2011年10月14日

来年はもう少し・・・

本日閉幕式を迎えた第16回釜山国際映画祭(BIFF)。今回の最大の話題は、何といっても専用館 「영화의 전당(映画の殿堂)」 だった。1,678億ウォン(現在のレートで約112億円)の予算を投入し、丸3年の工期で建設された 「映画の殿堂」 だが、最後の方は開館予定日(9月29日)に何とか間に合うよう突貫工事が行われていた。

本当に開館予定日に間に合うのかと心配する声とともに、そんなに急いで工事して安全面に問題はないのかと心配する声もあったが、今日、そんな心配が的中してしまうようなアクシデントが起きてしまった。

今日の釜山は久しぶりに一日中たくさんの雨が降っていたのだが、何と 「映画の殿堂」 で雨漏りがしたのだ。

ポタリポタリと水滴が少し落ちる程度ではなく、ジャージャーと屋根の隙間から滝のように雨が漏っている。1ヶ所や2ヶ所ではない。建物内のあちこちが水浸しだ。(写真は연합뉴스より)

来年はもう少し・・・

夜に行われる閉幕式で監督や俳優らが歩くはずのレッドカーペットも、一部は雨漏りのためにびしょ濡れ。床にできたのは 「水たまり」 ならぬ 「水のプール」。関係者たちが必死の形相で、水をシャベルですくってはバケツに移したりモップで拭いたりしていた。

テレビニュースで紹介されていた工事関係者のインタビューでは、「仕上げの段階でかなりタイトなスケジュールだったため、こういうことが起きてしまったようだ」 とのこと。

それはその通りだろう。ごく自然な考え方だ。しかし驚いたのは、同じニュースで放送されていた別のインタビューで、「もともと雨が降ったら漏ってくるようになっている設計なのではないか」 と、理解しがたい発言をしていた関係者がいたこと。苦し紛れにもほどがあるだろう。

これ以外にも、肝心の映画の上映にトラブルが発生し、予定通り上映できず払い戻しとなった作品もいくつかあったと聞く。

今年は 「映画の殿堂」 で開かれる初めてのBIFFなので、多少のアクシデントには目をつぶらないといけないのかもしれないが、あの雨漏りはちょっとひどい。(ちなみに閉幕式終了後の閉幕作 『わが母の記』 は予定通り上映されたそうだ)

来年のBIFFでは今回の反省点や問題点を改善し、多くの映画ファンたちの期待を裏切らないような映画の祭典にしてもらいたいものだ。


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この記事へのコメント
おはようございます♪

やっぱり予感的中でした!!
前日 見に行った時 中の工事が全て終わったいない感じが
したんですよ~ 天井の飾り?ダクト?どう見ても危なっかしい
吊り下げ方で下を歩くとき冷や冷やしましたね(笑)
工事人の爆睡の様子にも連日徹夜で突貫工事かい!?って
突っ込み入れたくなりました。
開幕式はどうにかして開催しなきゃダメだから・・・でしょ
でも 雨漏りって致命的な欠陥ではないかしら???

それに映画が観れないのも困りものですw
払い戻しすればイイって事じゃないですし~ね
映画祭の管理者が変わってこんな事態かしら・・・?
 
Posted by yokotan at 2011年10月15日 09:51
yokotan さま

今朝の新聞でもトップで報道されていました。

BIFFの実行委員長も 「報道資料では第16回BIFFが成功裏に終わったとされているが、成功だったとは思わない。未完の建物で映画祭が行われていたということ。今後、こんな状態で映画祭を続けていく意味があるのかどうか、疑問にさえ感じる。映画祭において 『映画の殿堂』 がお荷物的な存在になりかねないと危惧する」 などと、かなり批判的な口調でした。

来年はこの汚名を返上すべく頑張ってもらいたいですね。
Posted by dilbelaudilbelau at 2011年10月15日 13:11
このニュース、ネットで見て驚きました。
今回、映画祭に数日行き、何度か殿堂での映画も見てきました。
建物のデザインなんかが凄かったんで、一緒にいた韓国人に、カッコいいね~、すごいね~、でも見た目だけで手抜き工事だったりするんだよね~なんて話してたんですが、まさか本当にそうだとは‼
一階の奥のソファから吹き抜けの高い天井を見上げてぼーっとしたりしてたんですが、そんな突貫工事じゃのんびりしてる場合じゃなかったですね。雨漏りだけならまだしも、地震が起きたりしたら震度3位でも崩れたりして…。幸い地震は無いみたいですけどね。
以前から感じてましたが、韓国って、新しい建物の見た目は日本のよりかっこよかったりするけど、建て付けとかが???
まだ新しいのに、もうトイレの扉が壊れてる!とかザラじゃないですか?日本なら、使用禁止にしてすぐ修理でしょうが、使い続けて直さない。壊れた物を規格違い?の物で取り付け直してズレてたりもするし、、、。
日本のものは、デザインが目立つ物は少ないですが、日頃当たり前過ぎて気づいてなかっただけで、良いもの、しっかりしたものに囲まれて暮らしているんだな~と改めて感じられました。
ちなみに、今回の映画祭、上映中止の回に遭遇しました。
途中から映像がおかしくなり、暫くすると、おかしくなった部分の少し前から再度上映、で、又同じ部分から異常。今度は最初から上映し直し、又同じ部分からおかしくなり、結局上映中止。ゲストで来ていた監督の韓国女優が泣きそうになりながら挨拶して、観客席に座り、今後の払い戻しや再上映の事など、観客と関係者が話し合っているのを聞いていましたが、ソウルから来たらしい韓国人が、飛行機を使って見に来たのにどうしてくれる!みたいなクレームをしつこく言っていて、それを聞いている落ち込む監督がちょっと可哀想でした。私だって日本から来てるけど、そんな要求しませんよ!って。
それは映画の殿堂じゃなかったです。
Posted by プサピー at 2011年10月17日 09:40
プサピー さま

公式的には「ビッグルーフ」 や 「スモールルーフ」 は、秒速65mの強風、震度7クラスの強い地震、1m以上の積雪にも耐えられるように設計されているそうですが・・・。

グ・ヘソン監督の 『The Peach Tree』 ですね。他の方からもお聞きしました。何が原因だったのか分かりませんが、せっかく楽しみにしていた人たちにとっては本当に残念でしたね。またそれを責められる監督もお気の毒でしたね・・・。
Posted by dilbelaudilbelau at 2011年10月17日 15:47
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