2012年10月17日

独特な雰囲気の空間 3

つづき

右側のC展示場のテーマは 「認識の私たち」。同じく5人のアーティストの作品が展示されている。





いずれも鉄の檻のような空間の中に展示されており独特の雰囲気だ。





一番印象的だったのはこちら(▼)。



やはり鉄の檻で囲まれた空間で、レクイエム(?)のような音楽が流れる中、おどろおどろしい感じの立体絵が動いている。



下のタイプライター風のものが動くと、そこから伸びた糸が立体絵を動かすという仕組みのようだ。



ちょっと恐ろしくもあり早々に退散した。

また、中央の建物1階の片隅には、ビエンナーレの作品ではないが釜山や釜山鎮駅の昔の写真が展示されていた(▼)。



駅舎の前には、ビエンナーレの各会場を結ぶ無料シャトルバスの乗り場があった(▼)。(9月22日~11月24日の金・土・日・祝日運行)



「釜山鎮駅舎→釜山文化会館→広安里ミーワールド→釜山市立美術館」 の順で走るバスと、「釜山市立美術館→広安里ミーワールド→釜山文化会館→釜山鎮駅舎」 の順で走るバスがあり、いずれも1時間に1~2本程度運行している。時刻表はバス停にも記されているし、HPやパンフレットにも記載されている。  

Posted by dilbelau at 08:44Comments(0)釜山ビエンナーレ

2012年10月16日

旧・釜山鎮駅での特別展 2

つづき

昔の釜山の地図も(▼)。



こちらの釜山市街地の地図は日本が作ったもので 「明治44年7月発行」、「地質調査編集局」 とある。地名も 「富平町1丁目」、「土城町1丁目」 など、日本式になっている。





こちらも 「Mobile Museum」 の作品の1つ(▼)。



1階を見下ろしたところ(▼)。



また、1階の出入り口から建物に入り、そのまま前に進むと建物の裏に出る。線路脇のフェンスには横断幕が取り付けられており、その左右にも展示場があることを示している。



矢印に沿ってまずは左のA展示場へ。



「神話的寓話-場所についての真実または虚構」 というテーマで、5人のアーティストの作品が展示されている。



床に並べられたファイルはどれも表紙に 「発掘作業」 と書かれ、文化・社会・経済・歴史・健康などのテーマ別になっている。そばにいた係員は 「どうぞ中もご覧になってください」 と。中には新聞の切り抜きなど(▼)。









この空間はスピーカーから水滴が落ちるような音が聞こえており、独特の雰囲気をかもしだしていた(▼)。



つづく  

Posted by dilbelau at 20:28Comments(0)釜山ビエンナーレ

2012年10月16日

ビエンナーレ特別展 1

先日、「2012釜山ビエンナーレ」 の特別展が開かれている旧・釜山鎮(プサンジン)駅舎の会場をのぞいてみた。



展示は、駅舎の建物中央部分と建物左右の部分で、3つのテーマに分かれて展示されている。建物中央部分は1・2階とも 「Mobile Museum」 というテーマで、韓国人のアーティスト6人の作品が展示されている。



1階部分で目を引いたのは、壁に張られたいわば “未来予想年表”。それによると、2050年には南北統一という悲願が達成され、2060年には統一10周年を記念する北朝鮮美術展が開かれてる(▼)。現実にこういう日がいつか来るのだろうか。





2階には、以前(2005年まで)釜山鎮駅が実際に使われていた当時の写真が展示されていた。



遠足に行くところだろうか、プラットフォームで列車を待つ小学生と引率の先生の姿(▼)。子どもたちのウキウキした雰囲気がよく伝わってくる。







駅の改札(▼)。



つづく  

Posted by dilbelau at 08:41Comments(0)釜山ビエンナーレ

2012年09月18日

間もなく釜山ビエンナーレ

9月22日~11月24日まで、「2012釜山ビエンナーレ」 が 「Garden of Learning」 というテーマで開かれる。

今年のビエンナーレには市民や作家、総監督が参加し、80人の市民から成る 「Learning Council」 と緊密に作業しながら典型的なビエンナーレ型展示に対する疑問を共有、展示を通してより幅広い共同体に近づける可能性を探求した。また現実的な問題を扱うさまざまな芸術的アプローチの方法についても研究した。

