2013年01月21日
食卓に春の光を
先日、夫と今年初の 「소예(ソイェ)」 へ。献立作りから仕入れ、調理、盛り付け、配膳、下膳、洗い物、片付け、さらには予約のためかかってくる電話の対応、車で来た客に対する駐車場所の指示まで、すべて1人でこなされるチャーミングなスーパーウーマンの食堂だ。
1人1人の客に心のこもったもてなしをするため、メニューは 「定食」(7,000w)1種類だけで、昼食時のみの営業、完全予約制で運営している。エプロンに三角巾姿のおばさんがフル回転で立ち働く店は、テーブルと観葉植物が少々あるだけのシンプルなインテリア。店内を飾り立てることより、いかにおいしい料理を出してお客さんに満足してもらうか、そのことだけに専念している感じだ。
料理は季節ごとの旬の素材を使った創作料理。見た目にも美しく食べてもおいしい芸術的な料理の数々が並ぶ。定番のおかずもあるが、行くたびに初めていただくおかずも必ず数品は出るので、今日はどんな料理だろうと毎回ワクワクしながら店を訪ねる。
この日も 「いらっしゃいませ~、あら久しぶりね~。どうぞ~」 と笑顔で迎えてくれる。小柄な身体のどこにそんなパワーがと思うほど、とてもエネルギッシュな方だ。この日も見事な 「作品」 が並ぶ。

どれもおいしそうだが、特に目を引くのは柚子釜に入った生牡蠣(▼)。私は普段、生牡蠣は念のため食べないことにしているのだが、この店のものなら安心だろうといただく。ぷりぷりの牡蠣がたっぷり5粒ほど入っていた。非常においしい。

こちらも非常に美しい一品。プチトマトをくりぬいて、ボイルエビとブロッコリー、アルファルファを詰め、クリームチーズを添えたもの。それぞれの食材が合わさって、何とも言えぬおいしさを生み出していた。

こちらは大根と小ぶりの魚の煮物(▼)。魚は양미리(ヤンミリ)というそうで、この時期にのみとれる魚だそうだ。日本ではシワイカナゴと呼ぶらしい。ぶつ切りにして煮てあるが、身はもちろん骨も柔らかいので丸ごと全部食べられる。旬のおいしさだ。

おいしくいただいていると、「これもどうぞ」 ともう一品持ってきてくれた。「昨日のおかずだけど、少し残ったから食べてみて」。黄色いプチトマトとセロリのサラダだ(半分ほど食べてしまってからの写真▼)。ソースにプチプチしたものが入っていて珍しかったので聞いてみると、좁쌀(チョプサル=粟)を使ったソースだそう。酸味があり独特の食感でおいしかった。

おばさんが忙しそうにしているのを見て、隣のテーブルのおばさん2人組が 「1人で大変でしょう」 と言うと、「大変なもんですか。楽しいですよ。お客さんがこんなに大勢食べに来てくれるんですもの。とっても楽しいですよ」。笑顔で答えるおばさんの表情は、生き生きとして本当に楽しそうだった。
そうだろうと思う。楽しいと感じられなければできない仕事だ。1人で全てをこなさねばならないので、毎日同じメニューを作って出すのでも容易ではないだろうに、ましてや日々新しいメニューを創作し続けるというのは、好きでないとできないことだろう。
店内の壁にかけられたおばさん直筆と思われる文字(▼)。
「冬のさなか、食卓に春の光を。
健康、そして品格まで考える食事のために」

「ご飯は残さず食べなさい」 と言われて育つ日本人とは違い、韓国人は、特に誰かの家に招かれたときなどは 「食事は全て食べずに少し残す」 のが一般的。「食べられないくらいたっぷりの食事を用意してもてなしてもらいました」 というしるしだ。
最近は物価の上昇に伴っておかずの量を減らしている店もあるが、基本的には韓国の食堂では食べきれないほどのおかずを出してくれる。客の側も当たり前のように残す。そこでおかずの再使用(使いまわし)問題が出てくるのだが、ここではそれは置いておくとして。この店に限っては、私の見る限り多くの客がほとんどおかずを残さずに食べて帰る。私たちも含めて。
料理がおいしくボリューム的にも適当だということもあるが、やはり手間ひまかけて心をこめて作ってくれたのが感じられる料理なので、残さず食べずにはいられないのだ。この日も非常においしく、おなかも心も満たされて大満足で店を出た。

