2010年09月06日
ついにオープン!! 武田家
今年7月ころから、家の近所で 「武田家」 という名前の讃岐うどんの食堂が、オープンに向けて工事していた。店の横断幕に ”7月オープン予定” と大きく書いてあったので、近くを通りかかるたびにオープンしたかどうかをチェックしつつ、楽しみに待っていた。
しかし結局、私たちが7月末に日本に一時帰国する日までには、オープンしなかった。工事の進行が遅れるのは韓国では珍しくないことなので、一時帰国から釜山に戻ったらオープンしているだろうと思っていたら案の定、遅れたけれどオープンしているという話を日本で耳にした。
8月末に釜山に戻ってきて、早速 「武田家」 へ。

店内は広々しており、窓から明るい光が射し込んで明るく清潔な印象。お揃いのピンクのTシャツを来た店員さんが、元気に迎えてくれる。テーブル席と座敷席、個室もある。


メニューは、かけうどん、きつねうどん、釜揚げうどん(各6,000w)や、暑いときに食べたくなるざるうどん、ぶっかけうどん、冷うどん(各6,000w)など。それぞれプラス5,000wで定食もある。私はえび天うどん(7,000w)を注文。
メニュー表の後ろの方にも、また厨房カウンターにかけられているのれんにも、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」 という武田信玄の言葉が書かれている。”どれだけ城を堅固にしても、人の心が離れてしまったら世を治めることはできない。情けは人をつなぎとめ、結果として国を栄えさせるが、仇を増やせば国は滅びる” という意味が、韓国語でも書かれている。店名の 「武田家」 は武田信玄からとったものだろう。
やがて運ばれてきたえび天うどん。

見た目は日本のそれと変わりない。球形のおにぎり(▼)と漬け物類、オレンジがセットになっている。

麺はコシがあっておいしい。太さが若干揃っていない部分があるのも、いかにも手打ちらしい。天ぷらも、えびがプリプリでおいしい。
スープはどうかなと一口いただくが、どうも薄い気がする。もう一口、もう一口、といただいてもやっぱり薄い。
麺はおいしいのに、スープはちょっと物足りないなと思いながらいただいていると、女性の店員さんが 「いかがですか?何か足りないものはないですか?」 と各テーブルを聞いて回っている。
私が 「麺は手打ちですね?」 と尋ねると、3年間本場香川県は高松の 「小懸屋(おがたや)」 という店で修行されたご主人が打っている麺なのだと教えてくれた。うどんの生地を寝かせて熟成させるため、店内にワイン冷蔵庫を置いているのだそうだ。「小懸屋」 という店は私は初めて聞いたが、知る人ぞ知るうどんの有名店のようだ。
「いかがですか?」 と聞いて回っているその女性は、「武田家」 のご主人の奥さまなのだそう。3年間はご主人は単身で日本で修行されていたそうなので、こうやって釜山で店を構えることができて、喜びもひとしおだろう。
話しているうちに、スープが薄い理由が分かった。韓国人には日本のうどんのスープは、非常に塩辛く感じるのだそうだ。大阪出身の私も、関東のうどんのスープは塩辛く感じるが、香川の讃岐うどんのスープは塩辛いとは感じないのだが・・・。
そう言うと、「関西のうどんでさえ、韓国人にはスープが塩辛く感じるんです。まるで醤油をそのまま飲んでるみたいに・・・」
なるほど。
そういえば、こんな話は今までにも何度か聞いたことがある。
唐辛子の辛さにはめっぽう強い韓国人だが、塩辛さに対しては日本人より敏感なようだ。「ちょっと塩辛いんだけど・・・」 と言いながら持ってきて下さるオンニの手料理も、私にとっては特に塩辛いとは思わない、ということが何度かあった。
このうどんのスープも然り。店主の奥さまによると、韓国人の口に合うように、スープの味も改良したのだそうだ。「日本の方にはちょっと薄いでしょ?」