本展示 「Garden of Learning」 は、釜山市立美術館(有料)と좌천(チャチョン=佐川)アパート(無料)で開かれる。他のビエンナーレに比べると比較的少ない42人の参加作家を集中的に扱い、美術館ではあまり見られない珍しい展示形式をとっている。「ビエンナーレ」 という構造的な枠の中で、グローバルな美術館のコレクション展示スタイル 「Garden of Learning」 を、「Learning Council」 も交えて企画した。これは今日、市場原理やポピュリズム的な要求に直面している美術館が持つ公共機関としての重要性や、その固有の価値をあらためて確認するためだ。

特別展 「Outside of Garden」 は、公募で選ばれた9人の新進キュレーターが企画した9つの展示から成る。本展示の企画意図を広げ、釜山の特殊性や歴史的記憶が刻まれている釜山鎮(プサンジン)駅舎や釜山文化会館、広安里(クァンアルリ)の 「ミーワールド」 で開かれる(いずれも無料)。9月22日~11月24日の64日間。出品作品は5カ国65人(チーム)約202点。

また 「ビエンナーレ・アーバン・スクエア」 は街なかで開かれるさまざまなフェスティバルやイベントを通し、企画者や参加作家、「Learning Council」、市民が自由にコミュニケーションするための場(▼)。

1.パネルディスカッション(9月24日10~12時)釜山市立美術館講堂。テーマ 「2012釜山ビエンナーレ展示企画方法論」。
2.アーティスト・オン・トーク(9月24日14~17時)釜山市立美術館講堂。
3.キュレーター・トーク(10月6日14~20時)1部=釜山市立美術館講堂(14~17時)、2部=特別展展示場ツアー(17~20時)。
4.アジア・ビエンナーレ・フォーラム(10月13日14~17時)釜山市立美術館講堂。テーマ 「アジア・ビエンナーレの最近の流れと協力方案の模索」。
5.アート・エデュケーター・トーク(10月20日14~16時)釜山市立美術館講堂。内容=教育プログラム進行過程と紹介および質疑応答。

「ギャラリー・フェスティバル」 は、地域の美術文化の発展や美術市場の活性化および一般人の美術に対する関心を誘導するため、2008ビエンナーレより実施しているイベント。釜山ビエンナーレ期間中、ギャラリーの自主企画展という形式で開催される。2012釜山ビエンナーレのギャラリー・フェスティバルには6つの区(海雲台区・水営区・釜山鎮区・東区・西区・金井区)で、64人の作家が参加し約409点の作品が展示される(9月22日~10月6日)。

入場料(本展示の釜山市立美術館のみ)は一般(19~64歳)7,000w(団体(20人以上)5,000w)、学生(7~18歳)4,000w(団体3,000w)、ファミリー券(成人2人、高校生以下の子ども2人の4人基準)15,000w。新世界(シンセゲ)ポイントカード提示時、団体料金適用(1人4枚まで)。釜山銀行BCカードで支払う場合1,000w割引(1人4枚まで)。国立現代美術館のチケット提示時20%割引。

また、展示場間のシャトルバスも運行。9月22日~11月24日の金・土・日・祝日、市立美術館→ミーワールド→文化会館→釜山鎮駅のコースと、釜山鎮駅→文化会館→ミーワールド→市立美術館の2コース。10時から18時ごろまで、おおむね1時間に1~2本ずつ。時刻表

特別展 「Outside of Garden」 の会場の1つ、旧・釜山鎮駅舎でも準備が着々と進んでいる(▼)。



参考:作品の制作過程についての記事(釜山日報9月14日21面)  

