少量の小豆粥をスプーンなどでしずくを飛ばす程度にまくのだそう。それでも壁に小豆粥がついてしまうが、小豆粥が飛び散ったあとそのものが厄除け・魔除けの役割を果たすので、拭き取ったりはせずそのままにしておくのだそうだ。

冬至には、お寺などでは小豆粥を大量に作って一般市民にもふるまう。今年も釜山にある約1,500のお寺で小豆粥がふるまわれたそうだ。毎年、釈迦生誕日には大量の燃灯を灯すことでも有名な三光寺(サムグァンサ)ではAM3:30からPM6:00まで、寺を訪れた信徒や市民に小豆粥をふるまうと聞いた。

また三光寺は、境内だけでなく西面(ソミョン)の老舗書店 「ヨングァン図書」 前の広場でも小豆粥をふるまうと聞き、夫と行ってみた。事前情報では11:00~14:30、3,000人分をふるまうとのこと。

11時頃、西面駅に到着。地下鉄9番出口を上がったところにある広場では、クリスマスツリーが出迎えてくれた。


ヨングァン図書前には机が並べられたりと準備に忙しそうだった。


本屋さんの中で少し時間をつぶしていると、ほどなくして三光寺から大きな寸胴鍋に入った小豆粥が到着し、紙の容器に入れて配られ始めた。


早速私たちも1つずついただいた。白玉団子がたっぷり入った小豆粥(▼)。塩味がきかせてある。思っていたよりもけっこうボリュームがあって、おなかいっぱいになった。


小豆粥を配る車両の周りには次々と人が集まってきた。写真ほぼ中央のめがねをかけた男性はテレビ局にインタビューされていて、夜のニュースで放映されていた(▼)。


車両のそばの机の上には願い事を書くためのカラフルな短冊が用意されていた(▼)。


そばでは、サムルノリの演奏が賑やかに(▼)。




冬至の小豆粥のご利益をいただいて、これからも健康で過ごせますように。  

Posted by dilbelau at 08:48Comments(0)釜山の歳時記三光寺

2013年11月07日

高3生の長い1日

今日11月7日、全国一斉に 「大学修学能力試験」(略して修能=スヌン)が実施された。試験時間は8時40分から17時まで。

交通渋滞に巻き込まれず受験生がスムーズに会場入りできるよう、官公庁では出勤時間をいつもより1時間遅らせたり、聞きとり試験の時間帯には飛行機の離発着が禁止されたりと、いつもながら国家あげての一大行事となった。

受験生の後輩たちが朝早くから試験会場前にスタンバイし、会場入りする先輩を応援する光景もあちこちで見られたようだ(▼釜山日報動画)。



また同じく釜山日報に、今朝の試験会場前の風景が紹介されていた(▼)。東莱(トンネ)高校前で受験生が在学生の応援を受けながら会場に入って行く(左)。釜山日報の毛羅(モラ)支局に勤務するチョ・ギソクさん(43)が楊亭(ヤンジョン)洞で、遅刻しそうになった受験生をオートバイで会場前まで送リ届けるボランティアを行った(中)。慶南(キョンナム)女子高校前で後輩が先輩の高得点を祈る姿(右)。


大学入学までまだこれで終わりというわけではないが、とりあえずはスヌンが終わり、受験生やその家族もホッとしているだろう。お疲れさま。
  

Posted by dilbelau at 19:43Comments(0)釜山の歳時記

2013年10月09日

「ハングルの日」23年ぶりに休日に

世宗(세종=セジョン)大王は今から567年前の1446年、新たに作成した文字を導入する文書である 『訓民正音』 の公布を宣言した(当初、新しく制定された文字はこの布告文書の名前 「訓民正音」 で呼ばれ、20世紀になってハングルと呼ばれるようになった)。

このことを記念して韓国では毎年10月9日は 「ハングルの日」 と制定されており、毎年、詩や文章の競作大会 「백일장」(白日場=ペギルジャン)など関連行事が各地で開かれる。

さて、「ハングルの日」 は1945年10月9日に韓国政府によって制定され、1970年に休日となったが、1990年に平日に戻された。その後、2006年に국경일(国慶日)に昇格したものの休日扱いにはなっていなかった。

それが今年から再び休日となった。休日になることはすでに昨年決まっていたが、決まったときはすでに12月だったので、実際には今日が 「23年ぶりの休日のハングルの日」 ということになる。

これで、韓国の休日は、元日(1月1日)、3・1節(3月1日)、こどもの日(5月5日)、顕忠日(6月6日)、光復節(8月15日)、開天節(10月3日)、ハングルの日(10月9日)クリスマス(12月25日)、旧正月(陰暦1月1日から3日間連休)、釈迦の生誕日(陰暦4月8日)、秋夕(陰暦8月15日前後3日間連休)の15日となった。

