2008年11月15日

2008年11月15日(土)海印寺 -八万大蔵経-

さて、いよいよお目当ての 『八万大蔵経』。

大蔵経とは、お釈迦様の教えを体系的に集大成したもので、その版木は81258枚あり、そのため『八万大蔵経』 と呼ばれている。蔵経板殿(国宝第52号)と高麗大蔵経(国宝第32号)は、それぞれユネスコ世界文化遺産と世界記録遺産に登録されている。大蔵経の文字は筆跡が一定で、誤字や脱字もなく完成度が非常に高いとされているそうだ。

この塀の向こう側に、大蔵経がおさめられている建物がある。

2008年11月15日(土)海印寺 -八万大蔵経-

2008年11月15日(土)海印寺 -八万大蔵経-




土と石と瓦を使って作られた塀。







2008年11月15日(土)海印寺 -八万大蔵経-



この塀の向こうは、カメラ・ビデオ撮影は厳しく禁止されている。







海印寺の大蔵経は、1236年から51年にかけて江華島で彫造されたもので、寺伝によると、江華島にあった経板は1398年に漢陽の支天寺に移され、さらに海印寺に移されることになり、経板は1枚ずつ人の頭にのせて運んだとされている。(以下の写真は案内書より)

2008年11月15日(土)海印寺 -八万大蔵経-


経板は縦8寸(24.2㎝)・横2尺3寸(69.7㎝)・厚さ1寸2分の白樺の板で、3年間海水につけてから蒸し、それを乾燥させて、1枚に23行14字詰めの文字を彫った。

3年間も海水につけた後さらに蒸し、乾燥させるという手間をかけるのは、経板がひび割れたり反り返ったり虫がついたりするのを防ぐためだそうだ。





2008年11月15日(土)海印寺 -八万大蔵経-






それから経板に漆を塗り、両端に角木を取り付け、









2008年11月15日(土)海印寺 -八万大蔵経-

側面に経名・巻次・丁数・千字文番号の函数を書いて完成。

これを実に81258枚も作ったのである。

とてつもなく多くの手間ひまがかかっている。




海印寺大蔵経は、現存する大蔵経の中で学術上最も優れているとされ、これから印刷した大蔵経が室町時代に多数日本に渡り、完本に近いものが東京の増上寺と京都の東本願寺に現存しているのだそうだ。これらは、帰国したら一度見に行ってみたいと思う。

この八万大蔵経がおさめられている建物は古い木造で、建物内の風通しをよくするために壁の面積の1/2から1/3ほどは、格子状になっている。中に立ち入ることはできないが、その格子の隙間から中の様子をうかがうことができる。

2008年11月15日(土)海印寺 -八万大蔵経-


天井まで作りつけられた頑丈そうな棚に、整然と大蔵経が並べられている。

格子の隙間から少し手を入れてみると、大変ひんやりした空気が感じられる。

綿密に下準備された板を使っているとはいえ、やはり木の板なので、ひび割れたりカビが生えたりしないように、温度や湿度の管理をしっかりしているのだろう。

これだけの大蔵経がずらりと並べられているのは圧巻であった。



つづく


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