Posted by dilbelau at 16:59Comments(0)釜山ビエンナーレ

2010年11月13日

チベットと白い人

つづき

得体の知れないと言おうか、非日常すぎて理解しづらいというか、何とも言えないそんな作品が多い中、私が唯一見てほっとした作品がこちら(▼)。チベットというタイトルの大きな絵だ。



そのそばにも、同じくチベットの子供たちを描いた作品(▼)。実際にはこの2枚の絵(▼)はつながっていて1枚の横長の作品だ。





この絵に描かれている子供たちの素朴な表情がとても印象的で、見ていてほっとした。この日観た作品の中で、一番気に入った作品だ。

外に出ると正面玄関の真正面に、今年9月には広安里ビーチで人々の視線を浴びていた ”DOLLAR” という作品が、今度は高層アパートやクレーンを背景にどーんと据えられていた。







ついでに水営ヨット競技場の作品も観に行こうかと思ったが、この日は冷たい風が強くてとても寒く、また個性的なアート作品をたくさん観て少々頭も疲れたので、この日はこれにて帰ることにした。  

Posted by dilbelau at 09:11Comments(0)釜山ビエンナーレ

2010年11月12日

独創的アート

つづき

なかなか個性的な作品がたくさん並んでいる。非日常の空間に紛れ込んだ感じだ。まるで ”耳なし芳一” のように、全身に文字が書かれたこちらは(▼)・・・。



天井から吊り下げられた、巨大な・・・(▼)



芋虫・・・(▼)。英語だけでなく、韓国語の文章も書かれている。







こちらは日本人アーティストの作品(▼)。ふすまに描かれている。







こちらの真っ暗な部屋は、入った途端に平衡感覚を失いそうになり、思わずつかまるところを探したぐらいだ(▼)。中央にキラキラと光を反射する人の頭部のオブジェがあり、ゆっくり回転している。



また壁や天井に投影されている無数の光のかけらもグルグルと回っており、そのせいで平衡感覚が失われる感じがするようだ。






つづく  

Posted by dilbelau at 22:14Comments(0)釜山ビエンナーレ

2010年11月12日

人類の進化

つづき

さて2階へ。まず、3階の吹き抜け部分から見てとても気になった作品の前へと。





正面から写真を撮るとまるで1枚の絵のように見えるが、実は立体作品。



3階の吹き抜け部分から見ると・・・(▼)。



人類の進歩にまつわるモノなどを、どれも薄い切り絵のようなモチーフに仕上げて床に挿してあるような感じだ。見る角度によって表情が変わり、面白い。



こちら、瓦礫を平らに積んだ作品の向こうには、カラフルなプラスティック製の袋が並び ”DEMONCRACY” という文字(▼)。



700個以上のさまざまな容器に赤い液体を注いだ作品(▼)。



床も天井も壁も真っ赤な部屋の中に吊り下げられた、無数の鳥かご。どれも空っぽだ。中央には釜山の家々の屋根の上に取り付けられている、青い給水タンク。床にはひっくり返った猫の死骸・・・。部屋の中には独特の音楽が流れている。



壁には、どれも割れたマグカップ。どこを見ても、いかにもメッセージ性のありそうな、何かを象徴しています感たっぷりの作品。何とも言えない空間。



つづく  

Posted by dilbelau at 09:30Comments(0)釜山ビエンナーレ

2010年11月11日

花束を抱く大仏さま

9月11日から開催されている ”釜山ビエンナーレ2010” も、最終日の11月20日まであと10日ほどになった。広安里ビーチにもたくさんの作品が展示されていたが、もともと広安里ビーチ会場での作品展示は10月1日までの予定。10月に入ると、予定通り全ての作品が撤去された。

