2013年08月04日
王の書物を集めた図書館 14
つづき
そしていよいよ日本語解説つきの 「後苑(フウォン)」 見学ツアーの時間(14:30)が近づいてきた。ツアー参加者は後苑前で待ち合わせることになっていた。ここにもチケット売り場があり、各ツアーの定員(50人)に空きがあれば、予約していなくてもツアー(5,000w)に参加することができる。私たちが参加した回には48人もの参加があった。後苑前には門(含陽門)があって(▼)そこが後苑の入口かと思っていたが、門の向かって左側が入口だった。

入口で、挨拶される解説士さん(▼)。韓国の方だが、実に見事な日本語に舌を巻く。みんな揃ったところでいざ出発。所要時間は約1時間30分。直前まで雨が降ったりやんだりしていたが、ツアー中はやんでくれていて助かった。

後苑は、王宮の裏手に造られた庭園。解説士さんによると、昌徳宮全体の敷地の実に3分の2が後苑なのだそう。「緑の中、坂を上ったり下りたりしてたくさん歩きます。だいたい歩き終わると体重が1kgくらい減っていますね。その分おいしい焼肉が食べられるわけです」。

後苑の敷地は広大で、とても1時間30分で全部を回ることはできないので、主な見どころを順に回る。最初に立ち寄ったのは 「宙合楼(チュハムヌ)」 と 「芙蓉池(プヨンジ)」(▼)。ドラマなどの撮影にもよく使われるそうだ。毎日のようにここを訪れている解説士さんによると、数日来の雨で、この日は池の水も普段より増え濁っているとのこと。

「宙合楼」 は王が勉強するためのいわば図書館。「天地宇宙と通じる家」 という意味で、歴代の王が書いた書物ばかりを集めてあったそう。

「宙合楼」 は朝鮮王朝第22代王・正祖が即位した1776年に建てられ、扁額の文字も正祖によるものだそう。

「宙合楼」 の前には大きな 「魚水門」 と、左右に小さな門がある。魚水門は王のためのもので、王以外の人は小さな門を使う。左右の門は小さいので、門をくぐるためには自然と頭を下げることになる。

「魚水門」 は、芙蓉池の中の魚(王)がこの門を通って龍になり宙合楼に登っていくという意味がある。また王を魚に、民を水に例え、魚(王)は水(民)なしでは生きることができないことから、王はいつも民のことを考えるべきという教訓を表している。かつ、王(魚)と民(水)の上下関係を示すため、扁額の文字は縦書きになっている。

また、芙蓉池をはさんで宙合楼と面するように建っているのが 「芙蓉亭(プヨンジョン)」(▼)。上から見ると蓮の花のようなデザイン。

池の上に張り出した部分だけ、他より一段高くなっている。王がここで釣りをしたりしたそうだ。

宙合楼の右手前にあるのは 「暎花堂(ヨンファダン)」(▼)。

暎花堂は王の休息空間で、臣下と一緒に花見をしたり詩を詠んだりしたそうだ。扁額の文字は正祖の祖父、21代目王・英祖によるものだそう。達筆。

暎花堂前の広場では王が見守る中、科挙の試験が行われたりしたそうだ。

暎花堂から広場を見下ろしたところ(▼)。

暎花堂は両側に縁側があり、広場と反対側からは芙蓉池や芙蓉亭が見える。いい景色だ。

つづく
そしていよいよ日本語解説つきの 「後苑(フウォン)」 見学ツアーの時間(14:30)が近づいてきた。ツアー参加者は後苑前で待ち合わせることになっていた。ここにもチケット売り場があり、各ツアーの定員(50人)に空きがあれば、予約していなくてもツアー(5,000w)に参加することができる。私たちが参加した回には48人もの参加があった。後苑前には門(含陽門)があって(▼)そこが後苑の入口かと思っていたが、門の向かって左側が入口だった。
入口で、挨拶される解説士さん(▼)。韓国の方だが、実に見事な日本語に舌を巻く。みんな揃ったところでいざ出発。所要時間は約1時間30分。直前まで雨が降ったりやんだりしていたが、ツアー中はやんでくれていて助かった。
後苑は、王宮の裏手に造られた庭園。解説士さんによると、昌徳宮全体の敷地の実に3分の2が後苑なのだそう。「緑の中、坂を上ったり下りたりしてたくさん歩きます。だいたい歩き終わると体重が1kgくらい減っていますね。その分おいしい焼肉が食べられるわけです」。
後苑の敷地は広大で、とても1時間30分で全部を回ることはできないので、主な見どころを順に回る。最初に立ち寄ったのは 「宙合楼(チュハムヌ)」 と 「芙蓉池(プヨンジ)」(▼)。ドラマなどの撮影にもよく使われるそうだ。毎日のようにここを訪れている解説士さんによると、数日来の雨で、この日は池の水も普段より増え濁っているとのこと。
「宙合楼」 は王が勉強するためのいわば図書館。「天地宇宙と通じる家」 という意味で、歴代の王が書いた書物ばかりを集めてあったそう。
「宙合楼」 は朝鮮王朝第22代王・正祖が即位した1776年に建てられ、扁額の文字も正祖によるものだそう。
「宙合楼」 の前には大きな 「魚水門」 と、左右に小さな門がある。魚水門は王のためのもので、王以外の人は小さな門を使う。左右の門は小さいので、門をくぐるためには自然と頭を下げることになる。
「魚水門」 は、芙蓉池の中の魚(王)がこの門を通って龍になり宙合楼に登っていくという意味がある。また王を魚に、民を水に例え、魚(王)は水(民)なしでは生きることができないことから、王はいつも民のことを考えるべきという教訓を表している。かつ、王(魚)と民(水)の上下関係を示すため、扁額の文字は縦書きになっている。
また、芙蓉池をはさんで宙合楼と面するように建っているのが 「芙蓉亭(プヨンジョン)」(▼)。上から見ると蓮の花のようなデザイン。
池の上に張り出した部分だけ、他より一段高くなっている。王がここで釣りをしたりしたそうだ。
宙合楼の右手前にあるのは 「暎花堂(ヨンファダン)」(▼)。
暎花堂は王の休息空間で、臣下と一緒に花見をしたり詩を詠んだりしたそうだ。扁額の文字は正祖の祖父、21代目王・英祖によるものだそう。達筆。
暎花堂前の広場では王が見守る中、科挙の試験が行われたりしたそうだ。
暎花堂から広場を見下ろしたところ(▼)。
暎花堂は両側に縁側があり、広場と反対側からは芙蓉池や芙蓉亭が見える。いい景色だ。
つづく
Posted by dilbelau at 21:15│Comments(0)
│ソウル