2012年06月27日

ワカメの天日干し 9

つづき

ビーチ沿いの路地もいい雰囲気だ。民宿脇のミニ菜園ではネギやサンチュが育てられており、生活感をかもし出していた。林浪海水浴場が、観光地ではなく、生活の中の憩いの場だと感じるのはそういうところにあるのかもしれない。



この民宿の前には干したワカメが並べられていた(▼)。売り物なのか、単に干しているだけなのかは不明。





この民宿の近くに、一面黒いシートで覆われた畑があった。何だろうと近付いてみると、黒いシートの上には無数のワカメが天日干しにされていた。



有名な기장미역(キジャンミヨッ=機張ワカメ)だ。きれいに並べられてある。これが乾燥すると、先ほど民宿の軒先で見かけた状態になるのだ。



あたりには磯の香りが一面に漂っていた。



そろそろお腹が空いてきたが、ビーチ沿いには民宿ばかりで食堂が見当たらない。バスに乗って機張(キジャン)あたりまで戻ることにした。バス停前にある、林浪(イムナン)海水浴場の入り口を示す看板(▼)。7つの海水浴場はすべて禁煙になったので、禁煙を示す小さな表示板も立てられている。



バス停(付近10m以内)も禁煙になり、6月1日からは違反者には2万ウォンの罰金が科せられる。その案内ポスター(▼)がバス停内にも貼られているのだが、それを見たおじさん2人が 「2万ウォンだって」、「安すぎるよ。もっと高くしないと」 などと話していた。



その5分後くらいに、1人がポケットからタバコの箱を取り出した。もう1人のおじさんに 「おい、禁煙だそ」 とたしなめられていたが、バス停から2~3m離れて吸い始めた。人が多いバス停ではさすがに吸わないだろうが、停留所ごとに取締員がいるわけでもないし、「見つからなければ大丈夫」 と吸う人は完全にはなくならないだろう。

やがてバスが来たので乗り込む。市内バス188番。海を左に見ながら走っていく。なかなかいい風景だ。途中、林浪海水浴場の近くで見かけたようなワカメの天日干しを何度も見かけた。さすが機張だ。

つづく  

Posted by dilbelau at 20:29Comments(0)林浪

2012年06月27日

鉄の男の故郷 8

つづき

ビーチ沿いには 「세기로(世紀路) 임랑(林浪) 아름다운 마을(美しい村)」 と刻まれた石碑が建つ(▼)。2004年に建てられたこの石碑は、第32代国務総理で、浦項(ポハン)総合製鉄(現・ポスコ)の設立者であり元名誉会長の故・박태준(パク・テジュン=朴泰俊)氏が寄贈したものだそう。

パク・テジュン氏は、ここ機張(キジャン)郡(当時は慶尚南道東莱郡)の生まれだったそうだ。6歳の時に日本に渡り、早稲田大学在学中に終戦を迎え韓国に帰国するまで日本で過ごしたそう。



パク・テジュン氏は、鉄鋼業界で影響力を発揮したリーダーの功労と業績をたたえるために今年制定された 「鉄鋼の殿堂」 に登録された。日本人では、新日本製鉄初代社長の稲山嘉寛氏も登録されたそうだ。

くしくも、最近、技術不正取得で12億ドルの賠償訴訟を起こした側(新日鉄)と起こされた側(ポスコ)の会社の初代社長・設立者が殿堂入りしたことになる。

「철의 사나이(鉄の男)」パク・テジュン氏が昨年12月に亡くなったときには、新聞やテレビでも大々的に報じられていた。葬儀には、武藤正敏・在韓日本大使や小林健・三菱商事社長らも参列したそうだ。

さて、林浪(イムナン)海水浴場のビーチは長さ1km強と、海雲台や広安里より少し規模が小さい。水深も1.3mほどと浅いので、家族連れで訪れる人が多いようだ。





まだ海開きしていないこともあるが、海雲台や広安里のように人でいっぱいということもなく、のどかで静かないい雰囲気だ。



ビーチ沿いにカフェやレストラン、ホテルなどが立ち並ぶ広安里や海雲台を見慣れている私たちにとっては、高い建物もなく、庶民的な民宿が並ぶ素朴な海辺は新鮮な印象だった。これで釜山にある7つの海水浴場はすべて訪れたことになるが、夫はここ林浪が一番気に入ったそうだ。



海雲台は国内外からの観光客が多いが、林浪は地元の人々の憩いの場といった感じだった。持参したテントをビーチに設置し、その中で食べたり飲んだり、涼しい風を受けながらのんびりと過ごしている人が多かった。