それ以降、国際映画祭があったり花火祭りがあったりで、ビエンナーレそのものの存在感が私の中ではすっかり薄らいでいた。しかし、ふと会期終了までもうあとわずかだということに気付き、先日市立美術館会場を訪れてみた。

入場料は大人7,000w。私は新世界百貨店のポイントカードを持っていたので、5,000wに割引きしてもらえた。このチケットで水営ヨット競技場会場にも入場できるのだそうだ。

展示は地下1階から3階まで。パンフレットをもらい、まずは3階へ。大きく分けて展示タイプのものと、スクリーンの映像を観るタイプのものとがある。さすが ”アート” だけあって、私にはなかなか理解の難しい作品も数多い。

こちらの花束を抱えた鮮やかな色の大仏様(?)、土台部分のスピーカらは音楽が流れている(▼)。



この大仏様に対面する場所には、曼荼羅のような絵が(▼)。ちょうど大仏様がこの絵を見ているかのような配置。何とも独特な雰囲気が漂っていた。



他にも、大きな作品が目立つ。





中には、お皿の上にミニチュアの動物などを配置した作品も(▼)。これもアート。



こちらは人形の髪の毛を使った作品だそう(▼)。何だか不気味だった。



つづく  

Posted by dilbelau at 21:32Comments(0)釜山ビエンナーレ

2010年10月01日

釜山ビエンナーレ2010

つづき

第5回釜山ビエンナーレの、広安里ビーチ会場に展示されている作品。

先日紹介した海を見つめる ”白い人” は、タイ人の 「Dollar」 という作品(▼)。



同じく以前紹介した10個の頭は、韓国人の 「頭シリーズ」 という作品。今日もひたすら海を眺めている。(▼)



以前通ったときはまだ製作中だったこちら(▼)は、中国人の 「瞑想の場」。スロープを上がると半球形の中も見ることができるが、中に特別な何かがあるというわけではなかった。



韓国人の作品 「日の出」 (▼)。



同じく韓国人の 「彼らはまだ生きている」 という作品(▼)。



こちらも韓国人の作品 「染まる」 (▼)。





「惑星の虫」 という韓国人の作品(▼)。



こちらは夜になると上部が光るらしい、「我々は目立たなくてはならない」 という作品(▼)。



モンゴル人の 「Life」 という作品は、動物の骨のようなものや木を使っている。砂浜を掘って展示している(▼)。



これらの他にも、まだまだこれから制作・展示される予定の作品があるようだ。ビーチ沿い数ヶ所に、このような案内図(▼)も設置されている。



  

Posted by dilbelau at 09:08Comments(2)釜山ビエンナーレ

2010年09月30日

貝殻をまとった芋虫??

9月11日から開かれている、第5回釜山ビエンナーレ(11月20日まで)。釜山市立美術館やヨット競技場などとともに、ここ広安里ビーチも会場の一つになっている。

今回の釜山ビエンナーレのテーマは 「진화속의 삶 / Living in Evolution」。広安里ビーチには、”生命感” と ”長大な時間” を感じられる作品を主に展示してあるそうだ。

いくつかの作品のうち、ひときわ目を引いていたのがこちらの作品。足立喜一朗氏の 「Out of Mercy (은총으로)」 という作品だ。



前から見ると(▼)、



横から見ると(▼)、



後姿は(▼)。



下部には車輪がついていて、芋虫のような動きをしながら円を描くようにゆっくりと進んでいる。表面には無数の貝殻が貼り付けられている。

つづく  

Posted by dilbelau at 20:25Comments(0)釜山ビエンナーレ

2010年09月11日

何してるの??

