2013年07月15日
待ってでも食べたい東莱参鶏湯
センタムシティの 「センタムQ」 というビル2階に 「동래삼계탕」(東莱参鶏湯=トンネサムゲタン)というサムゲタン専門店がある。牛骨でとったスープを使っており、あまり目立たない場所にあるにも関わらず、多くの客が訪れる人気店。もとは東莱市場内にあったのが、センタムに移転してきたのだそうだ。
その店と同じ店名のサムゲタンの店が、東莱にもあると聞いた。食事どきには番号札を引いて順番を待たねばならないほどの人気だという。一度行ってみようと先日、夫と出かけた。
場所は東莱区庁の近く。12時頃だったが、店先にはすでにたくさんの人が順番を待っていた。

私たちが到着した時点で、ざっと40人くらいは待っていただろうか。店先のスペースには、順番待ちの人のための椅子が並べられ、その上には日除けの天幕が張られ、さらに時間つぶしのための本まで用意してある。

なるほど。噂どおりだ。せっかちな気質で知られる釜山の人がこんなにも待ってまで食べたいと思うサムゲタンとは、どんな味なのだろうかと期待が膨らむ。まず、店のおばさんから番号札を受け取る。店はこの2階建ての建物(▼)。

40人ほどが順番を待っていたので、かなり待たなければならないのかと思ったが、予想外に早かった。10分ほどで店内に案内された。店の入り口にはカギつきの下足箱があって、かなりの数の履物を収納できる。これだけたくさんの客が出入りするのだから、下足箱がないと靴の取り違えが起こるのは必至だろう。
店は外からはあまり大きく見えないが、中は相当広い。1階も2階もかなりの数の客を収容できる。住居を改造したのだろうか、特に2階は入り組んだ廊下の先に部屋がいくつもあり、迷子になりそうになるほど。さらに、1階には中庭のような半屋外のスペースがあり、そこでも食べられるようになっていた。
客は多くが家族連れのようだった。中でも10人前後の団体客もけっこう多かった。
メニューは동래삼계탕(トンネサムゲタン・13,000w)と궁중약계탕(クンジュンヤッケタン=宮中薬鶏湯・15,000w)の2種類。いずれも持ち帰りもできる。宮中薬鶏湯には、鹿角(ロッカク)・黄耆(オウギ)・当帰(トウキ)・チョウセンマツノミ・栗・枸杞子(クコの実)・ナツメの7種類の漢方材料が使われているそうだ。
店内はさながら戦場のようだ。次から次へと絶え間なく客が入ってくるので、店のおばさんたちは必死の形相で立ち働いている。テーブルに料理を並べる時も無造作にドン、ドンと置いていき、また皿を下げる時にはガシャン、ガシャンと大きな音を立てながらお盆にお皿をのせていく。
まずはサムゲタンの定番のおかず類が並べられる(▼)。右手前から反時計回りに겉절이(コッチョリ=浅漬けキムチ)、砂肝、カクトゥギ、サムゲタンに入れて食べる麺、水キムチ。高麗人参酒も徳利にたっぷり入っていた。

続いて、主役のサムゲタン。多くの食堂では、テーブルに料理を運んできたら 「맛있게 드세요~.」(おいしく召し上がれ)などと一声添えてくれるが、この店に限ってはおばさんたちにそんな余裕はないようだ。ただ器をドンと置いたらさっと去っていく。

