2012年02月12日
「月の家」@広安里 1
今年の대보름(テボルム=旧暦1月15日・小正月)は2月6日だった。農耕社会だった韓国では、旧暦1月1日の설날(ソルラル=旧正月)から15日間(テボルムまで)は休日として過ごし、テボルムを過ぎると再び農作業に従事するという生活が送られたそう。
テボルムの日には、人々はこれから本格的に始まる農繁期に向け準備をする一方で、1年間の無病息災を願った食事をしたり、様々な遊戯を行ったりしたそうだ。現代でもこうした風習は受け継がれ、毎年韓国各地でテボルムのイベントなどが行なわれる。
テボルムの朝には無病息災を願って、栗・くるみ・銀杏・落花生など殻の硬い木の実を食べる習慣がある。これらの木の実は부럼(プロム)と呼ばれ、木の実を噛み砕くカリッカリッという音で災難や鬼が逃げていくと言われているためだ。また 「プロム」 という言葉には腫れものやおできという意味もあり、これを食べることで1年間おできができないとも言われているそうだ。
釜山でも、海雲台や広安里、松島、多大浦をはじめとする海辺など、15ヶ所でイベントが行われた。ビーチでは凧あげ。「悪い気運を凧に乗せて遠くに飛ばしてしまう」 という意味で、「송액연(送厄凧)」 があげられる。1年間良い事だけが訪れますようにと願いながら、空高く飛ばしたあとに凧の糸を切ってしまうのだそうだ。
また、달집태우기(タルチッテウギ)も目を引くイベントの1つ。달집(タルチッ)とは 「月の家」、태우기(テウギ)は 「燃やすこと」。竹や松の枝、ワラなどを高く積み上げ、月が昇る東の方向に門を付けた 「タルチッ」 に火をつけるのだ。タルチッが均等に燃えればその年は豊作、炎が途中で消えてしまえば凶作というように、タルチッの燃え方によって農作物の作柄を占うのだそうだ。
今年も、広安里ビーチ(民楽寄り)には高さ18mのタルチッ(▼)が用意された。この日の月が昇る時間は16:22、日の入りは17:56。日が落ち、月がよく見える18時ごろから火をつける予定だとのことで、見にいってみた(2010年のテボルムの様子 その1~8)。
昼過ぎから雨が降り始め、タルチッテウギを実施できるのかどうか少し心配したが、幸い夕方には何とか持ち直し、小雨が少しぱらつく程度だった。
17時過ぎに会場に到着すると、タルチッを取り囲むようにすでに大勢の人々が集まっていた。


タルチッの周りには、厄を飛ばして(燃やして)しまう 「송액연(送厄凧)」 がたくさんくくりつけられていた(▼)。

「송액연(送厄凧)」 はこのテントで販売している。1枚10,000w(▼)。テントでは他にも삼재부(三災符=水災・火災・風災よけの護符)、재수소망부(開運の護符)、사고방지부(事故よけの護符)も売られている(いずれも3,000w)。

送厄凧や護符などを販売するテントに並んで、それらに願い事などを書き込むテントも用意されている(▲)。
つづく
テボルムの日には、人々はこれから本格的に始まる農繁期に向け準備をする一方で、1年間の無病息災を願った食事をしたり、様々な遊戯を行ったりしたそうだ。現代でもこうした風習は受け継がれ、毎年韓国各地でテボルムのイベントなどが行なわれる。
テボルムの朝には無病息災を願って、栗・くるみ・銀杏・落花生など殻の硬い木の実を食べる習慣がある。これらの木の実は부럼(プロム)と呼ばれ、木の実を噛み砕くカリッカリッという音で災難や鬼が逃げていくと言われているためだ。また 「プロム」 という言葉には腫れものやおできという意味もあり、これを食べることで1年間おできができないとも言われているそうだ。
釜山でも、海雲台や広安里、松島、多大浦をはじめとする海辺など、15ヶ所でイベントが行われた。ビーチでは凧あげ。「悪い気運を凧に乗せて遠くに飛ばしてしまう」 という意味で、「송액연(送厄凧)」 があげられる。1年間良い事だけが訪れますようにと願いながら、空高く飛ばしたあとに凧の糸を切ってしまうのだそうだ。
また、달집태우기(タルチッテウギ)も目を引くイベントの1つ。달집(タルチッ)とは 「月の家」、태우기(テウギ)は 「燃やすこと」。竹や松の枝、ワラなどを高く積み上げ、月が昇る東の方向に門を付けた 「タルチッ」 に火をつけるのだ。タルチッが均等に燃えればその年は豊作、炎が途中で消えてしまえば凶作というように、タルチッの燃え方によって農作物の作柄を占うのだそうだ。
今年も、広安里ビーチ(民楽寄り)には高さ18mのタルチッ(▼)が用意された。この日の月が昇る時間は16:22、日の入りは17:56。日が落ち、月がよく見える18時ごろから火をつける予定だとのことで、見にいってみた(2010年のテボルムの様子 その1~8)。
昼過ぎから雨が降り始め、タルチッテウギを実施できるのかどうか少し心配したが、幸い夕方には何とか持ち直し、小雨が少しぱらつく程度だった。
17時過ぎに会場に到着すると、タルチッを取り囲むようにすでに大勢の人々が集まっていた。
タルチッの周りには、厄を飛ばして(燃やして)しまう 「송액연(送厄凧)」 がたくさんくくりつけられていた(▼)。
「송액연(送厄凧)」 はこのテントで販売している。1枚10,000w(▼)。テントでは他にも삼재부(三災符=水災・火災・風災よけの護符)、재수소망부(開運の護符)、사고방지부(事故よけの護符)も売られている(いずれも3,000w)。
送厄凧や護符などを販売するテントに並んで、それらに願い事などを書き込むテントも用意されている(▲)。
つづく
Posted by dilbelau at 08:47│Comments(0)
│タルチッテウギ