日本は、元日(1月1日)、成人の日(1月第2月曜)、建国記念の日(2月11日)、春分の日(春分日)、昭和の日(4月29日)、憲法記念日(5月3日)、みどりの日(5月4日)、こどもの日(5月5日)、海の日(7月第3月曜)、敬老の日(9月第3月曜)、秋分の日(秋分日)、体育の日(10月第2月曜)、文化の日(11月3日)、勤労感謝の日(11月23日)、天皇誕生日(12月23日)の15日。

ということで、休日の数は日韓で同じになった。

また韓国でも来年から振替休日制が導入されることになった。もっとも、振替休日制の対象となるのは、現在指定されている祝日(年間15日)のうち、旧正月・秋夕の連休、こどもの日のみだが。

旧正月・秋夕の連休については、公休日(日曜・休日)と重なった場合、次の非公休日が振替休日となる。またこどもの日は、土曜または公休日と重なった場合に、次の非公休日が振替休日となる(土曜日が振替休日の対象となるのはこどもの日だけ)。

振替休日制が初めて適用されるのは、来年の秋夕の連休(9月7~9日)。3連休初日のうち9月7日が日曜日と重なるため、3連休明けの10日が振替休日となる。

さて、ハングルの日を記念して、今日は各サイトのロゴもハングルバージョンに変わっている(上から、Daum、Naver▼)。



  

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2013年10月01日

チュソク前の市場の風景

五六島 嘉苑」 でおいしい鴨肉をいただいた後、いいお天気だったので龍湖洞(ヨンホドン)の町なかをのんびり散歩。バス通りから左右に細い路地が無数にのびていて、それぞれに人々の生活のにおいが感じられる。ただ歩くだけでも楽しい。

やがて、용호골목시장 (龍湖コルモッ(路地)市場)の前に差しかかった。市場はたくさんの買い物客で賑わっていた。



この日はちょうどチュソク(秋夕=中秋)の3連休初日。チュソク当日を翌日に控え、最後の買い出しに訪れたらしき主婦の姿が目立った。



特に、お餅屋さんの前には人だかりが(▼)。チュソクに食べるお餅・송편(ソンピョン)を求める人々で混雑していた。


黄色い紙には 「ソンピョンの注文受けます」 と書かれている(▼)。


「ソン(松)ピョン」 は、松の葉と一緒に蒸して作ることからそう呼ばれるお餅で、チュソクの前日には家族が集まって一緒に作ったりもするようだが、最近ではこうして餅屋で買う家庭も増えているようだ。

お餅屋さんと同じくらい混雑していたのは、天ぷらやジョン(野菜や魚などに卵衣をつけて焼いたもの)など揚げもの類を売る店。これらもチュソクには欠かせない料理だが、大量の揚げものを家で作るのは大変なので、同じく店で買う家庭も少なくないようだ。

チュソクのときに食べる昔ながらの菓子も並ぶ(▼)。


リンゴやナシ、スイカ、ブドウなど果物も目立つ。チュソクのときなど、先祖にお供えする茶礼膳(チャレサン)にはこうした果物も欠かせない。


龍湖コルモッ市場はけっこう奥まで延びていたが、やがて人通りが少なくなってきたので、市場を外れ、お目当ての場所に向かった。


つづく  

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2013年09月17日

お正月感覚が2度

明日からいよいよチュソク(旧暦8月15日・今年は9月19日)の連休に突入する。今年はチュソクの3連休(18~20日)に土日が続くため5連休となる。

最近ではこの連休を利用して海外旅行に行く人も増えているようだが、多くの人が帰省し、お墓参りをしたり、親戚一同が集まって飲んだり食べたりして過ごす。そこで、恒例の 「民族大移動」 が始まる。車で帰省する人で高速道路はかなり渋滞し、毎年 「巨大駐車場」 と化す。

連休を前に、今日は職場でもいつもより早めに退勤する人が多かった(もちろん業務を終えて)。特に今年は5連休だし、その間、新聞はずっと休刊だそうなので、皆さんウキウキのようだ。中には海外旅行に行く人もいるだろう。

社長が直々に各部署を回って挨拶され、労働組合からはお菓子が配られ、社員同士も 「よいチュソクをお過ごしください」 と言葉を掛け合う。他部署の方々も、そう言って挨拶に回ってこられた。

何かの風景によく似ている。

そうだ、日本の年末の仕事納めの日の風景とそっくりだ。「よいお年をお迎えください」 が 「よいチュソクをお過ごしください」 になっているだけ。

ちなみに韓国では正月も旧暦で祝う。毎年、旧正月(ソル)と前後1日を含めて3連休となり、このときもチュソクと同じような光景が繰り広げられる。日本の 「よいお年をお迎えください、新年おめでとうございます」 に当たる 「새해 복 많이 받으세요.」(新年、福がたくさんありますように)という挨拶を交わす。