つづく  

Posted by dilbelau at 09:05Comments(0)林浪

2012年06月26日

縁台にスイカ 7

つづき





こちらは林浪(イムナン)海水浴場を描いたもの(▼)。



古里(コリ)原発も(▼)。



なかなか味のある 「林浪スーパー」(▼)。日曜日で休みだったのか、海開き期間中のみの営業なのか、はたまた今はもう営業していないのか、この日は閉まっていた。





ちょっと失礼して、ある民宿の中庭の風景(▼)。縁台にスイカが1個。ここに座って潮風を感じながらスイカを食べたらさぞかしおいしいだろう。







つづく  

Posted by dilbelau at 20:24Comments(0)林浪

2012年06月26日

アートな海辺 6

つづき

ビーチ沿いにはたくさんの민박(民宿)が立ち並んでおり、民宿の塀や外壁には楽しげな絵が描かれていた。これが新聞で紹介されていた임랑벽화마을(林浪壁画マウル)。壁画マウル(村)というよりは、壁画通りといった感じだ。





大きな郵便ポストとハガキ(▼)。



ハガキにはメッセージが書かれている。この民宿の宿泊者が書いたものだろうか。



本格的なものから素朴なものまで、釜山では少し前からこういう壁画アートが流行っており、あちこちで見かける。



こちらは絵は描かれていないが、民宿の名前と電話番号の横に一言 「에어컨(エアコン)」 と(▼)。エアコンで勝負、だ。



それぞれ、壁や塀に民宿の名前と連絡先が書いてある。





パステルトーンの可愛らしい雰囲気の絵が描かれている民宿が多い中、こちらは落ち着いた雰囲気の建物(▼)。背後にある松の木がよくマッチしている。「ビーチペンション」 という少し意外な名前だが、開け放った戸を通して家の向こう側の松の木の幹が見えている。非常に風通しの良さそうなペンションだ。



つづく  

Posted by dilbelau at 09:03Comments(3)林浪

2012年06月25日

7つの海水浴場制覇! 5

つづき

林浪(イムナン)海水浴場めざして、海沿いを歩いて行く。







非常にのどかな海だ。海沿いではおじさん・おばさんが輪になって화투(ファトゥ=花札)を楽しんでいた。



これが임랑(イムナン=林浪)海水浴場(▼)。ビーチは1km余りだそう。新聞には、KORAILの月内(ウォルレ)駅から約2.6kmと書いてあったが、そんなに歩いた気はしなかった。



海雲台・広安里・松島・松亭の4つの海水浴場は6月1日に海開きしたが、ここ林浪と多大浦・日光海水浴場は7月1日に海開き。監視台やパラソルの準備はしてあったが、まだ海開き前なので静かな雰囲気。







つづく  

Posted by dilbelau at 20:31Comments(0)林浪

2012年06月25日

海辺の洋風レストラン 4

つづき

월내해안길(月内海岸道)は、やがて再び国道31号線に合流する。その合流点あたりに、独特な雰囲気の建物が立ち並んでいた。列車の中からも見えていて、ペンションか何かかと思っていたのだが、「고스락(コスラッ)」 という名前のレストランだった。





赤茶色の屋根に真っ白な壁というリゾート風の建物は、周囲の素朴な海辺の風景とはやや異質な感じもするが、どの部屋からも海を一望できゆっくり食事を楽しめるようだ。



メニューは焼き肉(牛肉、鴨肉)や刺身、海鮮焼き、ステーキ、スパゲティ、ポークカツなど。建物のそばにはガーデンテラスがあり、海を眺めながらのんびりくつろぐにはぴったりだ。







ガーデンテラス脇の階段を下りるとビーチに出られるようになっている(▼)。





この時はまだ昼食には早くお腹が空いていなかったので、そのままレストランを後にして海沿いを林浪(イムナン)海水浴場方面へと歩いて行った。

고스락(コスラッ)
釜山市機張郡長安邑月内里552-7
(051) 727-0101, 7702
http:www.고스락.kr


つづく  

Posted by dilbelau at 09:07Comments(0)林浪

2012年06月24日

コリ原発1号機 3

つづき

国道31号線から民家の路地を抜けて海の方へ歩くと、ほどなく細い道に行き当たる。海岸沿いの월내해안길(月内海岸道)だ。すぐ向こうには、噂の고리(古里=コリ)原発が見えている(▼)。1番右が、停電事故(今年2月9日)が起きたにもかかわらず、それが隠ぺいされていたという1号機。



もしコリ原発で福島のような事故が起こったら、今私の目に見えているこののどかな海沿いの風景は一瞬で死の世界になる。2007年に30年間の運転寿命を終え、2008年から延長運転に入っているコリ1号機の安全性については、IAEA(国際原子力機構)の調査団が安全点検を実施し、6月11日に安全面で問題はないと発表したばかり。再稼働するかどうか注目されているところだ。



月内海岸道(▼)。



腰の曲がったおばあさんが、畑の雑草を抜いていた。



テトラポットから釣り糸を垂らすおじさん。





岩場にもたくさんの釣り人がいた。





遠くに原発を見ながら、この平和でのどかな風景がいつまでも続きますようにと願った。



つづく  

Posted by dilbelau at 20:59Comments(4)林浪

2012年06月24日

ムグンファ号でウォルレ駅に到着 2

つづく

私たちが乗車する포항(浦項=ポハン)行きの무궁화(無窮花=ムグンファ)号は、約10分遅れでホームに入ってきた(▼)。列車が遅れることは韓国ではよくあることだ。



けっこう多くの人が乗り込む。ホームの高さが低いので、乗り込む時は列車の出入口の階段を数段上らねばならない。お年寄りなどには大変だろう。この日割り当てられた座席は進行方向右側。海が見える側の席だ。出発すると間もなく海雲台ビーチや冬柏島が見える(▼)。



