2010年06月23日

日本にもあったら・・・産後養生院 

日本語コーディネーターとして時々働いている近所の総合病院に、先日日本の病院から研修団が来られた。以前からこれら2つの病院は交流があったようで、今回は医師・看護師・事務の方々総勢10名の研修団だった。

2日間の病院研修の間、日本語が堪能で医療観光の教育も受けられた韓国人女性2人と私の計3人が、研修団の通訳を担当することになった。

1日目は空港で研修団をお出迎えした後、バスで移動しながら近所の総合病院の姉妹病院 計5つの病院を見学して回る。各病院で院長をはじめとするスタッフと挨拶をし、院内を見学し、またバスで移動して次の病院へ・・・となかなか忙しい日程ではあったが、私も姉妹病院は中まで入ってみたことがなかったので、勉強になった。

お昼は姉妹病院の中の一つで、病院食(▼)をいただく。これは患者さんや職員が実際に食べている食事と同じメニューで、ただ日本人向けに少々辛さを抑えた味付けにしたものなのだそうだ。

韓国では病院食でも、やはりキムチは必ずついてくる。日本人の感覚では、病人にとってキムチの辛さは刺激が強すぎるのではないかと思えるが、病人とはいっても韓国人であることに変わりはない。毎食の食事にキムチは必須なのだそうだ。

日本にもあったら・・・産後養生院 

普段は見ることのできないところも見学さえてもらった。こちらは中央手術室(▼)。

日本にもあったら・・・産後養生院 

ちょうど整形外科の手術の準備をしているところだった(▼)。

日本にもあったら・・・産後養生院 

こちらは姉妹病院の中の、女性専門病院(産婦人科が中心であるが、一般内科などもあるので男性患者もいる)の新生児室。かわいらしいベビーちゃんたちが並んでいる(▼)。

日本にもあったら・・・産後養生院 

一般の新生児室は別にあり、この(▲)新生児室は 「산후처리원(産後養生院)」 という韓国独特の部署(システム)に属する新生児室なのだそうだ。

韓国では、出産後の女性は心身ともにリラックスし、体力の回復に専念するのが重要だと考えられている。日本でも少なからずそういう考え方はあると思うが、韓国では日本の比ではないほどそういう意識が徹底している。

韓国では普通、出産後の女性は産後養生院に入る。産後養生院は、たいていの産婦人科の病院に付設されている。そこで平均1~2週間、産後の女性は実にゆったりと過ごすのだそうだ。見学させてもらった女性専門病院の産後養生院では、マッサージ(全身・アロマ・フェイシャル・乳房)を受けることができ、もし何か心配な症状が出たときなども、産後養生院が病院内にあるためすぐ医師の診察を受けることができる。

韓国では、産後の女性は身体を冷やしていはならないとされ、たとえ夏場であっても、食事の洗い物をするために水に触れることすら避けるべきだと考えられている。そのため、産後養生院では三食上げ膳据え膳で、栄養のある食事をしっかりとり、家事は一切せず、ただひたすら体力の回復に努めるのだそうだ。

唯一の仕事といえば、ベビーに母乳やミルクを与えること。

このような環境で、多くの人は1~2週間ゆっくり過ごすのだという説明を聞き、日本からの研修団の皆さん(特に女性陣)は、感嘆とも羨望ともつかぬ声を上げていらっしゃった。

つづく


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