日本のお正月感覚が、韓国では1年に2度味わえるというわけだ。  

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2013年09月09日

唐辛子の天日干し

一気に秋らしくなった釜山。真っ赤な唐辛子を天日干しする光景をあちこちで見かけるようになった。街路樹のイチョウの木にも、まだ青いが銀杏の実がたわわに実っている。今年もまた “命がけで” 銀杏を拾うおばさんの姿を見られることだろう。


  

2013年02月11日

韓国の旧正月

昨日、설날(ソルラル=旧正月)を迎えた広安里。風もなく穏やかな1日だった。



ビーチでは凧揚げする人の姿も見られた。



不死鳥のようなデザインの凧(▼)。風はほとんどないように思ったがよく揚がっていた。



こちらのレディーは少々苦戦中・・・(▼)。





小魚でもいるのか、やけにカモメが舞っていた。



韓服(ハンボク)姿の人もちらほら。この女の子の韓服は、子どものものにしては色合いが地味な感じ。家族や親戚が来ていたものをリフォームしたものだろうか。この女の子を含め、韓服を着た子どもたちはどこか誇らしげな表情で歩いているのがほほえましかった。



韓国の旧正月は日本の元日と同じような雰囲気だ。多くの人が帰省し、親戚同士集まってお墓参りする。子どもは親や親戚からお年玉をもらう。凧揚げや伝統遊びをするところや떡국(トックッ)という餅入りのスープを食べるところも、日本のお正月の様子と似ている。

ちなみに韓国では、1月1日前後にも 「새해 복 많이 받으세요.」(新年、福がたくさんありますように=新年おめでとうございます)という挨拶を交わすが、旧正月前後にも全く同じ挨拶を交わす。1年に2度正月を迎えるのはなかなか不思議な感覚だ。

大勢の人々が一斉に “民族大移動” するため高速道路は大渋滞し、鉄道やバスも混雑する。そのため最近では、地方に住む親や祖父母の世代が、ソウルに住む息子や娘家族を訪ねる “逆帰省” も増えているとか。

ともあれ、穏やかな旧正月だった。  

Posted by dilbelau at 09:21Comments(2)釜山の歳時記

2012年12月30日

救世軍の社会鍋

釜山駅広場で見かけた 「救世軍」 の 「社会鍋」(慈善鍋)。日本でいう歳末助け合い募金のようなもので、毎年12月になると街のあちこちで見かける。「救世軍」 はイギリスに本部を置き、現在、世界124の国と地域で活動する国際的なキリスト教(プロテスタント)の団体。



釜山駅では駅正面の階段・エスカレーター前で、おなじみの赤いジャンバー姿で大きなベルを鳴らしながら通行人に募金を呼びかけていた。



この鈴の音を聞くと、あぁ年末だなと感じる風物詩の1つ。
  

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2012年11月08日

大学修学能力試験(スヌン)あれこれ

本日11月8日、韓国では全国一斉に大学修学能力試験(スヌン)が実施された。スヌンが実施される日は毎年、受験生が遅刻せず試験会場に到着できるよう、また聞き取り試験の時間に騒音が出ないよう、国家あげて細心の注意を払う。今年も釜山日報(2012年11月8日2面)に、いろいろなエピソードがのっていたのでご紹介。
*****

△ 8日午前、試験場が7箇所もあるプサン市サハ(沙下)区の道路で交通渋滞が起こり、112交通支援問い合わせの電話が殺到した。昨年まで試験場に指定されていたヘドン高校が、周辺が工事中のため試験場から外れ、残り7つの学校に受験生が押し寄せたために交通渋滞が起こったもの。

プサン市サハ警察署は、本日午前6時から8時20分までの間に、サハ地域で実に約40件の交通支援要請の電話が入り、パトカーやオートバイで受験生を試験場まで緊急輸送したと発表した。112総合状況室は本日(午前8時20分現在)127件の通報があり、うち112通報が73件、一般通報が54件だったと明らかにした。

地域ごとに試験場の数に偏りがあり、サハ区のように試験場が多い地域もあれば、チュン(中)区のように試験場が1つもなかったり、ヨンド(影島)区のように試験場が1つというエリアもある。

特に、サハ区の7つの試験場の中には、試験場同士が隣接しているところが多く、毎年慢性的な交通渋滞が発生している。

△ ウルサン(蔚山)からプサンの試験場に向かっていたプサン市の女子高3年生Yさん(18)は、交通事故に遭って怪我をしたが、警察の迅速な対応で、治療後、受験会場を急きょ近くの試験場に変更して入室、無事に試験を受けることができた。