たっぷりの白髪ネギがトッピングされているのが特徴だ。早速スープを一口。豚骨ラーメンのような深いコクが感じられるスープだ。塩を加えなくてもそのままで充分おいしい。

鶏の中にはもち米・高麗人参・ナツメなどが詰められている。鶏はけっこう大きめのようで、食べ終えるとかなりおなかがいっぱいになった。大変おいしいサムゲタンだった。行列ができるのも納得だ。
食べ終えて少し休んでいると、早速おばさんが 「食べ終わりましたか」 と片付けに来る。空席を待っている客がたくさんいるので、食べ終わったらさっさと席を空けてくださいね、と口に出しては言わないが、そういう雰囲気が強く感じられ、早々に席を立つ。
会計を済ませて店の外に出て驚いた。私たちが店に到着したときの倍ほどの人数の客が、店先で順番を待っていた。100人とまではいかないが80人ほどはいただろうと思う。すごい人気だ。この店では一体、1日に何羽くらいの鶏を使うのだろう。
普段でこの調子なら、삼복(三伏=サムボッ)の3日間はすごいことになるのだろう。今年は초복(初伏=チョボッ)が7月13日、중복(中伏=チュンボッ)が7月23日、말복(末伏=マルボッ)が8月12日。いずれも1年で一番暑い時期とされ、サムゲタンやポシンタンを食べて暑さを乗り切ろうという日だ。
ちなみに店の名刺によるとこの店は創業40年だそう。「最近、『東莱参鶏湯』 という名前を使った店が釜山各地に増えてきましたが、当店はチェーン店など一切ありません」 とのこと。類似店と区別するため、この店では社長の名をとった 「ペ・ジョングァン東莱参鶏湯」 というのを正式店名にしたのだそうだ。
배종관 동래삼계탕(ペ・ジョングァン トンネサムゲタン)
釜山市東莱区福泉洞319-1
(051) 555-2464
定休日:第2・3・4月曜日(6・7・8月は無休)
その店と同じ店名のサムゲタンの店が、東莱にもあると聞いた。食事どきには番号札を引いて順番を待たねばならないほどの人気だという。一度行ってみようと先日、夫と出かけた。
場所は東莱区庁の近く。12時頃だったが、店先にはすでにたくさんの人が順番を待っていた。
私たちが到着した時点で、ざっと40人くらいは待っていただろうか。店先のスペースには、順番待ちの人のための椅子が並べられ、その上には日除けの天幕が張られ、さらに時間つぶしのための本まで用意してある。
なるほど。噂どおりだ。せっかちな気質で知られる釜山の人がこんなにも待ってまで食べたいと思うサムゲタンとは、どんな味なのだろうかと期待が膨らむ。まず、店のおばさんから番号札を受け取る。店はこの2階建ての建物(▼)。
40人ほどが順番を待っていたので、かなり待たなければならないのかと思ったが、予想外に早かった。10分ほどで店内に案内された。店の入り口にはカギつきの下足箱があって、かなりの数の履物を収納できる。これだけたくさんの客が出入りするのだから、下足箱がないと靴の取り違えが起こるのは必至だろう。
店は外からはあまり大きく見えないが、中は相当広い。1階も2階もかなりの数の客を収容できる。住居を改造したのだろうか、特に2階は入り組んだ廊下の先に部屋がいくつもあり、迷子になりそうになるほど。さらに、1階には中庭のような半屋外のスペースがあり、そこでも食べられるようになっていた。
客は多くが家族連れのようだった。中でも10人前後の団体客もけっこう多かった。
メニューは동래삼계탕(トンネサムゲタン・13,000w)と궁중약계탕(クンジュンヤッケタン=宮中薬鶏湯・15,000w)の2種類。いずれも持ち帰りもできる。宮中薬鶏湯には、鹿角(ロッカク)・黄耆(オウギ)・当帰(トウキ)・チョウセンマツノミ・栗・枸杞子(クコの実)・ナツメの7種類の漢方材料が使われているそうだ。
店内はさながら戦場のようだ。次から次へと絶え間なく客が入ってくるので、店のおばさんたちは必死の形相で立ち働いている。テーブルに料理を並べる時も無造作にドン、ドンと置いていき、また皿を下げる時にはガシャン、ガシャンと大きな音を立てながらお盆にお皿をのせていく。
まずはサムゲタンの定番のおかず類が並べられる(▼)。右手前から反時計回りに겉절이(コッチョリ=浅漬けキムチ)、砂肝、カクトゥギ、サムゲタンに入れて食べる麺、水キムチ。高麗人参酒も徳利にたっぷり入っていた。
続いて、主役のサムゲタン。多くの食堂では、テーブルに料理を運んできたら 「맛있게 드세요~.」(おいしく召し上がれ)などと一声添えてくれるが、この店に限ってはおばさんたちにそんな余裕はないようだ。ただ器をドンと置いたらさっと去っていく。
たっぷりの白髪ネギがトッピングされているのが特徴だ。早速スープを一口。豚骨ラーメンのような深いコクが感じられるスープだ。塩を加えなくてもそのままで充分おいしい。
鶏の中にはもち米・高麗人参・ナツメなどが詰められている。鶏はけっこう大きめのようで、食べ終えるとかなりおなかがいっぱいになった。大変おいしいサムゲタンだった。行列ができるのも納得だ。
食べ終えて少し休んでいると、早速おばさんが 「食べ終わりましたか」 と片付けに来る。空席を待っている客がたくさんいるので、食べ終わったらさっさと席を空けてくださいね、と口に出しては言わないが、そういう雰囲気が強く感じられ、早々に席を立つ。
会計を済ませて店の外に出て驚いた。私たちが店に到着したときの倍ほどの人数の客が、店先で順番を待っていた。100人とまではいかないが80人ほどはいただろうと思う。すごい人気だ。この店では一体、1日に何羽くらいの鶏を使うのだろう。
普段でこの調子なら、삼복(三伏=サムボッ)の3日間はすごいことになるのだろう。今年は초복(初伏=チョボッ)が7月13日、중복(中伏=チュンボッ)が7月23日、말복(末伏=マルボッ)が8月12日。いずれも1年で一番暑い時期とされ、サムゲタンやポシンタンを食べて暑さを乗り切ろうという日だ。
ちなみに店の名刺によるとこの店は創業40年だそう。「最近、『東莱参鶏湯』 という名前を使った店が釜山各地に増えてきましたが、当店はチェーン店など一切ありません」 とのこと。類似店と区別するため、この店では社長の名をとった 「ペ・ジョングァン東莱参鶏湯」 というのを正式店名にしたのだそうだ。
배종관 동래삼계탕(ペ・ジョングァン トンネサムゲタン)
釜山市東莱区福泉洞319-1
(051) 555-2464
定休日:第2・3・4月曜日(6・7・8月は無休)
Posted by dilbelau at 08:32│Comments(0)
│鶏肉料理