소예(ソイェ)
釜山市水営区民楽洞164-23
(051) 752-1727
営業時間:昼食時のみ(予約必須、予約は当日の朝9時頃以降に、2名以上可)
定休日:火曜日・日曜日
* 41番バス民楽方面 「동방시장(東方市場)」 下車、バスの進行方向に進んですぐの角を右へ。T字路に突き当たったら再び右に曲がるとすぐ左手にある。
1人1人の客に心のこもったもてなしをするため、メニューは 「定食」(7,000w)1種類だけで、昼食時のみの営業、完全予約制で運営している。エプロンに三角巾姿のおばさんがフル回転で立ち働く店は、テーブルと観葉植物が少々あるだけのシンプルなインテリア。店内を飾り立てることより、いかにおいしい料理を出してお客さんに満足してもらうか、そのことだけに専念している感じだ。
料理は季節ごとの旬の素材を使った創作料理。見た目にも美しく食べてもおいしい芸術的な料理の数々が並ぶ。定番のおかずもあるが、行くたびに初めていただくおかずも必ず数品は出るので、今日はどんな料理だろうと毎回ワクワクしながら店を訪ねる。
この日も 「いらっしゃいませ~、あら久しぶりね~。どうぞ~」 と笑顔で迎えてくれる。小柄な身体のどこにそんなパワーがと思うほど、とてもエネルギッシュな方だ。この日も見事な 「作品」 が並ぶ。
どれもおいしそうだが、特に目を引くのは柚子釜に入った生牡蠣(▼)。私は普段、生牡蠣は念のため食べないことにしているのだが、この店のものなら安心だろうといただく。ぷりぷりの牡蠣がたっぷり5粒ほど入っていた。非常においしい。
こちらも非常に美しい一品。プチトマトをくりぬいて、ボイルエビとブロッコリー、アルファルファを詰め、クリームチーズを添えたもの。それぞれの食材が合わさって、何とも言えぬおいしさを生み出していた。
こちらは大根と小ぶりの魚の煮物(▼)。魚は양미리(ヤンミリ)というそうで、この時期にのみとれる魚だそうだ。日本ではシワイカナゴと呼ぶらしい。ぶつ切りにして煮てあるが、身はもちろん骨も柔らかいので丸ごと全部食べられる。旬のおいしさだ。
おいしくいただいていると、「これもどうぞ」 ともう一品持ってきてくれた。「昨日のおかずだけど、少し残ったから食べてみて」。黄色いプチトマトとセロリのサラダだ(半分ほど食べてしまってからの写真▼)。ソースにプチプチしたものが入っていて珍しかったので聞いてみると、좁쌀(チョプサル=粟)を使ったソースだそう。酸味があり独特の食感でおいしかった。
おばさんが忙しそうにしているのを見て、隣のテーブルのおばさん2人組が 「1人で大変でしょう」 と言うと、「大変なもんですか。楽しいですよ。お客さんがこんなに大勢食べに来てくれるんですもの。とっても楽しいですよ」。笑顔で答えるおばさんの表情は、生き生きとして本当に楽しそうだった。
そうだろうと思う。楽しいと感じられなければできない仕事だ。1人で全てをこなさねばならないので、毎日同じメニューを作って出すのでも容易ではないだろうに、ましてや日々新しいメニューを創作し続けるというのは、好きでないとできないことだろう。
店内の壁にかけられたおばさん直筆と思われる文字(▼)。
「冬のさなか、食卓に春の光を。
健康、そして品格まで考える食事のために」
「ご飯は残さず食べなさい」 と言われて育つ日本人とは違い、韓国人は、特に誰かの家に招かれたときなどは 「食事は全て食べずに少し残す」 のが一般的。「食べられないくらいたっぷりの食事を用意してもてなしてもらいました」 というしるしだ。
最近は物価の上昇に伴っておかずの量を減らしている店もあるが、基本的には韓国の食堂では食べきれないほどのおかずを出してくれる。客の側も当たり前のように残す。そこでおかずの再使用(使いまわし)問題が出てくるのだが、ここではそれは置いておくとして。この店に限っては、私の見る限り多くの客がほとんどおかずを残さずに食べて帰る。私たちも含めて。
料理がおいしくボリューム的にも適当だということもあるが、やはり手間ひまかけて心をこめて作ってくれたのが感じられる料理なので、残さず食べずにはいられないのだ。この日も非常においしく、おなかも心も満たされて大満足で店を出た。
소예(ソイェ)
釜山市水営区民楽洞164-23
(051) 752-1727
営業時間:昼食時のみ(予約必須、予約は当日の朝9時頃以降に、2名以上可)
定休日:火曜日・日曜日
* 41番バス民楽方面 「동방시장(東方市場)」 下車、バスの進行方向に進んですぐの角を右へ。T字路に突き当たったら再び右に曲がるとすぐ左手にある。
Posted by dilbelau at 08:42│Comments(10)
│韓定食・定食類
この記事へのコメント
いつも希少な情報ありがとうございます。
地球の歩き方より頼りにしております。
2月にまた釜山に行くのでここ行きたいのですけど朝鮮語が出来ないので予約できません。残念です。
地球の歩き方より頼りにしております。
2月にまた釜山に行くのでここ行きたいのですけど朝鮮語が出来ないので予約できません。残念です。
Posted by 東京太郎 at 2013年01月21日 10:52
東京太郎 さま
もったいないお言葉を・・・。恐縮です。
ありがとうございます。
もったいないお言葉を・・・。恐縮です。
ありがとうございます。
Posted by dilbelau
at 2013年01月21日 18:36

