2012年05月28日
大型マートの義務休業
先日、久しぶりに近所の大型マート(メガマート)に行ったら、入口に大きな横断幕が掲げられていた。「政府の政策により、6月1日から営業時間を変更します」 というもの。

大型マートの存在が伝統市場の経営をおびやかしているとのことで、ほぼ365日営業の大型マートの営業時間に制限がつけられたのだ。
釜山市で、この流通法条例の施行が最も早く始まったのは南区(4月から)で、その他の区も5~6月から順次適用されることになっていたのだ。この条例は、大型マートは毎日深夜0時~朝8時までと、毎月第2・4日曜日は休業せねばならないと定めている。(関連記事=釜山日報4月17日3面)
水営(スヨン)区のメガマートでもそれに従って、営業時間を8~24時までとし、6月は10日と24日の第2・4日曜は休業すると表示してある。
しかし、すでに4月・5月から流通法条例の施行が始まっているエリアの伝統市場では、条例施行の効果はいま一つだという反応のようだ。以下、4月23日付釜山日報の記事(8面)より。
「さぁ・・・。いつもより少し人が多い気はしましたけど、売上が増えたかどうかは分かりませんね」。
22日午後2時、釜山市ナム(南)区テヨン(大淵)洞のナムグァン市場。大型マート「ホームプラス」ガンマン(戡蠻)店から約500m離れた所にあるこの市場は、ここ数年の間に急激にさびれ、シャッターを下ろしたままの店舗が30%以上もある。
この日は釜山地域16の区・郡の中でナム区が初めて、毎月第2・4日曜日の大型マート休業制度を実施した日。「ホームプラス」ガンマン店など大型マート2店舗と、SSM(企業型スーパーマーケット)8店舗が休業した。全国的には大型マート114店が一斉に休業した。
ナムグァン市場商人会のソン・グンソク会長は「大型マートが1日休んだからと言って、お客さんがすぐ伝統市場に来るというものではありません。この市場はすでに瀕死の状態で、急に活気を取り戻すなんて無理です」と話す。
「イーマート」ムンヒョン(門峴)店の近くにあるテヨン洞のモッコル市場も似たような状況。八百屋を経営するパクさん(51)は「イーマートが1日休業したけど、ほとんどの人は平常営業中のナムチョン(南川)のメガマートや、ホームプラス・ソミョン(西面)店、イーマート・トレーダース・ソミョン店、ヒョンデ(現代)百貨店に分散しただけで、市場はがらがらですよ」と話す。
大型マートの休業制度による売上上昇は、店の形態によってその体感効果が大きく違った。中小の商工人の中でも、この特需効果で「富める者はますます富み、貧しいものはますます貧しくなる」状態が起こっている。
ガンマン洞の伝統市場内の「キングマート」の商人イ・ジェランさん(43)は「10m先にあるSSMが休業したので、日曜日なのに朝から人出が足りないほどだった。いつもより20%くらいお客さんが増え、大型マートの強制休業制度の効果は確実に感じられた」とほくほく顔だ。
反面、SSMの「ノンヒョプ(農協)ハナロマート」ヨンホ(龍湖)店が建つヨンホコルモク市場内でスーパーを経営するナ・オッキさん(54・女性)は、「ハナロマートが休業したことで、セールのチラシを配るなど近くの中型マートだけが盛り上がっていた。うちのような小型マートは、業者から鶏卵を30個4,800ウォンで仕入れているけど、近くのマートでは2,800ウォンくらいで売ってると聞いたことがある。中型マートが法外な値下げをしているのが問題だ」ともらす。
一方、この日の休業を知らずに大型マートを訪れた客も少なくなかった。
主婦のジョン・ミジンさん(34)は「伝統市場を救済しようという趣旨には共感するが、大型マートに休まれると不便だというのも事実。毎週日曜日に1週間分を買い込むんですが、これからは土曜日か月曜日に来ようと思います」と話す。
大型マートやSSMなどは、今回の流通法条例施行で全体の売上が約10%減ると見ている。反面、伝統市場の商人や小規模の商工人らは、売上の増加効果は3%前後に過ぎないと予測している。
「中小の商人救済」のイ・ジョンシク協会長は「今回の処置がただのお仕着せにならないよう、大型マートの夜間の営業制限時間を延長したり、隣接する大型マートを一斉に休業させるなど、実効性のあるもっと強力な救済策が必要だ」と主張する。
今回の流通法条例は釜山だけでなく、全国的に施行されている。イーマートなど大手流通業者29社の団体 「韓国チェーンストア協会」 は条例の無効化を求め、ソウル市の江東区と松坡区や水原市など5自治体を相手取り行政訴訟を起こしたり、条例に対する効力停止仮処分を申請しているそう。また同協会は、営業を制限する自治体条例の根拠となる 「流通産業発展法」 は違憲だとし、憲法訴願審判も請求するなど、流通業界からは猛反発を受けているそうだ。
今後の成り行きが注目される。
大型マートの存在が伝統市場の経営をおびやかしているとのことで、ほぼ365日営業の大型マートの営業時間に制限がつけられたのだ。
