2011年11月24日

負けるな!! 釜山サトゥリ

先日、釜慶(プギョン)大学の言語教育院で、「표준어 구사능력 향상과정(標準語駆使能力向上課程)」 なるものが開かれた。釜山や慶尚道の方言が面接で不利になるのではないかという不安から、就職活動を控えた学生が集まったそうだ。講義は正確な発音・発声のための腹式呼吸の練習から始まる。

この 「標準語駆使能力向上課程」 は今年9月に第1期の講義を始めた。続いて11月はじめに第2期の募集をしたところ、募集当日に申込者が定員の36人に達したという。

人気テレビ番組 『개그콘서트(ギャグコンサート)』 では、「궁디를 주 차뿌까」(*) など、独特な釜山の方言が堂々たる地位を確立している感があるが、これから就職しようとする学生には大きな悩みのようだ。
(*)(「お尻をガツンと蹴ってやろうか」 の意。標準語では 「엉덩이를 확 차버릴까」)

負けるな!! 釜山サトゥリ

実際に、釜山のある放送局の記者の試験で、発音のテストで 「경상남도경찰국(キョンサンナムドキョンチャルグッ)」(慶尚南道警察局) を 「갱상남도갱찰국(ケンサンナムドケンチャルグッ)」 と発音して不合格となった例もあるのだそうだ。

しかし、このような意見も新聞で紹介されていた(▼11月21日付釜山日報・박진수(パク・チンス)釜山日報論説委員)。
*****

方言にはその地域の生活や歴史、文化が溶け込んでいる。「아침 묵었습니꺼」(「朝ごはん食べましたか」。標準語では 「아침 먹었습니까」)という言葉は、何もかもが不足していた時代の釜山の挨拶の言葉だ。米軍の救援物資を盗んででも生きていかねばならなかった避難民の、釜山の辛い歴史がしみこんだ表現だとも言える。

方言はその地域のアイデンティティ確立と、切っても切れない関係にある。方言を捨てなければいい会社に就職できないと教えている現実がやるせない。方言に込められた自分の出身や過去まで否定しなければ、いい職場に入れないと教える現状が若者をさらに萎縮させる。

「我々大韓国民は・・・政治・経済・社会・文化のすべての領域に於いて各人の機会を均等にし・・・」 大韓民国憲法の全文の一部分だ。全文のどこにも、方言を使うという理由で差別を受けなければならない、などという規定はない。「若者よ、憲法精神まで無視する標準語なら、“標準語”の“お尻を蹴ってやれ”」

*****

釜山の方言は文字だけで再現するのは難しいので、うまく伝えきれないのがもどかしいが、大阪弁に似ていると感じる点も多い。大阪出身の私にとってはとても親しみを感じる。面接では 「標準語」 ができないと不利だというのが現状かもしれないが、一つの文化ともいえる 「釜山サトゥリ(方言)」 の魂は絶やさないでほしいと願う。


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この記事へのコメント
はじめまして。

確かに面接などでは標準語で話す事が必要とされるのかもしれませんが、
だからと言って方言=自分たちの言葉を否定はしないで欲しいですね。

私は生まれも育ちも東京で方言が極端に少ないので、
自分たちの言葉を持っている地域が羨ましく思えます。
慶尚道方言を関西弁で例えている時は・・・
ちょっとズルいと思いつつ・・・笑

いつも興味深く拝見しております。
突然コメントしまして失礼しました。
Posted by たわ at 2011年11月24日 10:18
たわ さま

はじめまして。いつも読んで下さっているとのこと、ありがとうございます。

釜山の言葉は日本語のイントネーションに近いので、韓国の他の地域の人に比べて釜山の人は日本語が上手な人が多いとよく聞きます。
(一口に日本語のイントネーションと言っても、それこそさまざまですが)

方言はアイデンティティの一つだと思うので、「自分たちの言葉を否定しないでほしい」というたわさんの意見に同感です。

これからもよろしくお願いします♪
Posted by dilbelaudilbelau at 2011年11月24日 18:57
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