釜山では普段バス(たまに地下鉄)で移動することが多いので、たとえ短時間でも列車の旅は心が浮き立つ。列車の旅にお菓子や飲み物が欠かせないのは、韓国も日本も同じ。乗客の多くは、お菓子などをつまみながらおしゃべりに花を咲かせている。時折、陽気な鼻歌も聞こえていた。

海雲台駅を出発したムグンファ号は、송정(松亭=ソンジョン)駅、기장(機張=キジャン)駅、좌천(佐川=チャチョン)駅に停車し、30分弱で目的地월내(月内=ウォルレ)駅に到着した。海雲台や広安里と同じく6月1日に海開きした松亭海水浴場には、すでにたくさんのパラソルが立てられていた。



月内駅のホームに降り立った若い男性2人は、折り畳み式の自転車を組み立てて走り去って行った。やはりこの駅にも遮断機はなく、乗車券の確認や回収もしなかった。



月内(ウォルレ)駅正面(▼)。非常にのどかな雰囲気だ。



駅のすぐそばには、これまた素朴な雰囲気の 「月内中央教会」 が(▼)。教会の看板と赤い十字架がなければ、ここが教会だとは気がつかない感じだ。この日は日曜日でちょうど礼拝中だったようで、中から讃美歌の歌声が聞こえていた。



駅前を走るのは国道31号線(▼)。釜山の기장(機張=キジャン)郡と강원도(江原道=カンウォンド)の고산(高山=コサン)郡を結ぶ道路だ。交通量はけっこう多い。



つづく  

Posted by dilbelau at 09:20Comments(0)林浪

2012年06月23日

林浪海水浴場へ 1

釜山には7つの海水浴場がある。海雲台(ヘウンデ)・広安里(クァンアルリ)・多大浦(タデポ)・松島(ソンド)・松亭(ソンジョン)・日光(イルグァン)・林浪(イムナン)だ。そのうち6つは訪れたことがあるが、林浪だけまだ1度も行ったことがなかった。

そのうち行ってみたいと思っていたら、ちょうど新聞に林浪海水浴場のことが紹介されていた。海水浴場沿いに벽화마을(壁画マウル)があるのだそう。よく晴れた先日の日曜日、夫と林浪に出かけた。

林浪海水浴場までは市内バス180番や188番でも行けるが、その新聞記事によると、KORAIL(韓国鉄道公社)の월내(月内=ウォルレ)駅から海水浴場までの2~3kmの道のりを歩いて行くのもおすすめだとのこと。そのルートで行ってみることにした。

おなじみ海雲台駅。ちょうど列車が到着したようで、たくさんの乗客が降りてきた。



構内の窓口の前には自動券売機(▼)もあるが、韓国のクレジットカード専用。



私たちは窓口で乗車券を購入。月内駅まで2,600w。所要時間は30分弱。



乗車券を買って待合室に入ろうとすると、待合室の出入口横に、以前は見かけなかった機械があることに気がついた。現金でも利用できる券売機だった(▼)。次回はこれを利用してみよう。



改札口(▼)。相変わらず乗車券の確認は全くしない。車内検札もないし、下車駅での乗車券の確認もしない。乗客を信用していますということらしいが、実におおらかだ。



改札口を通ってすぐのところに植わっている멀구슬나무(モルクスルナム▼)。「苦楝樹」 という文字も添えられている。日本でいう 「栴檀(センダン)」 だそうだ。

センダンの実は生薬の「苦楝子」(クレンシ)。 外用薬としてひび、あかぎれ、しもやけに、煎じた液は内服すると整腸、鎮痛効果がある。 樹皮を煎じたものは「苦楝皮」(クレンピ)。 内服して虫下しに使われる。 葉にも強い除虫効果があるそうだ。



センダンが植わっているところから、線路2本分を越えてプラットフォームへ移動するのだが、遮断機もない(▼)。もちろん列車の到着が近づくと、係員が立って乗客に危険のないよう誘導するので、遮断機がないことで危険だとは感じないのだが。



韓国のプラットフォームは、線路からの高さが日本に比べて非常に低い。階段1段分くらいの高さしかないので、すぐ線路内に下りられてしまう(▼)。

最初に見た時は、こんなに低くて危なくないのかと思ったが、考えてみるとそうでもない気がする。むしろ日本のように高いプラットフォームだと、線路内に誰かが誤って転落してしまった場合、転落によるケガも負うだろうし非常に危険だ。救助する側も危険を伴い大変だ。しかし、こんなに低いと、もし線路内に落ちてしまっても、すぐ引き上げられるという利点はあるかもしれない。



線路の先に見えている高層アパートは、以前はまだ建設途中だった(▲)。釜山の風景もどんどん変わっていく。

つづく  

Posted by dilbelau at 21:02Comments(4)林浪