2010年05月24日

李明博大統領 「対国民談話文」 全文

以下、『연합뉴스(連合ニュース)』・ソウル・안용수記者・5月24日付記事(写真も連合ニュースより)

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이명박(李明博=イ・ミョンバク)大統領は24日午前、ソウル龍山戦争記念館で 『天安』 沈没の事態を 「大韓民国を攻撃した北朝鮮の軍事挑発」 と規定し、断固たる措置をとるという内容の 「対国民談話文」 を発表した。

李明博大統領  「対国民談話文」 全文

以下、対国民談話文の全文。

尊敬する国民の皆さん、朝鮮半島の情勢が重大な転換点を迎えています。本日私はこれを痛感しつつ、この場に立ちました。

国民の皆さん、『天安』 は北朝鮮の奇襲的な魚雷攻撃により沈没しました。また北朝鮮でした。 我々国民が一日の仕事を終え静かに休んでいたあの時間に、朝鮮半島の平和を真っ二つに裂いてしまいました。

『天安』 の沈没は 「大韓民国を攻撃した北朝鮮の軍事挑発」 です。6.25の南侵以降、北朝鮮はアウンサン爆弾テロ事件、大韓航空858機爆破事件など、絶えず武力挑発を行なってきました。

しかし、ただの一度も自らの犯行を公式的に認めていません。今回も我々政府の自作劇だと強弁しています。

このため私ははじめから、徹底的な科学的・客観的調査を強調していました。結果が出るまではどのような予断もせぬよう、皆に忍耐と節制を求めてきました。

やっと去る20日、国際合同調査団は確実な物証とともに、最終結論を出しました。もはや国際社会の責任あるどの国も、『天安』 の事態が北朝鮮によって引き起こされたということを否認することができなくなりました。

尊敬する国民の皆さん、今まで我々は北朝鮮の蛮行に耐えに耐えてきました。ひとえに、朝鮮半島の平和に向けての切実なる願いのためでした。しかしもはや変わることでしょう。北朝鮮は自分の行為に相応する代価を払うことになるでしょう。

私は北朝鮮の責任を問うため、断固たる措置をとっていくつもりです。

今この瞬間から北朝鮮の船舶は、「南北海運合議書」 によって許容された我々の海域のどの海上交通路も利用することができません。交流協力のための航路は、これ以上武力挑発に利用されることはありません。

南北間の交易と交流も中断されます。北朝鮮は、金剛山の観光に出かけた我が国の国民の命を奪い、最近では我々が所有する財産まで一方的に没収しました。

その上 『天安』 を沈没させ、貴重な我々の若者たちの命を奪ったこの状況で、これ以上の交流・協力は無意味なことです。

ただ乳幼児に対する支援は維持します。開城公団の問題は、その特殊性もかんがみて検討していくつもりです。大韓民国はこれから、北朝鮮のいかなる挑発も受け入れず、積極的な抑制原則を堅持します。

これから我々の領海・領空・領土を武力侵犯するならば、即刻自衛権を発動します。
北朝鮮は 「3.26天安事態」 で国連憲章に違反し、停戦協定・南北基本合議書など朝鮮半島の平和と安定のための既存の合議を打ち壊しました。

政府は関連国と緊密に協議を経て、この事案を国連安全保障理事会に回付し、国際社会とともに北朝鮮の責任を問うつもりです。多くの国が我々の立場を支持しています。

私は北朝鮮当局に厳重に促します。北朝鮮は大韓民国と国際社会の前で謝罪し、今回の事件の関係者を即刻処罰しなければなりません。これは、北朝鮮が優先的に取らねばならない基本的な責務です。

ずっとそうであったように、弁明や強引な主張だけを繰り返すのなら、国際社会のどこにも北朝鮮が立つ場所はありません。

尊敬する国民の皆さん、そして北朝鮮の同胞の皆さん、我々の究極的な目標は軍事的対決ではありません。朝鮮半島の安定と平和です。韓民族の共同繁栄です。ひいては、平和統一です。