dilbelauさま
소예 の定食を食べるためだけに釜山
う~ん贅沢過ぎるなあ。
でもその位行きたいです。
소예 の定食を食べるためだけに釜山
う~ん贅沢過ぎるなあ。
でもその位行きたいです。
Posted by イルマーレ at 2013年01月21日 21:43
イルマーレ さま
私たちも定期的に行きたくなります。
毎回違った “作品” が並ぶので、何度通ってもワクワクが持続します。
私たちも定期的に行きたくなります。
毎回違った “作品” が並ぶので、何度通ってもワクワクが持続します。
Posted by dilbelau
at 2013年01月22日 08:23

始めまして。
いつも美しいお写真に見惚れながらお邪魔しております。
こちら、昨年お友だちが行って凄く感激していたお店です。
釜山に行ったら是非行ってみたいところです!
オーナーさん、お料理が大好きな方なんですね~
どれもこれも美味しそうです。
いつも美しいお写真に見惚れながらお邪魔しております。
こちら、昨年お友だちが行って凄く感激していたお店です。
釜山に行ったら是非行ってみたいところです!
オーナーさん、お料理が大好きな方なんですね~
どれもこれも美味しそうです。
Posted by http://tete04.exblog.jp/ at 2013年01月22日 22:44
何して遊ぼ♪ さま
はじめまして。
ブログを読んでくださっているとのこと、ありがとうございます。
オーナーさん、本当にチャーミングな方ですよ。
お料理すること、人をもてなすことが本当にお好きな方です。
毎回、おなかはもちろん、心も満たされてとても幸せな気持ちになる店です^^
はじめまして。
ブログを読んでくださっているとのこと、ありがとうございます。
オーナーさん、本当にチャーミングな方ですよ。
お料理すること、人をもてなすことが本当にお好きな方です。
毎回、おなかはもちろん、心も満たされてとても幸せな気持ちになる店です^^
Posted by dilbelau
at 2013年01月23日 09:02

はじめまして^^
釜山の情報はあまり多くないので、dilbelau様のブログは
とってもありがたいです^^
소예 のお料理はオーナーさんのこだわりが随所に感じられて、
見た目も美しくてほんとに美味しそうですね~
4月に釜山に行く予定なのでぜひ予約して伺いたいのですが、
予約は当日朝9:00からなんですね。
それより前には受け付けていただけないのでしょうか?
それに、かたことのハングルで伝わるか とっても心配ですが
なんとか頑張ってみます!
釜山の情報はあまり多くないので、dilbelau様のブログは
とってもありがたいです^^
소예 のお料理はオーナーさんのこだわりが随所に感じられて、
見た目も美しくてほんとに美味しそうですね~
4月に釜山に行く予定なのでぜひ予約して伺いたいのですが、
予約は当日朝9:00からなんですね。
それより前には受け付けていただけないのでしょうか?
それに、かたことのハングルで伝わるか とっても心配ですが
なんとか頑張ってみます!
Posted by yuki at 2013年02月14日 13:10
yuki さま
はじめまして^^
いつも読んでくださってありがとうございます。
このお店は本当におすすめです。
おばさんの料理に対する姿勢には毎回、感服します。
予約は当日の朝9時からしか受け付けてくれません。
でもおばさんは昔、少しの間日本で住んでいたことがあるそうで、日本語も少し話されますよ。
もし何かありましたら、オーナーメールでご連絡くださいね~^^
はじめまして^^
いつも読んでくださってありがとうございます。
このお店は本当におすすめです。
おばさんの料理に対する姿勢には毎回、感服します。
予約は当日の朝9時からしか受け付けてくれません。
でもおばさんは昔、少しの間日本で住んでいたことがあるそうで、日本語も少し話されますよ。
もし何かありましたら、オーナーメールでご連絡くださいね~^^
Posted by dilbelau
at 2013年02月14日 13:24

dilbelau様
そうなんですね~
オーナーさんは少し日本語がお分かりなるということをうかがい、
ほんのちょっぴり安心しましたヽ(;▽;)ノ
それでも、もしもの時にはお言葉に甘えてメールさせていただきま~す^^
そうなんですね~
オーナーさんは少し日本語がお分かりなるということをうかがい、
ほんのちょっぴり安心しましたヽ(;▽;)ノ
それでも、もしもの時にはお言葉に甘えてメールさせていただきま~す^^
Posted by yuki at 2013年02月14日 13:45
yuki さま
了解です~^^
了解です~^^
Posted by dilbelau
at 2013年02月14日 14:31