Yさんは母親が運転する乗用車で試験場に向かっていたところ、午前6時53分頃、プサン・ウルサン高速道路のプサン方面30.8km地点で、乗っていた乗用車のタイヤが突然パンクし、車がガードレールに衝突するという事故が発生した。この事故でYさんは顔や足に怪我をした。通報を受けて出動した高速道路パトロール隊は、Yさんをヘウンデ(海雲台)ペク病院に搬送し、Yさんは応急処置を受けた。さらに教育庁と協議し、Yさんが試験を受けるはずだったトンネ(東莱)区ミョンジャン(鳴蔵)洞ハクサン女子高校ではなく、近くのヤンウン高校で受験するよう変更。入室締切10分前の午前8時に試験場に入ることができた。

△ プサンジン(釜山鎮)区カヤ(伽耶)高校前では、「暴走族」の受験生輸送作戦が注目を集めた。

午前7時55分頃、入室締切時間が近づき多少人気が少なくなっていたカヤ高校前に、オートバイが4台現れた。オートバイには10代の男女10人が分乗していた。誰が見ても間違いない「暴走族スタイル」。

警察が近づいた瞬間、1台のオートバイから、カバンをたすきがけにした受験生が下り、一緒に来た友だちに手を振って試験場へと走っていった。

オートバイ4台は、大学入学資格検定試験によって大学入試に挑戦する友人イくん(17)のため、トクチョン(徳川)洞からカヤ高校まで走ってきたのだった。オートバイは緊急配送会社で働く友達が手配したと言う。一瞬、取り締まらなければと思った警察も笑いながら引き上げた。

△ 「急いで試験場に行かないといけないんですが・・・」

「受験生の父兄ですか?」

「いいえ、試験の監督官なんです・・・」

本日午前6時58分頃、プサン消防本部119総合状況室に差し迫った声の電話が入った。通報者はプサン市トン(東)区のある試験場で試験管理・監督を担当する監督官。試験場に遅刻しそうだと慌てたあまり、119に助けを求めたのだ。本来なら試験監督官は早めに試験場に到着し、試験に必要な物品を受け取り、受験生に伝える注意事項などを確認する監督官会議も開くため、受験生より50分早い午前7時20分までに試験場に入っていなければならない。

「受験生119特別輸送班」はすぐさまこの監督官がいるナム(南)区へ消防パトカーを派遣、やきもきする監督官を時間までに無事試験場に送り届けた。

△ 急性虫垂炎で手術を受ける予定の学生が、手術日を遅らせて病室で試験を受けた。

プサンのテレサ女子高校3年生キム・スルミさん(18)は、大学修学能力試験の2日前の11月6日、突然、虫垂(盲腸)が破裂する急性虫垂炎のため入院した。病院では緊急手術が必要だと判断されたが、手術をすると試験を受けられなくなるかもしれないという状況。キムさんは、3年間準備してきた試験を逃すわけにはいかないと、手術を延ばして病室で試験を受けることに決めた。

プサン市教育庁はキムさんのために“病棟受験場”を設けることにし、入院中のケグム(開琴)ペク病院の病室を借り、臨時受験本部を設置した。“病室受験場”とはいえ、総括監督官と試験監督官2人、警察官1人が立ち会うというのは、他の試験場と同じだと。

△ 8日、プサン~キメ(金海)軽電鉄運営(株)(BGM)は、聞き取り試験が実施される午前8時30分~9時と、午後1時~1時30分の間は、電車の騒音を予防するため試験場付近(博物館駅~スロワンヌン(首露王陵)駅)の上下線の運行速度を、普段の時速70kmから25kmに減速して運行した。

BGMはまた、プサンのササン(沙上)駅には電車1編成を非常用に待機させ、故障時や乗客の混雑時にすぐさま投入できるようにした。さらに21ある全駅舎に機関士の資格を持つ職員を配置するなど、非常事態に備えた。
*****

毎年いろいろなエピソードが紹介されるが、今年もすごいなと。特に、虫垂が破裂した状態で手術を遅らせてまで試験を受けたという女学生、一歩間違えれば腹膜炎で命にかかわる状態だと思うが・・・。

受験生が無事に試験を受けることを最優先に、まさに国家挙げての一大イベント。どんな緊急事態にも対応してくれそうだ。

さて、今年も会場付近では、受験生を応援する後輩の姿が。チャングや太鼓まで持って盛大に応援(▼写真は민중의소리より)。



遅刻しそうになり、急きょパトカーで試験場まで緊急輸送してもらった生徒も(▼写真は연합뉴스より)。



ともあれ、今年のスヌンも終了。受験生の皆さん、そして見守っていた家族の皆さん、お疲れさまでした。  

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2012年07月18日

スイカを食べる日

今日は초복(チョボク=初伏)。「夏至後の第3庚の日」 なので毎年日にちは変わるが、今年は今日7月18日がその日に当たる。

チョボクと 「夏至後の第4庚の日」 の중복(中伏=チュンボク)(今年は7月28日)、そして 「立秋後最初の庚の日」 の말복(末伏=マルボク)(今年は8月7日)の3日間は、삼복(サムボク=三伏)または복날(ポンナル=伏日)と呼ばれ、暑い夏を乗り切るためサムゲタンポシンタンなど滋養強壮の料理を食べる習慣がある。

