2012年10月21日

釜山国立国楽院

ソミョン(西面)の少し北に 「国立釜山国楽院」 がある。釜山市と慶尚南道地域の伝統公演芸術を継承・発展させる目的で、2008年10月にオープンした施設。

釜山国立国楽院

2年ほど前に、「国立釜山国楽院」 の向かい側にある旧・ハヤリア基地が一般公開された。釜山市に返還された同基地の敷地を 「釜山市民公園」 として造成する工事に入る前に、市民に公開されたのだ。「釜山市民公園」 は昨年夏に起工され、2014年に完成予定。完成すれば敷地16万坪と、上野公園と同じくらいの大きさの公園になる予定だそうだ。

2年前に一般公開されたハヤリア基地を見学に行ったとき、ついでにここ 「国立釜山国楽院」 ものぞいてみた。

そのとき、毎週土曜日の午後に 「土曜常設公演 우리소리 우리춤」(私たちの調べ 私たちの舞)が開かれていることを知った。公演内容は、宮中舞踊・パンソリ・民俗舞踊・室内楽・創作舞踊など多彩。値段も手ごろ(8,000w)だし、いつか観にきてみたいと思いつつ、いつでも行けると思うとかえってなかなか行けないもので、いつの間にかあれから2年以上が経っていた。

先日、ようやく観に行く機会を得た。土曜常設公演は毎週土曜日16時から上演されており、毎週違った舞台を楽しめるようになっている(プログラムは3ヶ月ごとに組む)。公演の内容や説明が書かれたパンフレットは、韓国語以外に日本語・英語・中国語で書かれたものも用意されており、外国人も公演内容を理解できるようになっている。

この日の演目は、1.「포구락」(ポグラッ=抛毬楽)、2.「판소리」(パンソリ、この日は 「적벽가(チョッビョッカ=赤壁歌)」)、3.「취타풍류」(チィタプンニュ=吹打風流)、4.「삼고무」(サムゴム=三鼓舞)、5.「동부민요」(トンブミニョ=東部民謡、この日は「한오백년(ハン五百年)」、「강원도아리랑(江原道アリラン)」、「뱃노래(舟歌)」、「자진뱃노래(チャジン舟歌)」)、6.「부채춤」(プチェチュム=扇の舞)、7.「판굿」(パングッ)の7つ。全部で約70分の公演だ。

初めて観る演目もあり、非常に興味深かった。特に、最初の演目 「ポグラッ(抛毬楽)」 が印象に残った。宮中舞踊の1つで、「抛毬門」 という板に開けられた穴 「風流眼」 めがけて踊り手が小さな玉を投げ、玉が穴を通過したら花をもらい、失敗したら顔に墨を塗られるというもの。失敗したら墨を塗られるというのは、日本の羽子板を連想させる。非常に優雅で遊び心あふれる舞台だった。

また、「サムゴム(三鼓舞)」 は、1人が3つの太鼓を演奏しながら舞う舞台。今回は9人がずらりと並んでの舞台で迫力があった。以前、太鼓の数が5つの 「オゴム(五鼓舞)」 を観たことがあるが、それに負けず劣らずの素晴らしい舞台だった。

「プチェチュム(扇の舞)」 も 「パングッ」 も非常に見ごたえがあった。一度にこれだけたくさんの伝統公演を手ごろな値段で見られるのは非常にお得だと思う。しかも毎週決まった時間に公演しているので、自分の興味に合わせて楽しむことができる。外国人観光客にも、釜山に住む外国人にもおすすめの公演だ。

ちなみに国立国楽院は韓国に4つあるそうだ。ソウルの 「国立国楽院」 と、ナムォン(南原)市の 「国立民俗国楽院」、チンド(珍島)の 「国立(ナムド)南道国楽院」、そしてここ釜山の 「国立釜山国楽院」 だ。

国立釜山国楽院
釜山市釜山鎮区国楽路2(蓮池洞)
(051) 811-0040~41
http://busan.gugak.go.kr/main/ (英語表記あり)


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