つづき

10個の頭と並んで一段と目立っていたのは、こちらの ”白い人”。広安里ビーチの民楽側の端に腰掛けている。



大きな目、長い指、大きな足。体型から見ると女性のようだ。後姿はこんな感じ(▼)。海の方を見つめて何を思っているのだろう。



他にも、難破船ふうの船(▼)や、





制作途中のおわんのような形の作品(▼)など、まだまだ準備中のビエンナーレ。どんな作品に出会えるか、楽しみである。



さて、そんなビエンナーレの作品のそばでは、幼稚園児らしきかわいらしい子供たちが砂遊びに興じていた。ボクたち・ワタシたちも、小さな ”作品” を作っているのかも・・・。





  

Posted by dilbelau at 17:32Comments(0)釜山ビエンナーレ

2010年09月11日

海を見つめる10の頭

9月11日~11月20日の71日間、釜山ビエンナーレが開かれる。テーマは 「진화속의 삶 / Living in Evolution」 (進化の中の生命)。会場は釜山市立美術館・広安里ビーチ・ヨット競技場などで、国内外著名人の作品135年展示される予定だ。

ビエンナーレ(biennale)とは、2年に一度開かれる美術展覧会のことだそうだ。「ビエンナーレ」 の原意はイタリア語で 「2年に一度」。語源となったヴェネツィア・ビエンナーレが、世界中から美術作家を招待して開催される展覧会として100年以上の歴史を有し、サンパウロ・ビエンナーレも第二次世界大戦後以来の歴史を持つそうだ。

1990年代以降は光州ビエンナーレ(韓国)をはじめ、世界中にこうした国際美術展が増えている。釜山でも、2002年から釜山ビエンナーレと題してやはり2年に一度開かれており、今年で第5回目だ。

ビエンナーレというのが2年に一度だとは今まで知らなかったが、そういえば前回釜山で開かれたのは2年前の2008年9月6日~11月15日だった。

今年の2010釜山ビエンナーレで特筆すべきは、展示監督に日本人の東谷隆司氏が就任したことだろう。釜山ビエンナーレの展示監督に外国人が迎え入れられるのは、今回が初めてだそうだ。組織委員会側によると、展示監督推薦委員会を構成し、国内外の展示専門家147人の中から選出したのだそうだ。

東谷氏はインディペンデント・キュレーターとして東京芸術大学(西洋画専攻)を卒業後、同大学院修士課程を修了。94年から世田谷美術館に勤務、以降2002メディアシティソウルのコミッショナー、東京・森美術館アソシエイト・キュレーター、2008釜山ビエンナーレ現代美術展ゲスト・キュレーターを歴任し、日本国内の美術館およびギャラリーなどで注目される実験的展示の企画も担当した方だそうだ。

さて、そんな釜山ビエンナーレ開幕を目前に、広安里ビーチでは準備が進められている。10月3日の釜山パダ(海)ハーフマラソンへの出場を控え、可能な限り毎日ビーチを走っている夫が、ビーチにいろいろな作品が並び始めていると教えてくれたので、見に行ってみた。

まず目を引くのが、ビーチに並ぶ ”頭” たち(▼)。



10個の頭はそれぞれ、いろいろなモノでできている。たくさんの本でできた頭(左)や、全体がヨーロッパのお城のようになった頭(右)(▼)。本は、「三国志」「西遊記」「荘子」「東医宝鑑」「大蔵経」 「변신(変身)」 などのタイトルが見える。

テレビやパソコン・時計などでできた頭(左)や、大きな十字架がデザインされた頭(右)など(▼)。

一列に並んだ10の頭は、どれも海の方をまっすぐ向いている。





つづく  

Posted by dilbelau at 13:23Comments(0)釜山ビエンナーレ

2008年09月07日

2008年9月7日(日)アフォガート

昨日とは打って変わって、朝からいい天気。洗濯しようとベランダに出ると、セミが網戸にとまっていることに気づいた。これで2~3回目。うちは6階だが、セミって意外と高くまで飛ぶもんなんだなーと感心もし、またすっかり秋めいてきている中、「夏はまだ終わってないよ」とアピールしているようにも思えた。