今年で6.25戦争が勃発して60年です。大韓民国はもう戦争の傷で苦痛を受け、貧困だったあの時のあの大韓民国ではありません。戦争の廃墟を踏みしめて起き上がり、自由民主主義と市場経済を憲法的な価値とし、まぶしい 「発展の神話」 を成し遂げてきました。

堂々と世界の中心へと前進しています。世界の全ての国が、国民がきちんと生きられるようにするために、熾烈に競争しています。共同繁栄と世界平和のため、力を合わせています。

全ての世界が変わりました。今も、素早く変化しています。しかし、北朝鮮はどうでしょうか?60年前も今も、少しも変わっていません。依然として対南赤化統一の空しい夢にとらわれて、脅迫とテロを行ない、分裂と葛藤を絶え間なく助長しています。

一体何のために、誰のために、このようにしているのでしょうか?同じ民族として本当に、世界を前にして恥ずかしいことです。北朝鮮政権ももはや変わらねばなりません。今日、どんな国も一人では平和を守ることも、経済を発展させることもできません。

世界と交流し協力し、全人類が進む道に一緒に参加しなければなりません。何が本当の北朝鮮政権と北朝鮮住民の生命のためなのか、現実を直視して勇気ある決断を下さねばならない時です。

朝鮮半島をこれ以上、東北アジアの危険地帯として放置してはなりません。南北がこの問題を主導的に解かねばなりません。朝鮮半島を世界平和の新しい拠り所にしていかねばなりません。

愛する国民の皆さん、ここ戦争記念館には国のために命を捧げた国軍と国連軍の勇士達の魂が宿っています。『天安』 の46勇士の名前もここに永遠に刻まれています。

我々は 『天安』 の事態を通し、再び骨身にしみる教訓を得ました。世界で最も好戦的な集団と対処しているのだという現実を忘れていました。我々の軍も失敗があったことを認めざるを得ません。

政府は今回の事態を契機として、安保体制を確固として構築します。軍の紀綱を再確立し、軍の改革に急ぎます。軍の戦力を画期的に強化します。

しっかりした韓米同盟を土台として、韓米連合防衛態勢をより一層強固にします。我々国民の安保意識も、さらにしっかりさせなければなりません。北朝鮮のいかなる威嚇と挑発、そして絶え間ない分裂画策にも我々は決して揺らいではなりません。国家安保の前に、我々は一つにならねばなりません。

国民の皆さん、どんな激しい台風が押し寄せたとしても、我々はしっかり生きる国民、あたたかい社会、強い国を目指して、一歩一歩我々の道を歩いて行くのです。大韓民国の偉大な国民は、大韓民国を偉大な国にすることでしょう。

国民の皆さん、我々皆が一緒に力を合わせて前に進んでいきましょう。

ありがとうございました。

李明博大統領  「対国民談話文」 全文

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「また北朝鮮でした。」
「今まで我々は北朝鮮の蛮行に耐えに耐えてきました。」
「北朝鮮は自分の行為に相応する代価を払うことになるでしょう。」
「世界で最も好戦的な集団と対処しているのだという現実を忘れていました。」

などと、ストレートに北朝鮮を糾弾し、辛らつな批判を述べた李大統領。

3月26日に沈没事故が発生して以来、早い時期から北朝鮮の関与を疑う声も少なからずあった中において、科学的で客観的な結果が出るまではと安易な発言をせず、また調査団の最終結論が出てからはこのように具体的かつ明確な今後の姿勢を示した李大統領。

最終調査結果が出るまでの期間は、いかばかりか長く感じられただろうと思われるが、常に冷静・客観的な姿勢を取っていたように感じられた。

さてこの発表を受け、北朝鮮側がどのような動きに出てくるのか、情勢はますます目が離せない。


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