2010年06月20日

観戦後のミルミョン

つづき

私たちが球場を後にしたのは20時ごろ。試合中、パッピンスやトッポッギを食べたとはいえ、やはりおなかが空いている。教え子さんが、おいしい밀면(ミルミョン)屋を知っているというので、案内してもらった。

赤い看板がよく目立つ、「사직 밀면(サジクミルミョン)」。教え子さんによると、以前は 「가야 밀면(伽耶ミルミョン)」 という店名だったそうだ。野球場にちなんで、店の名前を変えたのだろう。

観戦後のミルミョン

大きな通り沿いのこの赤い看板(▲)をくぐると、奥に大きな住宅を店舗用に改装したような店構え(▼)が見える。

観戦後のミルミョン

同じく野球帰りの人たちだろうか、先客が数組いる。それでなくても、この球場周囲はとても賑やかな繁華街だ。客足は多いだろう。

밀면(ミルミョン)とは、冷麺に似た釜山名物の麺料理だ。冷麺の麺にはそば粉が入っているのに対し、ミルミョンは小麦粉とサツマイモやジャガイモのでんぷんを配合した麺を使っているのが特徴。牛骨でとったダシと各種薬草や野菜を煮て作ったスープを、冷たく冷やして麺と一緒に食べる。

冷麺同じく、スープのある 「물밀면(水ミルミョン)」 と、スープがなく辛いヤンニョムを混ぜて食べる 「비빔밀면(ピビムミルミョン)」 の2種類があり、どちらも釜山では夏場に好んでよく食べられる。店によっては行列ができることもしばしばであるほど、釜山の人には愛されている料理だ。

ミルミョンの由来は3つの説があるそうだ。

1.朝鮮戦争時代に釜山に押し寄せてきた避難民が、空腹をおさめるために作った。当時、北の方から避難してきた人が故郷でよく食べていた冷麺は、そば粉を入手するのが困難で作れず、代わりに小麦粉やサツマイモ・ジャガイモなどのでんぷんを使って麺を打った。

2.北朝鮮の함흥시(咸興市)出身の母娘が、釜山で冷麺屋を開いた。しかし、冷麺の材料であるそば粉が入手困難であったことと、釜山の人にそば粉で作った冷麺が人気がなかったことから、小麦粉で代用して麺を作った。

3. 진주 밀국수 냉면(晋州ミルククス冷麺)が由来となっている。昔から晋州には、いりこでとっただしで作ったミルククス冷麺があった。1925年に慶尚南道の道庁が晋州から釜山に移ったとき、晋州のミルククス冷麺も釜山に移り、釜山ミルミョンとして創作された。

これらの他に私は、何でも빨리빨리(早く早く)と気が短い釜山人気質には、噛み切りにくい冷麺の麺は食べるのに時間がかかるので、冷麺の麺よりは弾力を少なくして早く食べられるようにしたのがミルミョンだ、という説も聞いたことがあるが、これは後でこじつけた冗談らしい。

さて、私たちは水ミルミョン(3,500ウォン)を注文。料金は先払いだ。他に、ピビムミルミョン(4,000ウォン)や、マンドゥー(蒸し餃子=4,000ウォン)

観戦後のミルミョン

そば粉が入っているため茶色っぽい色をしている冷麺の麺とは違い、小麦粉で作られているので麺は白っぽい。麺の上には、真っ赤なヤンニョム(ほとんど辛くない)に、大根の薄切り、きゅうり、ゆで卵が盛り付けられている。彩りも美しい。

冷麺同様、食べる前にキッチンバサミで麺を適当な長さに切り、全体をよく混ぜていただく。牛骨のスープが実においしい。食欲の落ちる夏場でも、チュルチュルッとすんなりいただける感じだ。

楽しかった野球観戦の余韻に浸りながら、おいしくいただいた。

사직 밀면
(051) 502-3300


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この記事へのコメント
そういえばミルミョンの冷蔵バージョンは売っていないですよね

ビビンミョンやジャジャミョンは売っているのに・・
Posted by う~にゃん at 2010年06月21日 20:41
う~にゃん さま

そうですよね~。
発祥の地・釜山なら売っていてもよさそうなのに。
もし発売されたら、迷わずゲットですね。
Posted by dilbelaudilbelau at 2010年06月21日 22:25
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    コメント(2)