そういえば、わずかだがまだセミの鳴き声が聞こえる。

さて今日は近所のKさんと3人で、韓国語・日本語の勉強会をする日。主に、日本語を韓国語に訳すときの疑問点などを教えてもらっているが、似ていると思われる韓国語と日本語でも、文章の組み立て方や動詞の使い方にはやはり違いがあり、似ているからこその微妙な違いが難しいと感じる。


午後はお天気もいいし、夫と広安里ビーチのビエンナーレの作品を見に行ってみることにした。ビーチへ向かおうとマンション駐車場を歩いていると、突然「ゴン!」という音とともに、私たちの10メートル位前に何かが落ちてきた。よく見ると食べ終わったリンゴの芯。誰かがマンションの窓からいたずらで投げ落としたものだろう。すぐ上を見上げてみたがもちろん人影はない。廊下を歩きながらリンゴを食べ、下を確認せずにゴミを捨てる感覚で窓から投げ捨てたのかもしれないが、本当に驚いた。

今日は本当に晴天だったので、ビーチでは外国人たちが甲羅干しをしたり、ビーチバレーを楽しんだりしていた。中には海に入っている人もいたが、さすがにもう寒いだろうと思う。








ビエンナーレの作品は、それぞれ作者とタイトルを書いた立て札とともに設置されている。左の写真は、黄色に塗った木の枝から、ネットに入ったたくさんのレモンがぶらさがっている。真ん中のはもちろん人形。













個性的な作品が多い中、私の一番のお気に入りはこの作品。青と黄色のビニール袋をふくらませて、ポールの先に取り付けただけのものだが、風に袋がなびいてサワサワと何ともいえないいい音がする。












砂をダムのように形作って、その中に高層ビルの模型のようなものを無数に配置しているものも。林立する韓国の高層ビルをあらわしているようにも見えた。









1.7キロほどのビーチを端まで歩いて、一通り作品を鑑賞。先日、夫の同僚が連れて行ってくれた喫茶店へ行ってみることに。そのとき同僚が食べていた「アフォガート」なるものが、夫の目にやけにおいしそうにうつったとのことで、食べてみようと。エスプレッソコーヒーをアイスクリームの上にかけた、「アフォガード」なるスウィーツが存在すること自体、先日まで2人とも知らなかったのだが…。(^^;

先日同僚が食べているのを見たときには、かなり甘そうに見えたので、私は一口味見程度のつもりだった。先に食べてみた夫が、しきりに「おいしい、おいしい」と言うので、そんなにおいしい~?と半信半疑で食べてみたら、何と何とこれが本当においしいではないか!

甘いものがそれほど好きではない私でも、箸ならぬスプーンが進んだ。エスプレッソの苦みとアイスクリームの甘味が絶妙のバランスで、お互いを引き立てあっている感じ。エスプレッソだけだと苦すぎるだろうし、またアイスだけだと甘すぎるだろうが、これを合わせると、クセになるおいしさ。^^ やっぱり何事も体験してみないと分からないもんだなー、とあらためて思った。

ちなみにこの「アフォガード」、韓国語式に発音すると「アポガードゥ」(「ポ」を強めに)となる。^^

さて少し本屋に立ち寄ってから家路に。今日は夕食に、お気に入りの「ジャガイモピザ」。途中通りかかった花屋の店先に、早くもポインセチアが並んでいた。私の中のイメージでは、ポインセチアといえばクリスマス。朝にはセミ、昼には海水浴、夕にはポインセチアをそれぞれ目にし、なんだか不思議な感じがした。
  

Posted by dilbelau at 20:05Comments(0)釜山ビエンナーレ

2008年09月04日

2008年9月4日(木)『旅の達人』との再会

今日も爽やかな朝。(^^)昨日、近所の広安里ビーチを通ったとき、何やらオブジェのようなものを数人がかりで組み立てているのを見かけた。そういえば、「釜山ビエンナーレ」なる催しがもうすぐ開かれる予定なので、その作品の一つなのだろう。







