2011年05月24日

チベット仏教寺院 3

つづき

韓国チベット寺院で一番地位の高いお坊さんはこの日、 『ラムリム(菩提道次第)』 をもとに説法をされた。『ラムリム』 とは仏教全般に渡る教理・実践の枠組みを設定し、基礎から覚りに至るまでの修行の道のりを詳しく説き明かしたもの。

八万四千大蔵経の心髄を巧みに凝縮し、整合性ある一大体系にまとめあげているのだそうだ。この教えの流れは、チベット仏教中興の祖師アティーシャによって確立され、ゲルク派宗祖ツォンカパ大師の手で集大成されたそう。

もともとチベット語で書かれていた 『ラムリム』 を、何度も修正を重ねながら韓国語に翻訳したのだそうだ。お坊さんの説法が終わると、「では皆さん一緒に読経しましょう」。すると、法堂に集まっていた信者の皆さんが一斉に独特の節回しで読経を始めた。いかにも普段から読経していて慣れているといった感じ。

読経が終わると法堂にいたお坊さんたちが簡単に自己紹介を。5人ぐらいいらっしゃったが、韓国語で話したのは説法をされたお坊さん以外には夫のクラスメイトのお坊さんだけ。他の方は英語で話したり、恥ずかしがって(?)話さなかったり。

それが終わると説法をされたお坊さんから促され、法堂にいた信者さんたちがみな立ち上がり静かに列を作ってお坊さんの前へと歩み寄る。表に仏や菩薩の絵が、裏にそれぞれのマントラ(真言)が書かれた名刺大のカードを、お坊さんが一人ひとりに手渡してくれるのだそうだ。

その列の中ほどに夫のクラスメイトのお坊さんが立ち、お供えしていたお菓子をすすめていた。きな粉やゴマを練ったような団子状のお菓子だ。

チベット仏教寺院 3

そのお菓子をいただいてさらに進むと、説法をされていたお坊さんの前へ。

チベット仏教寺院 3

仏画とマントラが描かれたカードを受け取ると、今度は他のお坊さんが小さなスプーンで手のひらに가피물(加被水)という液体をのせてくれる。ダライラマが作ったお茶なのだそうだ。手のひらに口をつけるようにしてその加被水をいただく。量が少ないからか、特に何の味もしなかった。

チベット仏教寺院 3

カードや加被水をいただいた人から順に2階へ下りて行く。2階では昼食が用意されており、夫のクラスメイトのお坊さんにすすめられて私たちも席についた。

チベット仏教寺院 3

メニューはピビムパとワカメスープ。そしてお供えしていた果物やお餅・ケーキをお下げしたもの。

チベット仏教寺院 3

ほとんどの人は顔見知り同士のようだ。きっと教会のように定期的にここに通ってきている熱心な信者さんなのだろう。後で聞いたところ、この日お寺に来た信者さんは300人以上だったそうで、全体の信者さんは500人以上いるそうだ。

今のようにチベット人僧侶が釜山に来てチベット仏教の布教を始めたのは10年ほど前だそうだが、それ以前にも韓国ではチベット仏教の信者はいたのだそうだ。

昼食をおいしくいただいて帰ろうとすると、出入り口付近でお餅を配っていた。これもお供えのお下がりだろう。帰宅後いただいたが、白くて柔らかい餅に小豆がまぶしてあって甘さ控えめでおいしかった。

夫のクラスメイトにチベット人僧侶がいたということで、思いがけず貴重な体験をさせてもらった。

韓国チベット仏教寺院 「광성사」(クァンソンサ)
釜山市西区峨眉洞2街 85-3番地
(地下鉄1号線土城駅8番出口から아미(峨眉)小学校方面へ約200m)
(051) 243-2468
http://www.koreatibetcenter.com


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