2012年03月21日

ラブショット

先日、新聞社で働いていたときの上司がご自宅に招待してくださった。一緒に働いていた日本人記者さんが間もなく任期を終えて帰国されるため、送別会も兼ねてみんなで集まろうというもの。ゲストとして集まったのは6人。奥さまが心をこめて作られた手料理でもてなしてくださった。

刺身にプルコギ、チャプチェ、レンコンのお焼き、ナムル、オデンタンなどなど、たくさんの料理を準備してくださっていた。お1人であれだけ準備されるのはさぞかし大変だったと思う。どれもおいしくてついつい食べ過ぎてしまった。

私は全く飲めないが、私以外の皆さんはワインに始まり、焼酎、ビールと飲んで陽気な席になった。私は普段、お酒の席に参加する機会もほとんどないのだが、たまにお酒の場に同席すると日韓の飲酒文化の違いがとても新鮮に感じられる。

日本では乾杯は最初の1杯だけ、もしくは誰かが遅れて会場に到着して全員そろったときに、というのが一般的だが、韓国ではしょっちゅう乾杯する。

最初に乾杯するのは同じだが、歓談中にふいとその場にいる誰かが 「한잔 합시다.(さぁ飲もうじゃないか)」 というふうに他のメンバーにお酒を注ぎ、注がれ、また乾杯して飲む。それを、随時繰り返しながら飲むのだ。お酒を酌み交わすごとに友情が深まり、その友情を確かめ合うべく何度も乾杯しているように私には見える。

また友情を確認しあうといえば、互いの親しさや友情を確認する意味を込めて、互いの腕をからめて飲むという方法もある。いわゆる 「ラブショット」(▼)。向かい合った2人が、酒のグラスを持っている側の腕を相手の腕とからめた(組んだ)状態で、自分のグラスの酒を飲むのだ。

もともとは男女で行うものだったが、最近では男同士でも女同志でもするそうだ。この日も男同士でしていた。腕をからませるのではなく、互いの腕を相手の首に回して自分のグラスの酒を飲むという 「ラブショット」 のバリエーションもあるそうだ(写真は 「mydaily」 より)。

ラブショット

とにかく、韓国のお酒の場はまさに友情・親睦を深めあい、確かめ合う 「社交の場」 にほかならない。酒を1杯酌み交わすごとに、友情や絆が深まっていくのだ。

しかし韓国でも飲酒文化はずいぶん変わってきているそうだ。昔は、酒の場でも年齢の上下関係が強く作用し、目上の人の前での飲酒マナーが厳しく言われていたが、最近はそういう 「おきて」 のようなものも和らいできているそうだ。また酒の無理強いも、以前に比べるとあまりしなくなったと。

上司や先輩など、逆らいにくい人からの酒の無理強いは、される側にとっては苦痛以外のなにものでもないだろう。皆が楽しく自分のペースで飲んでこそ、楽しい酒の場になるはず。今後、韓国の飲酒文化も少しずつ成熟していくだろうか。

ともあれ、おいしい手料理とお酒でますます話が弾み、笑いあふれるとても楽しいひとときを過ごすことができた。


同じカテゴリー(その他いろいろ)の記事
よいお年を
よいお年を(2013-12-31 18:11)

男女で違うご飯の量
男女で違うご飯の量(2013-11-21 08:54)

バス・地下鉄値上げ
バス・地下鉄値上げ(2013-11-05 19:53)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
ラブショット
    コメント(0)