2012年05月02日
地曳網体験 1
広安里(クァンアルリ)に春を告げる祭り 「광안리어방축제(広安里漁坊祭り)」 が、4月27~29日の3日間開かれた。水営(スヨン)区が主催するこの祭りは、今年で12回目。
「漁坊(オバン)」 とは日本人にはなじみのない言葉だが、今でいう漁業組合のようなもの。水営(スヨン)地方(現在の水営区)は昔から魚が豊富で、釜山地域で最も古くから漁業が発達していた場所として知られている。慶尚左水営に漁坊を置き、漁業の振興のため指導的役割を果たしていたのが 「左水営漁坊」 だった。
このような水営地方の伝統を伝えていくために 「漁坊(オバン)」 という名前をつけた 「広安里漁坊祭り」 は、2001年から行われている。釜山の代表的な春の祭りとして知られ、祭りを通して漁村の民俗を紹介しているのは全国でも唯一だろう。
私が初めてこの祭りを見たのは2008年のこと。釜山で暮らし始めてまだ2か月ほどだった当時、私はこの祭りの存在自体を知らなかった。夕方、外から賑やかな音楽が聞こえてきたのでベランダからのぞいてみると、ちょうどパレードが通っているところが見え、慌てて外に出て見物。そのとき、今も変わらずよくしてくださる韓国人の友人Hさんと初めて会ったのだった。
以来、毎年欠かさず祭りを楽しませてもらっている。今年の祭りは、私にとって5回目の漁坊祭り(オバンチュクチェ)だった。
これまでも祭りは金・土・日の3日間開かれており、例年は初日(金曜日)の夕方、水営区役所から広安里ビーチまでを練り歩くパレードで祭りの幕が開くというスタイルだった。しかし、今年はパレードは2日目の土曜日に変更されていた。
祭り初日(27日)の夕方、ビーチで行われていたのは 「어방그물끌기(漁坊・地曳網引き)」。昔の漁の様子を再現し、市民も参加できる体験型イベントにしたもの。引いた地曳網に入っていた魚は、参加者が各自つかまえて持って帰ってよいというシステムなので、毎年かなりの人気だ。
イベントは16:00~17:30の予定で、私が見にいった17時頃にはちょうどそろそろ地曳網を引き始めようというところだった。
「漁」 と書かれた赤い旗を持った人々の後方に、これから地曳網を引く参加者が、配られた軍手をはめて待機している(▼)。

地曳網はあらかじめ、中央の船(▼)によって海の中に設置されている。

「좌수영어방놀이(左水営漁坊遊び)」 という旗を持った人を中心に、豊漁を祈ってチャングやどら、太鼓などの楽器を演奏しながら踊っている(▼)。

マイクを持った進行役の人が、地曳網を設置した船に向かって 「どうですか~?魚はたくさん入ってますか~?」 などと大きな声で呼びかけると、船から 「もう網を引いてもよい」 という合図の汽笛が聞こえてくる。すると人々は網の先についている綱を手に持ちスタンバイ(▼)。


網は2か所に分かれて引く。反対側にも大勢の人がスタンバイしている(▼)。

いよいよ綱を引っ張り始める。

歌や音楽に合わせてどんどん綱を引っ張り、網を引き揚げていく。

つづく
「漁坊(オバン)」 とは日本人にはなじみのない言葉だが、今でいう漁業組合のようなもの。水営(スヨン)地方(現在の水営区)は昔から魚が豊富で、釜山地域で最も古くから漁業が発達していた場所として知られている。慶尚左水営に漁坊を置き、漁業の振興のため指導的役割を果たしていたのが 「左水営漁坊」 だった。
このような水営地方の伝統を伝えていくために 「漁坊(オバン)」 という名前をつけた 「広安里漁坊祭り」 は、2001年から行われている。釜山の代表的な春の祭りとして知られ、祭りを通して漁村の民俗を紹介しているのは全国でも唯一だろう。
私が初めてこの祭りを見たのは2008年のこと。釜山で暮らし始めてまだ2か月ほどだった当時、私はこの祭りの存在自体を知らなかった。夕方、外から賑やかな音楽が聞こえてきたのでベランダからのぞいてみると、ちょうどパレードが通っているところが見え、慌てて外に出て見物。そのとき、今も変わらずよくしてくださる韓国人の友人Hさんと初めて会ったのだった。
以来、毎年欠かさず祭りを楽しませてもらっている。今年の祭りは、私にとって5回目の漁坊祭り(オバンチュクチェ)だった。
これまでも祭りは金・土・日の3日間開かれており、例年は初日(金曜日)の夕方、水営区役所から広安里ビーチまでを練り歩くパレードで祭りの幕が開くというスタイルだった。しかし、今年はパレードは2日目の土曜日に変更されていた。
祭り初日(27日)の夕方、ビーチで行われていたのは 「어방그물끌기(漁坊・地曳網引き)」。昔の漁の様子を再現し、市民も参加できる体験型イベントにしたもの。引いた地曳網に入っていた魚は、参加者が各自つかまえて持って帰ってよいというシステムなので、毎年かなりの人気だ。
イベントは16:00~17:30の予定で、私が見にいった17時頃にはちょうどそろそろ地曳網を引き始めようというところだった。
「漁」 と書かれた赤い旗を持った人々の後方に、これから地曳網を引く参加者が、配られた軍手をはめて待機している(▼)。
地曳網はあらかじめ、中央の船(▼)によって海の中に設置されている。
「좌수영어방놀이(左水営漁坊遊び)」 という旗を持った人を中心に、豊漁を祈ってチャングやどら、太鼓などの楽器を演奏しながら踊っている(▼)。
マイクを持った進行役の人が、地曳網を設置した船に向かって 「どうですか~?魚はたくさん入ってますか~?」 などと大きな声で呼びかけると、船から 「もう網を引いてもよい」 という合図の汽笛が聞こえてくる。すると人々は網の先についている綱を手に持ちスタンバイ(▼)。
網は2か所に分かれて引く。反対側にも大勢の人がスタンバイしている(▼)。
いよいよ綱を引っ張り始める。
歌や音楽に合わせてどんどん綱を引っ張り、網を引き揚げていく。
つづく
Posted by dilbelau at 21:18│Comments(0)
│広安里漁坊祭り