確かにスープは薄いが、日本のうどんを韓国人の口に合うようにアレンジしたと聞けば、なるほどそうかと思う。日本で売られているキムチの多くが、日本人の口に合うように辛さが抑えられているのと同じようなものだ。
おいしくいただいて会計をしていると、レジの横に大きな写真パネルが飾られているのが目に入る。店主が3年間修行したという 「小懸家」 の店の前で、「武田家」 の店主と 「小懸家」 の店主ご夫妻が並んでいる。
3年間修行した店主は、日本人が実に勤勉に働くことに感銘したそうだ。職場は仕事をする場所だ、という意識が徹底していると。そんなご主人は、厨房の中で使われる日本語はすっかり覚えたそうだ。また、店に日本人客が来ることも想定して、ホールには日本語を専攻していた(いる)学生を雇ったのだそうだ。
店舗は2階にあるのだが、1階から上がる階段の壁には讃岐うどんのパネルが飾られていた。


ご主人である민현택(ミン・ヒョンテク)さんの、讃岐うどんに対する愛情と情熱、そしてそれを韓国人にも楽しんでもらいたいという思いが感じられる店だった。釜山のテレビ番組MBCや国際新聞(9月2日付)でも、紹介されている。
武田家(다케다야)
釜山市水営区南川洞3-58
(051) 611-5711
営業時間:11~15時、17~22時
定休日:日曜日
しかし結局、私たちが7月末に日本に一時帰国する日までには、オープンしなかった。工事の進行が遅れるのは韓国では珍しくないことなので、一時帰国から釜山に戻ったらオープンしているだろうと思っていたら案の定、遅れたけれどオープンしているという話を日本で耳にした。
8月末に釜山に戻ってきて、早速 「武田家」 へ。
店内は広々しており、窓から明るい光が射し込んで明るく清潔な印象。お揃いのピンクのTシャツを来た店員さんが、元気に迎えてくれる。テーブル席と座敷席、個室もある。
メニューは、かけうどん、きつねうどん、釜揚げうどん(各6,000w)や、暑いときに食べたくなるざるうどん、ぶっかけうどん、冷うどん(各6,000w)など。それぞれプラス5,000wで定食もある。私はえび天うどん(7,000w)を注文。
メニュー表の後ろの方にも、また厨房カウンターにかけられているのれんにも、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」 という武田信玄の言葉が書かれている。”どれだけ城を堅固にしても、人の心が離れてしまったら世を治めることはできない。情けは人をつなぎとめ、結果として国を栄えさせるが、仇を増やせば国は滅びる” という意味が、韓国語でも書かれている。店名の 「武田家」 は武田信玄からとったものだろう。
やがて運ばれてきたえび天うどん。
見た目は日本のそれと変わりない。球形のおにぎり(▼)と漬け物類、オレンジがセットになっている。
麺はコシがあっておいしい。太さが若干揃っていない部分があるのも、いかにも手打ちらしい。天ぷらも、えびがプリプリでおいしい。
スープはどうかなと一口いただくが、どうも薄い気がする。もう一口、もう一口、といただいてもやっぱり薄い。
麺はおいしいのに、スープはちょっと物足りないなと思いながらいただいていると、女性の店員さんが 「いかがですか?何か足りないものはないですか?」 と各テーブルを聞いて回っている。
私が 「麺は手打ちですね?」 と尋ねると、3年間本場香川県は高松の 「小懸屋(おがたや)」 という店で修行されたご主人が打っている麺なのだと教えてくれた。うどんの生地を寝かせて熟成させるため、店内にワイン冷蔵庫を置いているのだそうだ。「小懸屋」 という店は私は初めて聞いたが、知る人ぞ知るうどんの有名店のようだ。