「釜山ビエンナーレ」と書かれたのぼりがあちこちに立てられ、大きなポスターもよく見かける。何か芸術関係のお祭りなのだろうとは思っていたが、いったい具体的には何なの??と、以前もらったチラシを引っ張り出してみた。

チラシによると、期間は9月6日から11月15日の71日間…って、あさってからだ。






以下チラシより抜粋

2008釜山ビエンナーレは「浪費(Expenditure)をテーマに、9月6日から11月15日まで、釜山広域市美術館、広安里海水浴場、APECナル公園などで繰り広げられる。文化と芸術が生産や構築、保存や増強という行為よりも、このような生産物を消耗、放出させる浪費的な行為に関連しているという意味から、2008釜山ビエンナーレの行事テーマ「浪費」は、今日の文化と芸術を定義する肯定的な表現である。絵画、写真、映像、設置、野外彫刻など、全世界から招待された作家たちの様々な作品を通して、独特な浪費の哲学と現代美術の生々しい現場を見せてくれるだろう。
う~ん、分かったような分からないような…。とにかく、いろいろな芸術作品を楽しませてくれるということだろう。

釜山には、「なんとか祭」というお祭りがとても多い。この釜山ビエンナーレの他にも、「初日の出祭り」・「北極熊水泳大会」・「広安里漁坊祭り」・「機張イワシ祭り」・「釜山国際モーターショー」・「釜山国際ロックフェスティバル」・「釜山海祭り」・「朝鮮通信使韓日文化交流祭り」・「釜山国際観光展」・「釜山国際映画祭」・「ジャガルチ文化観光祭り」・「広安里花火大会」…。

どれも宣伝や演出が非常に上手だと、夫はいつも感心する。みんなで何かを楽しむ場を提供するのも上手だと思うし、また市民の側もそれにのって気楽に楽しむのが上手だと思う。

中でも、来月開かれる「釜山国際映画祭(PIFF)」は、世界各国からの映画作品が数か所の会場で上映され、大変な盛り上がりを見せるそうだ。

また、これも来月行われる「広安里花火大会」はかなり大規模なもので、この広安大橋を通行止めにし、橋の上から約8万発の花火を約45分間にわたって打ち上げるそうだ。

毎年各地から(中にはソウルから見に来る人もいるとか)大変な人出が押し寄せ、この付近はかなりにぎわう(混雑する?)らしい。



さて、昨日組み立てていたオブジェ、もう完成したかなと見に行くと、あと一息。ついでにビーチを少し散歩してみると、他にも作品に取り組んでいる人を見かけた。会期中、どんな作品が見られるのか楽しみである。













その足でカットへ。ここは男女1人ずつのスタッフがいて、今日は男性が担当してくれた。韓国の美容/理容室では、たいていこんな透明のビニール製の袖なしエプロンをつけて作業される。日本では見たことがないので、初めて見た時はちょっと不思議な感じがしたが、カットするときに飛び散った髪が服につくのを防いでくれて合理的だと思う。

どちらの美容師さんのときも、カットしながらほどよい程度におしゃべりしてくれる。

来月、博多で美容ショーがあるそうで、この男性美容師さんも参加されるそうだ。世界各国から美容師さんたちが集まり、流行りのスタイルや技術などを披露するようだ。

この美容師さんは高校時代から美容室でアルバイトしていたそうだ。もちろんカットはできないので、パーマのロットを巻いたりシャンプーをしたりする担当。高校卒業後、美容学校に通う途中で軍隊に行き、戻ってから復学してさらに学んだそうだ。そのように、韓国では美容学校に通う前に、アルバイトをして美容への道をスタートする人も多いという。

また彼によると、韓国の美容学校は教え方が非効率的だと。それに比べて日本の美容学校は体系的に教えてくれるので、美容の勉強をするために韓国から日本に留学する人も多いそうだ。また日本の製品(シャンプーやパックなど)は優れているのでうちでも使っているのだと、陳列してある商品を見せてくれた。