・・・というのは有名だが、この日はもう1つ 「コレ」 を食べる日だというのも聞いたことがある。

「コレ」 とは、ずばり 「スイカ」。

何年か前のチョボクの日に、当時お隣さんだったSオンニが、あとは煮るだけという状態に準備したサムゲタンをくださったことがある。その時、「チョボクの日にはサムゲタンを食べるけど、サムゲタンを食べられない人はスイカを食べるのよ」 と教えてくれたのだ。

サムゲタンの代わりに他の鶏肉料理とかスープ料理というなら分かるが、何故サムゲタンの代わりにスイカなのか不思議に思った覚えがある。

その後、その 「ポンナルにスイカを食べる」 という話は忘れていたのだが、先ほど近くのスーパーに行くと、入口付近に巨大なスイカが陳列してあり、上の方に 「오늘은 초복(今日はチョボク)」「수박(スイカ)」 と書かれた紙が吊られていた。



もちろん、今日だけではなくこれまでも毎日陳列されていたが、「今日はチョボク」 という張り紙は初めて見た。また他の果物屋の店先でも、スイカに 「チョボク スイカ」 と書いた紙を張り付けてあるのを見かけた。

やはりポンナルにスイカを食べる習慣(?)があるようだ。調べてみると、もともとポンナルの時期はスイカの旬だということもあり、またスイカは水分を多く含むので汗で水分が奪われがちな身体に水分補給を、という意味合いもあるらしい。

サムゲタンにしてもスイカにしても、夏バテしがちな時期に栄養や水分をしっかりとって、暑い夏を乗り切ろうという生活の知恵だ。

ちなみに写真のスイカは1個15,000w(現レートで約1,000円)。軽トラの荷台に乗せて売っているスイカも、大きさにもよるが、1個5,000w(約350円)や安いものでは3,000w(約200円)というものも見かける。今年はスイカが豊作なのだろうか。  

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2012年05月07日

カーネーションが1番売れる月

明日5月8日は日本では 「母の日」 だが、韓国では 「어버이날(オボイナル=父母の日)」。日本では5月の第2日曜日が 「母の日」 で、6月の第2日曜日が 「父の日」 とそれぞれ別の日に定められているが、韓国では曜日に関係なく毎年5月8日が 「父母の日」 と定められている。

もともと1956年に5月8日が 「母の日」 と定められたが、何故 「母の日」 はあって 「父の日」 はないのだという議論が起こり、1973年からは5月8日が 「父母の日」 となったという経緯があるそうだ。

韓国でも日本と同じく 「父母の日」 にはカーネーションを贈る習慣がある。「父母の日」 の少し前になると、どの花屋も一斉に店頭にカーネーションを並べる。





1つ1つ丁寧に花かごを作るおばさん(▼)。カーネーションは、花屋の前だけでなく人通りの多い路上でもよく売られている。



実は、花屋にたくさんのカーネーションが並ぶのは、5月8日の 「父母の日」 だけではない。翌週5月15日の 「스승의 날(先生の日)」 にも、お世話になっている先生にカーネーションを贈る習慣があるので、またまたたくさんのカーネーションが並べられる。

5月はカーネーションが1年で1番たくさん売れる月だろう。



  

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2012年05月01日

働く日? 休む日?

日本と同じく韓国でも今日5月1日は 「勤労者の日」。昨夜のニュースでも伝えられていたし、今朝もあぁそうだなと思っていたのに、そのうちすっかり忘れていた。

先ほど買い物に出たが、いつも利用するトラックの八百屋さんが定位置にいない。今日は日曜日でもないのにおかしいな、何か用事があって臨時で休んでいるのかなと、近くのスーパーへ。

スーパーに行く前に銀行に寄ろうと思ったら、銀行も閉まっている。ドアの 「本日、勤労者の日につき休業」 という張り紙を見て、ようやくトラックの八百屋さんがいない理由が分かった。

昨夜のSBSニュースによると、「勤労者の日」 は勤労基準法による休日。国が定めた祝・休日ではないが、働く人々が休むための日だ。そのため、5月1日に通常通り営業する会社では、社員にそれぞれの日当の50%以上の休日手当を与えるか、または代替休日を与えなければならない。

勤労基準法の対象ではないが、農林・畜・水産業の従事者にも、有給休日が保障されている。

しかし、公務員を含め官公庁で働く人には公務員法が適用されるため、普通の平日同様働かねばならない。

教師は国公立、私立によらず学生の学習権が最優先なので、学校長が自らの裁量で休業日と決めない限りは、勤務せねばならない。

保育園や幼稚園は、1人でも子どもが預けられれば通常通り運営しなければならないが、その代り子どもを預ける親は追加料金を支払うというのが原則、なのだそうだ。以上はあくまでも原則論。実際にはその通りでないこともあるだろう。

またソウルでは本日14時、全国民主労働組合総連盟の組合員約4,000人がソウル駅広場に集まり、ソウル市役所前広場まで街頭行進を行ったそうだ。また16時からは市役所前広場でメーデーの記念大会が開催された。

韓国労働組合総連盟も本日9時から、ソウル蚕室洞(チャムシルドン)の総合運動場で 「勤労者の日」 記念マラソン大会を開催したそうだ。(写真は 「ヘラルド経済」 より▼)



  

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2012年04月26日

韓国は祝日が少ない??

