2013年02月24日

モスクでの集団礼拝 2

つづく

正面の中央にあるのはミフラーブと呼ばれ、メッカの方角を示すものだそうだ(▼)。イスラム教の信者はこの方向に向かって1日に5回礼拝するのだそう。「毎日の礼拝の時間も決まってるんですよ」 と、1か月分の礼拝時間(5回/日)が書かれた名刺サイズのカードも見せてくれた。向かって右側にある階段状のものは、集団礼拝のときにイマームが説教を行う説教壇だそう。

モスクでの集団礼拝 2

正面左手にはコーランを収めた本棚がある(▼)。

モスクでの集団礼拝 2

私たちに説明してくれたイマームは、コーランを開いて実際に読んでくださった。文字は右から左に読むようだ。独特のメロディーがあり歌のようにも聞こえた。「歌みたいですね」 と言うと、イスラム教では歌舞、飲酒などは厳しく禁止されているのだと教えてくれた。

モスクでの集団礼拝 2

「イスラム教と聞くと、1日に何回も礼拝してるとか、1日中礼拝ばかりしてるみたいなイメージを持っている人もいるみたいですけどね、実際には1回の礼拝は5分くらいです。タバコ1本吸う時間と変わらないんですよ。礼拝のせいでろくに仕事ができないんじゃないかと思われることもありますけど、そんなことないんですよ」。イマームは分かりやすくいろいろ説明してくれた。

「イスラムではね、男女同席が禁じられてるから、本来はモスク(礼拝堂)も男女別々なんです。だけどここには男女それぞれ専用のモスクがないから男性はここ、女性はあそこで、というふうにして区別してるんです」 と、少し前方に張り出した中2階の女性用の礼拝空間を指した(▼)。

モスクでの集団礼拝 2

「ここは信者にとっては聖なる場所。だからこの礼拝堂の中も、空間の前半分(ミフラーブに近い側)には立ち入らないようにしてもらいたい。神聖な場所だからね」。

イマームのその言葉の意味は、その後、13時からの集団礼拝を見学させてもらってよく分かった。モスクの外側にある手洗い場で身を清めた信者が続々と集まる中、私たちも許可を得て礼拝の場に入らせてもらった。外から見学させてもらえば充分だと思っていたが、信者の1人が 「見学ですか。じゃあご主人はここから、奥さんは2階に上がって見学してください」 と中に入れてくれた。

礼拝堂内の白い柱に取り付けられた照明にオレンジ色っぽい灯りがともされ、一層、荘厳な雰囲気をかもしだしていた。1人、2人と信者が入ってき、それぞれ入り口付近で身なりを整えた後、前の方に進んで横1列に並ぶ。男性は全部で50~60人はいただろうか。列は3列ほどになった。

中2階部分には女性信者が4人。1人は韓国人のようで、3人は純白の衣装に身を包んでいた。

やがて先ほど私たちに丁寧に説明してくれたイマームが入ってきて、信者たちの前、ミフラーブの正面に座り礼拝が始まった。みな一斉にメッカの方向に向かって深々とお辞儀をして礼拝する。許可を得たとは言え、部外者の私がこの場にいるのは申し訳ないとさえ感じるような、非常に神聖な雰囲気だった。

やがて礼拝が終わったのか、1人、2人と出て行き、残った人々は互いに歓談しているように見えた。

私たちもお礼を述べて、聖院を後にした。


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