でも、韓国の方が優れていると思われる点もあって、それは「手仕事」だそうだ。彼の考えでは、製品そのものは日本のものが優れているが、美容師とか裁縫とか手を使って何かをする作業は、韓国の方が上手だと思うとのこと。なるほど確かに、まちでよく見かける「服修繕」屋さんの腕は、私も何度か利用したが相当上手でしかも安い。そう言われてみればそうかもしれない。

カットの後、シャンプーをしてもらったのだが(韓国では初めて)、これが非常に気持ちよかった。夫から、男性の場合はカット後に洗面台で自分でシャンプーするよう言われると聞いていたので、女性はどんなふうだろうと思ったら、日本の美容室にあるようなシャンプー台。

椅子に座って背もたれが倒れ、洗ってもらうタイプ。日本ではたいてい水しぶきや泡が顔に飛び散らないように、目や口をタオルで覆ってくれていたが、ここはタオルはなし。また首が当たる部分も、日本のシャンプー台より若干クッション性が悪い気がしたが、いずれも問題というほどの問題ではない。「あえて違いを指摘するなら…」という程度のもの。

それより何より、彼のシャンプーは本当に気持ちよかった。私が過去に美容室でしてもらったシャンプーの中で、一番気持ちよかったと思ったほど。男性の大きな手でマッサージするように洗ってくれるからか、力の入れ方がいいからか、点(指先)で洗っているというよりは、何か「面」で洗ってくれているような感じ。

シャンプー後「どうやって洗ってくれてたんですか?」と尋ねたほど。『指のはらを使って洗ってるんですよ』と、当り前のように答えていたが、実に上手だった。さすが高校時代から経験していただけのことはある。

このシャンプーを含めて8000ウォン。男性も同額とのこと。夫にもすすめてみようと思い、夫の希望である髭剃りをしてくれるかどうか尋ねたが、残念ながら髭剃りは規則でできないとのこと。「美容院」なので刃物を使う髭剃りは許可されていないそうだ。でも、しつこいようだがあのシャンプーだけでも来てみる価値はあると思う。(肝心のカットも上手だと思う ^^ )

カットの後、近所の大型マートで買い物。ここは食料品から衣料品、日用雑貨、電気製品、文房具などたいていのものは揃うのだが、店内が広すぎて、またカートが巨大すぎて動かしづらく、買い物に時間がかかってしまう。また野菜や果物は市場より高い。

なので、八百屋で揃うものはいつもの八百屋で買い、調味料とか肉・魚とか牛乳とかはこの大型マートで、と買い分けしている。



추석(秋夕=陰暦8月15日。日本のお盆のようなもの)が近づいているため、マートでも추석のとき実家や親戚にご挨拶に行くとき用の手土産品を売り出している。












韓服のユニフォームを着た店員(後ろ姿)も見かける。手土産品は、日本のお中元やお歳暮と似ていて、食料品や洗剤セットなど様々なものが予算に応じて選べるようになっている。左の写真は缶詰や食用油の詰め合わせ、右は伝統菓子の詰め合わせ。この菓子は、大阪の「おこし」のように見えるのだが、値段は意外と高くて1箱8万ウォン!

* * *

さて今日は、夫の長年の友人である『旅の達人Kさん』が釜山にいらっしゃったので、夕食を共にする予定。夫がKさんに初めて会ったのもやはり旅先で、以来のお付き合いだそうだ。私は釜山に来る前に紹介してもらって以来なので、半年ぶりの再会ということになる。

Kさんは世界各国(夫によるともう100カ国ぐらいは訪れているだろうと)を旅されており、今日もまた最近の旅の話なども聞かせてもらえるかもしれない。楽しみである。

それまでに、昨日後回しにしてしまった宿題を仕上げなければ…。それにしても本当にいいお天気 (^^)

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Posted by dilbelau at 14:43Comments(0)釜山ビエンナーレ