日本はもうすぐゴールデンウィーク。5月1・2日も休みをとって9連休という人もいるのだろうか。

韓国にはゴールデンウィークのような長期の連休はない。また、日本では祝日が日曜日と重なると翌日の月曜日が振替休日になるが、韓国ではそうはならない。「残念でした」 で終わり。

また日本では、以前は日にちが固定されていた成人の日(1月15日)や海の日(7月20日)、敬老の日(9月15日)、体育の日(10月10日)が、今では 「何月の第何月曜日」 のように、必ず連休になるように変わった。ハッピーマンデーとか言ったか。

そんなこんなで何となく、日本の方が祝日が多いような印象があるのだが、調べてみると実は大差ないのだ。

日本は、元日(1月1日)、成人の日(1月第2月曜)、建国記念の日(2月11日)、春分の日(3月20日)、昭和の日(4月29日)、憲法記念日(5月3日)、みどりの日(5月4日)、こどもの日(5月5日)、海の日(7月第3月曜)、敬老の日(9月第3月曜)、秋分の日(9月22日)、体育の日(10月第2月曜)、文化の日(11月3日)、勤労感謝の日(11月23日)、天皇誕生日(12月23日)の15日。

韓国は、元日(1月1日)、「3・1節」(3月1日)、こどもの日(5月5日)、顕忠日(6月6日)、光復節(8月15日)、開天節(10月3日)、クリスマス(12月25日)、旧正月(陰暦1月1日から3日間連休)、釈迦の生誕日(陰暦4月8日)、秋夕(陰暦8月15日前後3日間連休)の14日。



しかし韓国では祝日の数がだんだん減ってきている。植樹の日(4月5日)や制憲節(7月17日)、ハングルの日(10月9日)など、以前は祝日だったが現在は祝日から除外されたという日も8日ある。(公共機関の週40時間勤務制度実施に伴って、などの理由で)

また、日本のように振替休日制度を導入しようという意見が上がっていたこともあったのだが、企業が従業員に休日手当を支払わねばならない、時給制や日雇い労働者の収入が減る、生産量にばらつきが出る、などの理由で反対意見が多く、実現には至っていない。

さて、2010年から始まった 「韓国訪問の年(Visit Korea Year)」 もいよいよ今年が最後の年。日本からも大勢の観光客が訪れるゴールデンウィークは、韓国にとっても日本の旅行会社にとっても稼ぎどき。ゴールデンウィーク期間の格安ツアーや、短期集中語学研修のコースなども用意し、各社、日本人観光客誘致に力を入れているようだ。  

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2012年04月01日

ウソの始まりはポン菓子

今日4月1日エイプリルフールは、韓国語では 「만우절(マヌジョル)」。漢字では 「萬愚節」。中国から入ってきた言葉をそのまま使っているのかと思いきや、中国語では 「愚人节」(愚人節)というのだそうだ。少し違いはあるが、どちらの漢字も云い得て妙だ。

エイプリルフールといえば、ウソ。韓国語で 「ウソ」 は 「거짓말(コジンマル)」 だが、もう1つの言い方(俗語)がある。「뻥(ポン)」 だ。

昔通っていた韓国語の学校の先生が教えてくれたのだが、この 「뻥(ポン)」 の由来は 「뻥튀기(ポンティギ=ポン菓子)」 なのだそう。

韓国ではお米だけでなく豆を使うこともあるようだが、お米にしても豆にしても、この機械で 「뻥(ポン)!!」 とやれば、はじけて元の米粒・豆粒の大きさの何倍にも大きくふくらむ。

このように、何かが実物の大きさよりかなり大きいかのように誇張して話すことをたとえて、「뻥(ポン)」 が 「ウソ」 や 「ほら・誇張」 の意味としても使われるようになったのだそうだ。

(昔ながらのポン菓子。南浦洞・光復路にて▼)



  

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2012年01月23日

설날(旧正月)の朝

설날(ソルラル=旧正月)当日の今日。天気予報通り、全国でこの冬一番の冷え込みを記録した。比較的温暖なことで知られる釜山でもマイナス6℃、ソウルではマイナス12.2℃まで下がったそう。

