2013年01月17日

軍将官の執務所

東莱(トンネ)にあるナクチポックムの名店 「소문난 원조 조방낙지」(ソムンナン ウォンジョ チョバンナクチ)の向かい側に、なにやら由緒のありそうな建物が建っている。随分古びた建物のようだ。前回来たときから気になっていて今回は近づいて見てみたが、門が施錠されており中には入れなかった。

軍将官の執務所

「財団法人東莱耆英會」・「耆英堂」・「東莱宋公壇享祀禊」などという文字が並ぶこの門の内側には、釜山広域市有形文化財第8号に指定されている 「장관청」(将官庁=チャングァンチョン)」 があるそうだ。以下、文化財庁HPより。
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この建物は朝鮮後期、東莱府の庁舎の1つで、この地の軍将官の執務所だった。東莱府は日本と隣接している国防上の要衝地で、1655年に「独鎮」(独立した軍営)に昇格した。軍事上の地位が強化されるに伴い、軍官の機関が設置された。釜山の警察と軍事的な属僚に 「軍校」(将官・軍官・捕校)がある。

1669年に東莱府使 「鄭晳(チョン・ソク)」 が創建した後、朝鮮第19代王 「肅宗(スクジョン)」 の時代に2度再建された。1706年に東莱府使 「黄一夏(ファン・イルファ)」 が、郷庁があった現在の場所に移した。

建物の様式は正面7間、側面2間の 「ㄱ」 字形で、 屋根は八作屋根。

この建物は、この地方に残っている朝鮮後期の官庁の建物として、当時の建築様式をうかがうことのできる価値あるものだ。しかし度重なる構造改造による変形が激しく、1998年に全面解体・復元された。現在は 「東莱耆英會」 が管理・使用している。

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「東莱耆英會」 は1846年、東莱の武庁と作庁の退任者(50歳以上)によって設立された団体。中国の故事に習い、地域の老人たちの親睦団体として誕生したとされる。

軍将官の執務所

この周囲は飲食店や市場などが立ち並ぶいわば繁華街で、そんなところに歴史的な建物があるとは意外な感じがする。それだけ東莱が歴史の長い地なのだと、あらためて感じさせられた。門が開放される機会があれば是非門の中の 「将官庁」 も見てみたい。


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この記事へのコメント
この邸宅の中を見たいですね。
チャンスがあったら、ぜひご紹介ください。
Posted by hagi1hagi1 at 2013年01月18日 14:44
hagi1 さま

了解です^^
Posted by dilbelaudilbelau at 2013年01月18日 18:22
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    コメント(2)