2012年12月31日

年末音楽会「第9」

쌈밥(サムパッ)の夕食をすませ、お隣の文化会館へ。この日の公演は、釜山MBC創社53周年記念の 「2012年末音楽会」。韓国語のタイトルは 「송년음악회」 で、そのまま漢字にすると 「送年音楽会」。

「송년(ソンニョン)」(送年)とは文字通り1年を送ることで、「송년회」(送年会)といえば忘年会のこと。韓国でも昔は忘年会のことを、日本語の漢字をそのままハングルにした 「망년회(マンニョンフェ)」 と呼んでいたが、最近では「송년회」(送年会)という言葉を使うのが主流になっている。

さて、この日の音楽会は年末の雰囲気にふさわしく、ベートーベンの交響曲第9番 「合唱」。演奏は釜山市立交響楽団、指揮は同楽団の首席指揮を務める中国人のリ・シンチャオ(李心草)。

合唱は釜山市立合唱団と蔚山(ウルサン)市立合唱団、金海(キメ)市立合唱団。ソプラノはパク・ウンジュ、メゾソプラノは中国人のワン・ホンヤオ、テノールも同じく中国人のシュエ・ハオイン、ベースはヤン・ヒジュン。写真は演奏前の準備をしている楽団(▼)。

年末音楽会「第9」

指揮の李心草は、中国の中央音楽院卒業後、23歳という若さで中国国立オペラバレエ団の常任指揮者を務めた。その後、レオポルト・ハガーに招かれウィーン国立音大の指揮科高級過程を終えた。修学当時、ウィーン国立歌劇場の副指揮者として活動するなど、世界的に活躍する若き指揮者だ。

この日の演奏を含め彼が指揮する演奏を何度か聴いたことがあるが、毎回、小柄な身体からエネルギーがほとばしるような指揮だ。

それにしても、この日もやはり開演時間になっても観客が遅れて入ってくる。楽団も席につき、あとは指揮者を迎えるのみという状態になっても、ばらばらと観客が入ってくるので、客席担当の係員はOKサインが出せず指揮者の登場までけっこう間があった。

演奏が始まって、楽章と楽章の間にも、遅れて会場に到着した客がぞろぞろと入ってきた。

また、私の斜め前の客席に座っていた男性は、演奏中もずっと携帯の画面を見ていた。最初は急なメールでも入ったのかと思ったがそうでもなさそうだ。もともと演奏に興味はなく連れの人につきあって来たものの、やはり退屈で仕方がないといった雰囲気。男性の様子を気にしないでおこうと思っても、暗い中での明るい携帯画面はいやでも目に付く。

遅刻にしてもメールにしても、演奏者に対する礼儀や鑑賞マナーに欠ける様子を目にすると、「またか」 と非常にがっかりする。

さて、そのがっかり以外は非常にすばらしい演奏会だった。特に合唱団が加わってのおなじみのフレーズを聞くと、あぁ今年も1年が終わるんだなと条件反射的に感じる。


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