それでも室内は2重窓とオンドル(床暖房)のおかげでポカポカ。靴下さえ要らないほど暖かい。家の中が暖かいので、外に出て初めて実際の寒さに震え上がることになる。今日はけっこう風も強く、体感温度はさらに低い。特に、ここしばらく暖かい日が続いていたので、より寒さが身にしみる。最高気温も釜山は0.5℃どまりだった。

しかしこの寒さの中、ランニング・短パン姿でビーチをジョギングする中年の男性を見かけた。すごい。

旧正月当日は休業する店も多いが、広安里沿いの大手コーヒーチェーン店などは営業している店もけっこうある。久しぶりに夫と近くのスタバへ。

さすがに旧正月当日なので、韓国人客は少ないかと思いきや、店内は普段通りのスタバの様子だった。むしろいつもより客が多いくらい。家族や親戚一同で旧正月を祝う人も多いだろうが、旧正月だからといって特別なことをするわけでなく普段通りの1日を過ごすという人もけっこういるようだ。日本と同じく。





日本の晴れ着にあたる、한복(ハンボッ=韓服)を着て歩いている姿はほとんど見かけなかった。着物同様、最近では着る人も少なくなってきているという。昨夜のニュースで、タンスの中にしまいこんでほとんど着ない韓服を寄付し、海外で暮らす在外同胞に送るという活動が紹介されていた。

例年この時期は日本に一時帰国しているので、韓国で旧正月を過ごすのは今年が初めて。日本のように初詣に行く人や、神社や寺近くにたくさん屋台が並ぶ姿は見かけないので、あまり正月という雰囲気は感じられない。多くの人が帰省し、ひっそりと静まり返っている街の様子は、まるで추석(チュソク=旧盆)のときとそっくりだった。  

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2012年01月22日

韓国の旧正月

今年の旧正月は、明日1月23日(月)。多くの人は22(土)から24(月)まで4連休だ。故郷に戻って墓参りをしたり、家族・親戚一同が集まって楽しく食事をしたり、というのが一般的な連休の過ごし方のようだ。

「最近はあまり着なくなりました」 とは聞くが、日本で正月に晴れ着を着るように、韓国でも伝統衣装・韓服(ハンボッ)を着る習慣がある。大人の女性が着る韓服も優雅でとても美しいが、子供が慣れない韓服を着てすました顔をしているのも愛らしい。

連休に入る前の21日朝、アパートのエレベーターで幼稚園の姉弟とその母親と乗り合わせた。家を出る時間が似ているようで、この3人とは時々乗り合わせる。いつもは普通の洋服を着ているのに、21日の朝はお姉ちゃんも弟も韓服姿でおめかしだ。

母親曰く、連休中は幼稚園も休みなので、連休前のこの日、先生に절(ジョル=韓国の伝統的な挨拶の方法)をするため韓服を着せたのだそう。ジョルをすると、先生が1,000wずつ세뱃돈(セベットン=お年玉)をくれるのだそう。一般家庭でも、旧正月には祖父母や両親にジョルをすると、お年玉がもらえる。(イラストは금강신문より▼)



さて、そんな旧正月の風物詩といえば 「民族大移動」。旧正月を故郷で過ごす帰省客のため、高速道路や列車・飛行機・高速バスなど、毎年かなりの混雑となる。

TVニュースでも、主要インターに配置されたレポーターが、その時点での車の流れを伝えている。最近はスマートフォンの普及により、移動中の車中でも各高速道路の混雑状況をリアルタイムで知ることができるので、比較的空いている道路を選んで走れるようになり便利になった、と上司が話していた。

もちろん、先祖代々釜山出身だという人もいるので、帰省しない人もいる。また最近は日本と同様、旧正月の連休を利用して海外旅行する人も増えているそうだ。

ともあれ、大半の人は家族・親戚が集まって家でゆっくり過ごすことが多いので、街なかはとても静かになる。連休2日目の今日も、街なかの道路はガラガラ。おかげでバスの運転手がいつも以上にぶっとばしていた・・・。

南浦洞の人出も、いつもよりはるかに少ない。週末ともなれば多くの人が行き交う光復路かいわいも、ひっそりとしている。光復洞に面している店はいつも通り営業しているところが多いが、1本裏通りにはいると多くの店が閉めている。連休中はずっと休業、または旧正月(23日)当日のみ休業、という店が多いようだ。

旧暦で言うと今日が大晦日。今ごろ多くの主婦たちは、豪華な旧正月のお膳を準備するのにてんてこまいだろう。

새 해 복 많이 받으세요.  

