2013年12月15日

日々の食事で健康に 2

つづき

メニューは定食(昼16,000w、夜18,000w)と、コース料理(A25,000w、B35,000w、C55,000w)がある。私たちは昼の定食をいただくことにした。

まずは영양잡곡죽(栄養雑穀粥)(▼)。やさしい味わい。韓定食の店ではこうした食前粥が出てくることが多い。

日々の食事で健康に 2

続いて、目にも鮮やかな料理が続々と運ばれてくる。葉っぱの上にリンゴやレーズンなどを重ね、ソースを添えた알뿌리쌈(アルプリサム▼)。「알뿌리」 は 「球根」、「쌈(サム)」 は 「包んで食べる」 ことを表す。レーズンの下の白いものが球根ということのようだ。葉っぱは달맞이 꽃(タルマジコッ=マツヨイグサ)の葉なのだそう。

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약초 부침(薬草の和えもの)(右▼)には、約100種類の野草を発酵させて作った天然酵素ソースが使われているそうで、非常においしかった。左は근채쌈(根菜のサム)。中央の丸いものは酵素に漬けこんだジャガイモのスライスで、これで細切りにした薬草の根やビートなどを包んでいただく。

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こちらは、一口サイズにかわいらしく握ったミニおにぎり(▼)。3種それぞれご飯を包んである食材が違うので、違った味わいが楽しめる。中央にあるのはカボチャサラダ。

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薄く焼いたオレンジ色っぽいものは호박전(カボチャのジョン▼)。自然の甘さでおいしい。その隣のベージュ色っぽいものは수수부꾸미(ススブクミ=きびもち)。円形に焼いたきびもちを半分に折ってあんこをサンドしたもの。皮はもちもちしてあんこは甘すぎずおいしい。

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궁중잡채(宮中チャプチェ▼)。とても丁寧に作られているのが分かる一品だ。

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食器もいずれも素敵だ。店のチョン代表は慶州(キョンジュ)に個人の窯を所有しており、自ら土をこねて器を形作ることもあるそうだ。

そして보쌈(ポッサム)。10種類の食材と一緒に茹でてスライスした豚肉は臭みもなくしっとりしていて非常に美味。横に添えられているムグンジ(古漬けキムチ)と一緒にいただく。相性抜群だ。味噌をつけて食べてもおいしい。

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ここまででもかなりおなかが膨れるが、ここから食事部門。ご飯は돌솥밥(石釜ご飯)か오곡현미밥(五穀玄米ご飯)の2つから選択。石釜ご飯(▼)は中身を別の器に移していただく。空になった石釜にはお湯(スンニュン)を注いでまたフタをしておくと、ご飯を食べ終わる頃には石釜の内側に焦げ付いたご飯がふやけてはがれており、これもおいしくいただける。

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五穀玄米ご飯(▼)はモチモチ・プチプチした食感。量は少な目に見えるが想像以上におなかにずっしりくる。いずれも시래기국(シレギクッ=大根干葉入りスープ)が1人分ずつついてくる。イリコのダシがきいていておいしい。

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そしてご飯のおかずとしてあらたにおかずとチゲが並ぶ。キムチやナムル類、焼いたクルビ(塩漬けのイシモチ)など。中でも매실장아찌(梅のチャンアチ/漬けもの)は逸品だった。代表のチョンさんは梅の名産地・院洞(ウォンドン)出身だそうだが、きっと梅のチャンアチの作り方も代々受け継がれてきたのだろう。チゲはピリ辛。

日々の食事で健康に 2

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そしてデザートに수정과(水正果=スジョングァ)と、현미떡(玄米餅)、みかん。玄米餅は餅というより蒸しパン。素朴なおいしさだ。

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かなりおなかがいっぱいになる。昼の定食でこのボリュームなら、コース料理はさぞかし・・・。

この店の最大の特徴は天然酵素を使っていること。それも、薬効がよいとされる時期の野草を約100種類を3年以上発酵させているため深い味わいが楽しめるのだそう。またテンジャンやコチュジャンも5年以上熟成させたものをつかっており、キムチも同じく3年以上熟成させた묵은지(ムグンジ)を出している。

チョンさんがこうしたこだわりを持つようになったのは、無農薬農法で果樹園を営んでいた両親の影響が大きいという。チョンさんの両親は料理するとき、一般的な調味料を使わなかったそう。例えば、甘い味をつけたいときは米や麦などで作った水あめを使っていたとのこと。食材も、自然から採れるものを使っていたため、チョンさんは子どもの頃から山野草が持つ本来の味を体験して育ったという。そして、自然と、食材の本来の特性や効能が分かるようになったのだそうだ。

「地球上に存在する自然の秩序に偶然というものはありません。何かがたくさん存在しているということは、それだけ人間をはじめとする生態系のあらゆる生命体が必要としているということです。水と空気が代表的な例といえます。貴重なものでは高麗人参や鹿茸(鹿の角)などが思い浮かびますが、ごくありふれた山野草こそ、すばらしい生命料があり、タンパク質・脂質・炭水化物・繊維質・無機質など、栄養が豊富に含まれています」 とのこと。

その栄養あふれた野草を使って作りだす料理の数々。チョンさんは、国産の農産物を使って心を込めて作った素朴な料理は、それそのものが 「薬」 だという。「食事で治せない病気は、薬でも治すのが難しい」 というチョンさん。

薬膳は伝統的な東洋医学理論に基づいた料理法。昔から東洋医学では、医者いらずの健康な身体を作ることを医術の最高の境地だとしていた。それを実践しているのが 「貞林」 の料理だと言えるだろう。

「貞林」 は東莱(トンネ)の本店以外にも、マリンシティや新世界(シンセゲ)百貨店センタム店などにも支店がある。

정림(貞林=チョンニム)本店
釜山市東莱区寿安洞460ー3
(051) 552-1211, 554-1994



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