2009年11月19日
'09.11.19(木)Hさんの真っ赤なスープ
私たちが釜山に来て間もない頃に知り合った、韓国人の友人Hさん。
日本に10数年住んでいらっしゃったこともあり、日本語はかなり堪能で、また日本文化や日本人の考え方などにも理解が深い。
2軒お隣のSオンニに比べると、同じアパート群ではあるが徒歩5分ほどのところに住まわれているHさんとお会いする機会は少し少ないが、でもSオンニ同様、何かととてもよくしてくださるHさん。
ご自身が日本に住んでいたとき ”親切にしてくれた日本人に対する恩返しのつもりで” とおっしゃる。
まだ韓国生活にも不慣れで、韓国語も大変おぼつかなかった頃にいろいろと助けていただき、とても心強かったのを懐かしく思い出す。
さてそんなHさんと、ご主人の転勤のため2度目の釜山生活を数ヶ月前に始められたIさんと、私の3人で、週に1回Hさん宅に集まることになった。おいしい韓国料理を教えてもらいつつ、出来上がったらそれをいただきつつ、楽しみながら韓国語の勉強もしましょう、ということで。
しかし、射撃場火災事故の被害者・ご家族の通訳のお手伝いのため、急遽病院へ行くことになり、予定していたその日にはその集まりには行けなくなったのだった。
電話でHさんに事情を説明し病院へ向かう。夕方帰宅してしばらくすると、Hさんから電話。
「どうだった?大変だったでしょう?ごめんなさいね。」
この ”ごめんなさいね” という言葉は私には意外だった。おそらくHさんとしては、自分の国で起こった事故のため、あなたと同じ国の人々が犠牲になったことを韓国人として申し訳なく思う、というお気持ちだったのだろうか。
確かに事故が起こったのは韓国で、犠牲になったのは韓国人と日本人。
事故についてはHさんにはもちろん何の関係もなく、責任もない。でも ”ごめんなさい” なのだ。
夫にこの話をしたところ、夫の同僚も韓国人数人からこの事故について ”申し訳ない” という言葉をかけられたのだそうだ。事故に直接関わりがなくとも、自分の国の中で起こった出来事として。
ここにも韓国の ”우리(ウリ)” という意識が働いているのかと感じたエピソードだった。
さてHさんの話に戻る。
「今日ね、Iさんと一緒にカクトゥギと牛肉スープ作ったの。おいしくできたから、ちょっと食べてみて」 とのこと。ちょうど出かける用事があるとのことで、わざわざ私のアパートの近くまで持ってきてくださった。


カクトゥギ(左)と、소고기(牛肉)スープ(右)。
カクトゥギは見た目にも ”色白” で、お味も全く辛くない。アミエビの塩辛が一緒に漬け込まれていて、その風味が大変おいしい。
牛肉スープは、牛肉の他に大根やモヤシ・ネギなどが入っており、真っ赤なその色ほどには辛くない。同じ韓国人でも、その人その人によって辛さの好みや味付けが違うのがよく分かる。
「来週はIさんがパンの作り方を教えてくれるそうだから、一緒にしましょうね~」 とほがらかにおっしゃる。
ご自身が外国暮らしの体験があるため、外国で暮らすことの楽しさも難しさも経験していらっしゃるHさん。そのため、私たちのことをよく気にかけてくださる。
射撃場事故のことで重かった心が、Hさんのほがらかな笑顔に少し癒された気がした。
Hさん、どうもありがとうございます。ご馳走さまでした。
日本に10数年住んでいらっしゃったこともあり、日本語はかなり堪能で、また日本文化や日本人の考え方などにも理解が深い。
2軒お隣のSオンニに比べると、同じアパート群ではあるが徒歩5分ほどのところに住まわれているHさんとお会いする機会は少し少ないが、でもSオンニ同様、何かととてもよくしてくださるHさん。
ご自身が日本に住んでいたとき ”親切にしてくれた日本人に対する恩返しのつもりで” とおっしゃる。
まだ韓国生活にも不慣れで、韓国語も大変おぼつかなかった頃にいろいろと助けていただき、とても心強かったのを懐かしく思い出す。
さてそんなHさんと、ご主人の転勤のため2度目の釜山生活を数ヶ月前に始められたIさんと、私の3人で、週に1回Hさん宅に集まることになった。おいしい韓国料理を教えてもらいつつ、出来上がったらそれをいただきつつ、楽しみながら韓国語の勉強もしましょう、ということで。
しかし、射撃場火災事故の被害者・ご家族の通訳のお手伝いのため、急遽病院へ行くことになり、予定していたその日にはその集まりには行けなくなったのだった。
電話でHさんに事情を説明し病院へ向かう。夕方帰宅してしばらくすると、Hさんから電話。
「どうだった?大変だったでしょう?ごめんなさいね。」
この ”ごめんなさいね” という言葉は私には意外だった。おそらくHさんとしては、自分の国で起こった事故のため、あなたと同じ国の人々が犠牲になったことを韓国人として申し訳なく思う、というお気持ちだったのだろうか。
確かに事故が起こったのは韓国で、犠牲になったのは韓国人と日本人。
事故についてはHさんにはもちろん何の関係もなく、責任もない。でも ”ごめんなさい” なのだ。
夫にこの話をしたところ、夫の同僚も韓国人数人からこの事故について ”申し訳ない” という言葉をかけられたのだそうだ。事故に直接関わりがなくとも、自分の国の中で起こった出来事として。
ここにも韓国の ”우리(ウリ)” という意識が働いているのかと感じたエピソードだった。
さてHさんの話に戻る。
「今日ね、Iさんと一緒にカクトゥギと牛肉スープ作ったの。おいしくできたから、ちょっと食べてみて」 とのこと。ちょうど出かける用事があるとのことで、わざわざ私のアパートの近くまで持ってきてくださった。
カクトゥギ(左)と、소고기(牛肉)スープ(右)。
カクトゥギは見た目にも ”色白” で、お味も全く辛くない。アミエビの塩辛が一緒に漬け込まれていて、その風味が大変おいしい。
牛肉スープは、牛肉の他に大根やモヤシ・ネギなどが入っており、真っ赤なその色ほどには辛くない。同じ韓国人でも、その人その人によって辛さの好みや味付けが違うのがよく分かる。
「来週はIさんがパンの作り方を教えてくれるそうだから、一緒にしましょうね~」 とほがらかにおっしゃる。
ご自身が外国暮らしの体験があるため、外国で暮らすことの楽しさも難しさも経験していらっしゃるHさん。そのため、私たちのことをよく気にかけてくださる。
射撃場事故のことで重かった心が、Hさんのほがらかな笑顔に少し癒された気がした。
Hさん、どうもありがとうございます。ご馳走さまでした。
Posted by dilbelau at 17:14│Comments(0)
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