「いかがですか?」 と聞いて回っているその女性は、「武田家」 のご主人の奥さまなのだそう。3年間はご主人は単身で日本で修行されていたそうなので、こうやって釜山で店を構えることができて、喜びもひとしおだろう。
話しているうちに、スープが薄い理由が分かった。韓国人には日本のうどんのスープは、非常に塩辛く感じるのだそうだ。大阪出身の私も、関東のうどんのスープは塩辛く感じるが、香川の讃岐うどんのスープは塩辛いとは感じないのだが・・・。
そう言うと、「関西のうどんでさえ、韓国人にはスープが塩辛く感じるんです。まるで醤油をそのまま飲んでるみたいに・・・」
なるほど。
そういえば、こんな話は今までにも何度か聞いたことがある。
唐辛子の辛さにはめっぽう強い韓国人だが、塩辛さに対しては日本人より敏感なようだ。「ちょっと塩辛いんだけど・・・」 と言いながら持ってきて下さるオンニの手料理も、私にとっては特に塩辛いとは思わない、ということが何度かあった。
このうどんのスープも然り。店主の奥さまによると、韓国人の口に合うように、スープの味も改良したのだそうだ。「日本の方にはちょっと薄いでしょ?」
確かにスープは薄いが、日本のうどんを韓国人の口に合うようにアレンジしたと聞けば、なるほどそうかと思う。日本で売られているキムチの多くが、日本人の口に合うように辛さが抑えられているのと同じようなものだ。
おいしくいただいて会計をしていると、レジの横に大きな写真パネルが飾られているのが目に入る。店主が3年間修行したという 「小懸家」 の店の前で、「武田家」 の店主と 「小懸家」 の店主ご夫妻が並んでいる。
3年間修行した店主は、日本人が実に勤勉に働くことに感銘したそうだ。職場は仕事をする場所だ、という意識が徹底していると。そんなご主人は、厨房の中で使われる日本語はすっかり覚えたそうだ。また、店に日本人客が来ることも想定して、ホールには日本語を専攻していた(いる)学生を雇ったのだそうだ。
店舗は2階にあるのだが、1階から上がる階段の壁には讃岐うどんのパネルが飾られていた。
ご主人である민현택(ミン・ヒョンテク)さんの、讃岐うどんに対する愛情と情熱、そしてそれを韓国人にも楽しんでもらいたいという思いが感じられる店だった。釜山のテレビ番組MBCや国際新聞(9月2日付)でも、紹介されている。
武田家(다케다야)
釜山市水営区南川洞3-58
(051) 611-5711
営業時間:11~15時、17~22時
定休日:日曜日
Posted by dilbelau at 09:09│Comments(4)
│うどん
この記事へのコメント
久しぶりの書き込みです。でも、ずっと日記は拝見していました。
金海も暑いですねー。近所にお住まいの友達いわく、今年は特別暑い夏どそうですね。昔、昔の子供のころの<日本の田舎の夏>をおもいだします。せみがミンンミンうるさくて、、
ところで、名古屋の<味噌カツ>おいしそうでしたね!若いころ、数回食したことがありますが、写真を見たとたんに、<舌>が味の反応を示していました。笑!
又、うどんの<汁>ですが、、そうなんですよね!。。。
韓国の方々は、いやに<しょっぱい味>に敏感ですよね。。。
微妙な味付けには気がつかないのに、、<失礼。。。>
私は東京育ちなので、醤油のそば、うどんのつゆには慣れっこです。でも初めて関西でうどんをオーダーして運ばれてきた<うどん>を見て<あれっ>と思った記憶がありますね。
単身日本で3年間働かれたうどん屋のご主人と奥様、頑張って成功されると良いですね。
金海も暑いですねー。近所にお住まいの友達いわく、今年は特別暑い夏どそうですね。昔、昔の子供のころの<日本の田舎の夏>をおもいだします。せみがミンンミンうるさくて、、
ところで、名古屋の<味噌カツ>おいしそうでしたね!若いころ、数回食したことがありますが、写真を見たとたんに、<舌>が味の反応を示していました。笑!