釜山市で、この流通法条例の施行が最も早く始まったのは南区(4月から)で、その他の区も5~6月から順次適用されることになっていたのだ。この条例は、大型マートは毎日深夜0時~朝8時までと、毎月第2・4日曜日は休業せねばならないと定めている。(関連記事=釜山日報4月17日3面)
水営(スヨン)区のメガマートでもそれに従って、営業時間を8~24時までとし、6月は10日と24日の第2・4日曜は休業すると表示してある。
しかし、すでに4月・5月から流通法条例の施行が始まっているエリアの伝統市場では、条例施行の効果はいま一つだという反応のようだ。以下、4月23日付釜山日報の記事(8面)より。
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「さぁ・・・。いつもより少し人が多い気はしましたけど、売上が増えたかどうかは分かりませんね」。
22日午後2時、釜山市ナム(南)区テヨン(大淵)洞のナムグァン市場。大型マート「ホームプラス」ガンマン(戡蠻)店から約500m離れた所にあるこの市場は、ここ数年の間に急激にさびれ、シャッターを下ろしたままの店舗が30%以上もある。
この日は釜山地域16の区・郡の中でナム区が初めて、毎月第2・4日曜日の大型マート休業制度を実施した日。「ホームプラス」ガンマン店など大型マート2店舗と、SSM(企業型スーパーマーケット)8店舗が休業した。全国的には大型マート114店が一斉に休業した。
ナムグァン市場商人会のソン・グンソク会長は「大型マートが1日休んだからと言って、お客さんがすぐ伝統市場に来るというものではありません。この市場はすでに瀕死の状態で、急に活気を取り戻すなんて無理です」と話す。
「イーマート」ムンヒョン(門峴)店の近くにあるテヨン洞のモッコル市場も似たような状況。八百屋を経営するパクさん(51)は「イーマートが1日休業したけど、ほとんどの人は平常営業中のナムチョン(南川)のメガマートや、ホームプラス・ソミョン(西面)店、イーマート・トレーダース・ソミョン店、ヒョンデ(現代)百貨店に分散しただけで、市場はがらがらですよ」と話す。
大型マートの休業制度による売上上昇は、店の形態によってその体感効果が大きく違った。中小の商工人の中でも、この特需効果で「富める者はますます富み、貧しいものはますます貧しくなる」状態が起こっている。
ガンマン洞の伝統市場内の「キングマート」の商人イ・ジェランさん(43)は「10m先にあるSSMが休業したので、日曜日なのに朝から人出が足りないほどだった。いつもより20%くらいお客さんが増え、大型マートの強制休業制度の効果は確実に感じられた」とほくほく顔だ。
反面、SSMの「ノンヒョプ(農協)ハナロマート」ヨンホ(龍湖)店が建つヨンホコルモク市場内でスーパーを経営するナ・オッキさん(54・女性)は、「ハナロマートが休業したことで、セールのチラシを配るなど近くの中型マートだけが盛り上がっていた。うちのような小型マートは、業者から鶏卵を30個4,800ウォンで仕入れているけど、近くのマートでは2,800ウォンくらいで売ってると聞いたことがある。中型マートが法外な値下げをしているのが問題だ」ともらす。
一方、この日の休業を知らずに大型マートを訪れた客も少なくなかった。
主婦のジョン・ミジンさん(34)は「伝統市場を救済しようという趣旨には共感するが、大型マートに休まれると不便だというのも事実。毎週日曜日に1週間分を買い込むんですが、これからは土曜日か月曜日に来ようと思います」と話す。
大型マートやSSMなどは、今回の流通法条例施行で全体の売上が約10%減ると見ている。反面、伝統市場の商人や小規模の商工人らは、売上の増加効果は3%前後に過ぎないと予測している。
「中小の商人救済」のイ・ジョンシク協会長は「今回の処置がただのお仕着せにならないよう、大型マートの夜間の営業制限時間を延長したり、隣接する大型マートを一斉に休業させるなど、実効性のあるもっと強力な救済策が必要だ」と主張する。
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今回の流通法条例は釜山だけでなく、全国的に施行されている。イーマートなど大手流通業者29社の団体 「韓国チェーンストア協会」 は条例の無効化を求め、ソウル市の江東区と松坡区や水原市など5自治体を相手取り行政訴訟を起こしたり、条例に対する効力停止仮処分を申請しているそう。また同協会は、営業を制限する自治体条例の根拠となる 「流通産業発展法」 は違憲だとし、憲法訴願審判も請求するなど、流通業界からは猛反発を受けているそうだ。
今後の成り行きが注目される。
Posted by dilbelau at 21:13│Comments(0)
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