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2011年12月27日

年越し・初日の出イベント

2011年もいよいよ残すところあと1週間。釜山でも年末年始のイベントが行われる。

12月31日は南浦洞の龍頭山(ヨンドゥサン)公園で、23時から音楽祭や花火ショー、カウントダウン、鐘つきなどが行われる。日本の除夜の鐘は108回だが、釜山では33回。33という数字の由来は諸説あるが、「希望」・「愛」・「平和」 のためそれぞれ11回ずつつくという説もある。

また年が明けた1月1日の6~9時は、広安大橋の上段が歩行者に開放され、橋の上から初日の出を見ることができる。(広安大橋上下2段の自動車専用道路で、上段が海雲台→大淵方面、下段が大淵→海雲台方面のそれぞれ一方通行になっている。)当日は5~11時の間は上下段とも車両通行止めとなる。

さらに同じく元日の6:40には、海雲台海水浴場で公演や寒中水泳大会、願い事を書いた風船飛ばしなどのイベントが行われる。

12月31日の日没は17:20頃、1月1日の日の出は7:30頃と予測されている。



  

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2011年12月22日

冬至の団子入り小豆粥

今日は冬至。日本で冬至といえば柚子湯に入りかぼちゃを食べるように、韓国では小豆粥を食べる習慣がある。韓国では、小豆は厄除け・魔除けの食べ物として知られている。冬至には、邪気を取り払い健康で暮らせますようにとの願いをこめて、小豆粥を食べる。

冬至に食べる小豆粥には、もち米粉を練って丸めた白玉団子を入れて食べる。この白玉団子は、小型の鳥の卵に似ていることから 「새알(セアル)」(새=セ=鳥、알=アル=卵)と呼ばれる。



冬至の小豆粥は食べるだけでなく、昔は厄除け・魔除けのために家中の壁に少しずつまいてまわったのだそうだ。まくと言ってももちろんそんなに大量ではなく、少量の小豆粥をスプーンなどでしずくを飛ばす程度にまくのだそう。それでも壁に小豆粥がついてしまうが、小豆粥が飛び散ったあとそのものが厄除け・魔除けの役割を果たすので、拭き取ったりはせずそのままにしておくのだそうだ。

昨年の冬至には、こんな話を教えてもらいながら、元お隣さんのオンニと一緒に団子を丸め小豆粥を作った(私は見学)のを思い出す。  

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2011年12月20日

今年の四字熟語

日本では今年1年を表す漢字として 「絆」 が選ばれたが、韓国では今年1年を表す사자성어(四字熟語)として 「엄이도종(掩耳盜鐘)」 が選ばれた。

日本の 「今年の漢字」 は1995年に始まり、財団法人日本漢字能力検定協会が毎年12月に選定するが、韓国の 「今年の四字熟語」 は、同じく12月に 「교수신문(教授新聞)」 が発表している。2001年に始まり今年で11年目になるそうだ。

選定には、まず関連学者ら10人ほどから候補となる四字熟語を推薦してもらい、その後教授新聞の論説委員や編集企画委員などで候補を絞り、最終的に教授新聞の筆者や主要日刊紙のコラム筆者、主要学会長、全国の大学教授らによって、今年の四字熟語を決定するのだそう。

「엄이도종(掩耳盜鐘)」 は、中国の秦の時代に丞相の呂不韋が作った歴史書 『呂氏春秋』 に出てくる故事成語。

春秋時代に范武子の子孫が治めた国が滅びる危機に瀕したとき、ある村人が鐘を盗もうとした。村人は鐘があまりに大きいので、持ち去りやすいよう鐘を金槌で割って壊したが、その音が大きく響いたため他の人に気付かれると思い、思わず自身の耳をふさいだという逸話。

聞きたくなくて耳をふさぐが、そうしたところで意味はない。自分が犯した過ちについては考えず、他人の批判は聞きたくなくて耳をふさぐが意味がない、という意味だ。

今年の四字熟語「掩耳盜鐘」を推薦した大邱(テグ)大学の최병두(チェ・ビョンドゥ)教授は、「現在の政府、特に李明博(イ・ミョンバク)大統領とその周辺にいる政治家が多くの過ちを犯したのに、これを隠蔽したりごまかしたりするだけでなく、最近では疎通を遮断するため耳をふさいでいる」 と指摘。政府のコミュニケーション不足と独断的な政策強行を批判したものとみられている。



(イラストは教授新聞より▲)

また今年1年を表す四字熟語として2位に挙げられたのは 「여랑목양(如狼牧羊)」。狼に羊を飼わせるように、貪欲な官吏が民を搾取するという意味。

同じく3位は 「다기망양(多岐亡羊)」。逃げた羊を探すうち、道がいくつにも分かれていてどちらに進めばよいか分からなくなり、羊を見失うという意味。

2010年を表す四字熟語として昨年末に発表されたのは、「장두노미(蔵頭露尾)」。追われたダチョウが頭だけを草むらの中に隠して尾は隠せず、あわてる姿に由来する四字成語。言葉では真実を隠そうとするが、その一部はすでに世間に表れているという意味。またばれないように戦々恐々とする態度も意味する。  

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