又、うどんの<汁>ですが、、そうなんですよね!。。。
韓国の方々は、いやに<しょっぱい味>に敏感ですよね。。。
微妙な味付けには気がつかないのに、、<失礼。。。>
私は東京育ちなので、醤油のそば、うどんのつゆには慣れっこです。でも初めて関西でうどんをオーダーして運ばれてきた<うどん>を見て<あれっ>と思った記憶がありますね。
単身日本で3年間働かれたうどん屋のご主人と奥様、頑張って成功されると良いですね。
Posted by 金海のおじさん at 2010年09月06日 11:03
こんにちは♪
日本や讃岐を好きになってくれた事 嬉しいですね^^
天ぷらの 衣も薄くてうれしいし(笑)
日本式のラーメン屋さんも少しづつ増えてるみたいですが・・
うどんも 手軽だし なんと言ってもおつゆが いいんですよ!
韓国での丼物はイマイチですが おつゆはイイ味出してません?
おでんがいい例ですもの・・・汁は合格だと思います
今 東京では 第2期うどんブームが起きてまして~
安くて手軽で美味しい と言うことで行列も・・・
旅先で 日本の味に出会えたら 勿論 ウレシイし ほっとしますね
こちらも リストに入りました☆☆
日本や讃岐を好きになってくれた事 嬉しいですね^^
天ぷらの 衣も薄くてうれしいし(笑)
日本式のラーメン屋さんも少しづつ増えてるみたいですが・・
うどんも 手軽だし なんと言ってもおつゆが いいんですよ!
韓国での丼物はイマイチですが おつゆはイイ味出してません?
おでんがいい例ですもの・・・汁は合格だと思います
今 東京では 第2期うどんブームが起きてまして~
安くて手軽で美味しい と言うことで行列も・・・
旅先で 日本の味に出会えたら 勿論 ウレシイし ほっとしますね
こちらも リストに入りました☆☆
Posted by yokotan at 2010年09月06日 15:18
金海のおじさん さま
お久しぶりです。ずっと読んで下さっていたとのこと、ありがとうございます。
天気予報を見ても、金海の最高気温はかなり高いですね。
残暑(とは言えないほどですが)お見舞い申し上げます。
しょっぱさについては、本当に不思議です。唐辛子のあの暴力的とも言える辛さには平気なのに、塩辛さには敏感なのが不思議です。
子供の頃からの食生活の ”馴れ” も大きいのでしょうね。
私も 「武田家」 応援したいです!!
お久しぶりです。ずっと読んで下さっていたとのこと、ありがとうございます。
天気予報を見ても、金海の最高気温はかなり高いですね。
残暑(とは言えないほどですが)お見舞い申し上げます。
しょっぱさについては、本当に不思議です。唐辛子のあの暴力的とも言える辛さには平気なのに、塩辛さには敏感なのが不思議です。
子供の頃からの食生活の ”馴れ” も大きいのでしょうね。
私も 「武田家」 応援したいです!!
Posted by dilbelau
at 2010年09月06日 19:08

yokotan さま
同感です。おでんやうどんのおつゆは、ダシがきいててホントにおいしいですよね。日本同様、昆布やじゃこで取るダシだけでなく、大根でダシを取っているところも多いですよね。これがまたおいしい!
第2期うどんブームですか。
行列ができるほどとは・・・。知りませんでした。
リスト入りした 「武田家」、もし来られることがあれば是非店員さんに日本語で話しかけてみてください。わざわざ日本語のできる人を選んで採用したようですから。^^
同感です。おでんやうどんのおつゆは、ダシがきいててホントにおいしいですよね。日本同様、昆布やじゃこで取るダシだけでなく、大根でダシを取っているところも多いですよね。これがまたおいしい!
第2期うどんブームですか。
行列ができるほどとは・・・。知りませんでした。
リスト入りした 「武田家」、もし来られることがあれば是非店員さんに日本語で話しかけてみてください。わざわざ日本語のできる人を選んで採用したようですから。^^
Posted by dilbelau
at 2010年09月06日 19:12
