2012年03月05日

韓国の引っ越し事情 2

つづき

私たちの部屋から荷物を運び出すはしご車の様子(▼)。

韓国の引っ越し事情 2

トラックの荷台とはしご車の台の高さを同じにし、部屋から搬出した荷物を水平移動でトラック内へ。おじさん2人で作業している。

韓国の引っ越し事情 2

搬出作業は実にてきぱきと進められ、9:30頃には全ての搬出が終了。作業は8時から開始し、途中トラックとはしご車の到着を30分ほど待っていたロスタイムを除けば、1時間で搬出作業が終わったことになる。

次は新しい部屋への運び込み。同じようにベランダからの搬入だ。搬出のときと同じ要領でベランダの手すりに保護布を巻き、はしご車を伸ばして荷物を運びこむ。ここでは、ベランダの外窓と内窓の位置の関係で、外窓を取り外して作業していた。

部屋の床には、壁紙の張り替え時に出たホコリなどが落ちていてきれいとは言えなかったが、きちんと靴を脱いで作業してくれた。

韓国の引っ越し事情 2

搬入のときも重そうな洗濯機をおじさん1人で台から下して、設置場所まで運ぶ。作業がひと段落したとき、1日に何件くらいの引っ越し作業をするのか尋ねてみたら 「しんどくて1日1件しかできないよ」。そりゃそうだろう。

洗濯機は蛇口の専用ホースの取り外しも取り付けも、引っ越し屋のおじさんがやってくれた。壁かけ式のテレビも、引っ越し屋のおじさんが取り外しまではやってくれる。取り付け(壁にドリルで穴をあけて設置)はテレビのメーカーの人に来てもらって別途行う。この取り付けの料金が48,000wとけっこう高かった。

はしご車で下からベランダまで上がってきた荷物を室内に運び込むとき、はしご車の台の向こうの方にある荷物には手が届きにくい。そこで登場するのが、引っ越し屋の7つ道具の2つ目(?) ゴルフのアイアン。ヘッドの部分で荷物を引っかけるようにして、手前に引き寄せる。なるほど。

荷物の搬入も、てきぱきと実に手際よく行ってくれ、11時前には全ての作業が終わっていた。搬入・搬出ともに1時間ほどだ。また、本来引っ越し屋さんの仕事ではない、外れている照明器具を取り付けるなどの作業も、快く行ってくれてありがたかった。

引っ越し屋のおじさんたちの仕事ぶりには大満足だった。引き上げていった後ベランダから下を見ると、はしご車やトラックのそばで腰かけて休憩している様子が見えた。そりゃあれだけの重労働をこなしたら、さぞ疲れるだろう。

新しい部屋は、どの部屋も壁と天井の壁紙、フローリングのシートをきれいに張り替えてくれていてきれいだった。

しかし、ベランダには前の住人が使っていたらしい大量のカーテンや巨大なブラインド、カーテンレールなどがドサッと放置され、また台所の流し台には鶏卵が1つと、飲みかけのペットボトルのジュースや飲み終えた紙コップなどが放置され・・・と、なかなかの放置っぷりだった。卵は生卵だと思われたが、引っ越し当日の朝、冷蔵庫に1つだけ残っているのを忘れていて、割れやすいので持っていくわけにもいかず置いて行ったのだろうか・・・。

照明は前の住人の荷物の搬出後、天井の壁紙を張り替える際に邪魔なので取り外し、張り替えが終わっても元に戻していなかったようで、全く使えない状態だった。

台所やバスルーム、戸棚の中などの掃除も、恐らく全くしないまま引っ越していったのだろう。なかなか掃除のし甲斐があった。日本では引っ越し前には部屋を掃除しきれいな状態にして出ていくのが一般的だが、韓国では習慣がまるで正反対。

引っ越して行く前に掃除をすると、それまで部屋についていた運気まで取り除いてしまうことになると考えられ、掃除はせずに出て行くのが一般的なのだと聞いたことがある。次の住人に良い運気を残していくため、わざと掃除はしないのだそう。不用品を放置していくというのも、珍しいことではないようだ。

まあ普段からマメに掃除をしていた人なら、引っ越し前に改めて大掃除をしなくてもある程度はきれいだろうし、普段から掃除をしていなかった人がそのまま出て行くと、次の住人の掃除の量が増えるということだろう。

他にも、引っ越しに関して日本とは違う習慣が。韓国では引っ越しの日は、チャジャン麺を出前でとって食べることが多いのだそう。必ずチャジャン麺でなければならないことはないと思うが、引っ越しの日は忙しくて食事を作るのも大変なので、さっと出前してさっと食べられるチャジャン麺を食べるということのようだ。

またこちらでは部屋が、入居してすぐ快適に暮らせる状態ではないことも多いようだ。例えば今回の場合、部屋の照明が使えない、ベランダへ出る引き戸の開け閉めが女性の力では難しいほど困難、窓の網戸が劣化しあちこちに穴が開いており指で触っただけでボロボロと網が崩れてしまう、などの不具合があった。

部屋の照明は私たちの入居前のメンテナンス時に外されたようだが、引き戸や網戸に関しては前の住人はこの状態で暮らしていたわけだ。この状態でどうしても暮らせないかと言われると、絶対に無理というわけではないが日々ストレスを感じながらの生活となる。

そういう部分については不動産屋を介して大家と相談し、大家が修理すると言えば修理代は大家が負担してくれる。自分で修理してくれと言われる部分については、自分で何とかせねばならない。ちなみに大家とは面識はない。

どの程度になると 「生活に支障が出るので修理はやむなし」 で、どの程度までは 「まだ修理せずとも生活は可能。修理したいなら自己負担でどうぞ」 なのか、そのへんの判断は微妙なようだ。

ともかく、韓国で体験する初めての引っ越し。日本と違う部分がたくさんあってとても新鮮だった。


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この記事へのコメント
引越しお疲れさまでした。業者のスピードには驚きますよね。ぼくも何度か韓国で引っ越しましたが、ひどいときはトンカツの食べ残し、壊れた洗濯機、割れた窓、枕や布団もそのままという家もありました。福を残すって言い訳にしか聞こえませんよねぇ~(笑
Posted by yOsHi at 2012年03月05日 11:19
yOsHi さま

ほんと、速いですよね。
うちの放置っぷりもなかなかだと思いましたが、まだいい方だったようですね^^
おっしゃる通り、福は残してくれなくていいから、持ってってくれ~です。
でも、4年間1度も引っ越しを言い渡されることがなかったのは、ラッキーでした。
Posted by dilbelaudilbelau at 2012年03月05日 13:18
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