2012年04月28日

タクシードライバーにも高齢化の波

4月24日付の釜山日報(6面)に興味深い記事がのっていた。

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「タクシー運転手の高齢化、釜山の高齢化とそっくりですよ」

76歳の 「現役」 タクシー運転手ムン・ジェゲさんは、運転手の年齢層がだんだん高くなっている現状についてこう答えた。ムンさんは、法人タクシーの運転手としては年齢が高いように思われるが、実際には、釜山市内99の法人タクシー会社に所属する75歳以上の運転手17人(2012年3月現在)の中の1人に過ぎない。

24日、釜山市タクシー運送事業組合(以下、タクシー組合)によると、法人タクシー会社の運転手の平均年齢は2008年12月の49歳から、今年の3月には53.8歳と、3年3か月の間に4.8歳も高くなった。

ムンさんは 「うちの会社だけ見ても、70歳以上の運転手が私を含めて5人もいる。若い人たちが働き口を探してソウルへ移り釜山には働き盛りの年齢層がいなくなるのと同じで、タクシーの仕事に就く人は私たちのような高齢者しかいない」 と話す。また 「老人が小遣いを稼ぐくらいの気持ちで働くならいいが、若い人が子どもを育てるには月に100万ウォンにも満たない給料では全然足りない」 と説明する。

タクシー組合によると、2008年には123人いた30歳未満の法人タクシー会社の運転手が今年はわずか25人と、約80%も急減した。

逆に、同期の70歳以上の運転手は73人から186人へと約1.5倍増え、75歳以上の運転手は8人から17人へとやはり倍増した。

また、法人タクシー全体の運転手のうち60歳以上が占める割合は、2008年は約15.5%だったのが、今年は約29.2%と大幅に上昇した。

タクシー組合のジョ・テファン部長は 「普通、タクシー会社の定年は55~58歳だが、タクシー運転手として働く人が減り、定年を過ぎても 『嘱託』 という名目で契約職員として雇用する場合が多い。このため、運転手の統計には漏れがあり、実際の平均年齢はもっと高いと考えられる」 と話す。

タクシー運転手として24年の経験を持つジョン・ビョンテさん(70)は 「地下鉄やバスの乗り換え制度実施や、代理運転の活性化などにより乗客の選択肢が増え、収入は以前より減った。あるときなど、1時間で1人も利用客がないときもあった。初乗り2,200ウォンのお客さんさえいないんだよ」 とため息をつく。法人タクシーの収入が急減し、ますます若い人がタクシー運転手として働くのを避けるようになった。

タクシー業界も不安を抱えている。(株)シナンタクシーのキム・ジュス理事は 「年齢の高い方はどうしても事故の危険性も高くなるが、会社の立場としてはそういう方でもいなければ運営が成り立たないので、受け入れざるを得ない状況。数は少ないが、若い基礎生活受給者や障害者を雇用したこともある。しかし収入が少ないせいかどうか、すぐにやめてしまう」 と話す。

業界の心配をよそに、タクシー業界の高齢化は今後ますます深刻になるとみられる。ムンさんやジョンさんは 「健康状態が許す限り、これからもタクシー運転手として働き続けたい」 と話す。

タクシードライバーにも高齢化の波

表は、釜山市タクシー運送事業協会より(▲)
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表を見ると、ここ数年の間に30~40代の運転手が急激に減り、逆に60~70代が増えてきているのがよく分かる。本文中のキム・ジュス理事の言うように、高齢者の運転は危険性が高まるというのも事実だろう。しかし普段、釜山のタクシーを利用している者としての感覚では、必ずしも若い運転手だからといって安全とも限らないと思う。

「運転技術が安全かどうか」 と 「安全に運転するかどうか」 はまた別ものだと思う。

本来安全に運転することができる人でも、自分の運転技術を過信して、スピードを出しすぎたり無理な運転をしたりすれば、危険な運転になる。逆に、高齢になってきて自分の運転技術が衰えてきていることを自覚し、慎重に運転せねばと心がけている人なら、安全に運転することはできると思う。

いずれにしても、「タクシー運転手にも高齢化の波」、興味深い記事だった。


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