2011年03月01日

再入国許可

先日ビザの延長手続きのため、夫と出入国管理事務所へ行った。この手続きをするのはもう3度目なので、要領もだいたい分かっている。2月末から3月にかけてのこの時期は、新たに留学に来た学生等が大勢訪れるため大変混み合う。まず番号表を引いてから必要書類に記入、手数料の収入印紙3万ウォン分を買ったら、後は番号を呼ばれるのを待つだけ。

この日はそれでも比較的空いている方で、それほど待たずに順番が来た。いつもなら係員が必要書類を点検した後、私たちのパスポートと外国人登録証は出入国管理事務所に一時預けられる。延長手続き(1週間~10日程度)が済み、指定された日に受取証を持参すれば、延長手続きが終わったパスポートと外国人登録証を返してくれる、という手はずだ。

しかしこの日は、外国人登録証は預かってくれるのに、いつもなら一緒に預けるはずのパスポートは私たちに返された。また、1年に1回のことなのでうろ覚えだが、確か再入国許可の 「single」 か 「multiple」 かを選択し、それに応じた手数料(収入印紙)を支払うということだったのに、この日は係員からそういう話が出ない。

不安になって 「またmultipleでお願いしたいんですが・・・」 と言っても 「はい、はい」 と生返事をするだけ。おかしいなとは思いながらも申請の日はそのまま帰った。そして受取りの日、受取り窓口で受取証を見せるとすぐに、延長手続きの済んだ外国人登録証を返してくれた。

今までならそれと同時に、「single」 か 「multiple」 かいずれかの 「再入国許可」 のステッカーが貼られたパスポートも返してもらえたのだ。だが今回は、パスポートは私たちの手元にあったのだから、当然再入国許可のステッカーは前年度のまま。その点を受取り窓口の係員に尋ねても、またまた 「ああ、それはいいんです」 と。「いいんです、とはもうこれ(再入国許可)は要らないということですか?」 と聞いても 「はい、はい」 と、いかにも忙しそうに答える。

忙しさの余り殺気だっていて、それ以上はその係員には聞けそうにもない雰囲気だったので、いつもフロアーにいらっしゃる案内ボランティアの方に同じ質問をしてみた。すると 「ああ、それ(再入国許可)はなくてもいいんです」 と一言。これまた忙しそう。

申請のときも含めて3人の係員に尋ねても、皆 「要らない」 というからには、制度が変わったか何かで本当に要らなくなったのだろうと、ごった返す出入国管理事務所を後にした。その後調べてみると、やはり制度が変わっていたのだった。

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91日以上の滞在資格があるビザの所有者が、一時出国し韓国に再び入国する場合には、再入国許可の手続きが必要。しかし2010年12月から、出国日を基準として1年(『永住F-5』の在留資格を持つ場合、2年)以内に再入国する場合には、再入国許可の手続きは免除されることになった。

ただし、出国から再入国までの期間が1年を越える場合は、所有しているビザが無効となってしまうため、再入国の予定がある人は再入国許可の手続きをする必要がある。

※C-3(短期総合)ビザは再入国許可の対象ではなく、韓国を出国すると同時にC-3ビザが失効となるので注意が必要。
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なるほど。そういうわけだったのか。どうりで、どの係員に聞いてもああいう返事だったのだ。

再入国許可の件については納得。しかし、それにしても・・・と思ったのは、これがもし日本での話ならきっと係員は少し違った対応をしていただろうということ。日本なら同じような質問を受けたとき、ただ 「それはもう要らないんです」 とか 「はい、はい」 などといった曖昧な返事をするのではなく、「昨年の12月から制度が変わり、1年以内に再入国する場合、再入国許可は免除されることになったのです」 と具体的に理由を話して説明してくれるであろう。

勿論、出入国管理事務所の係員にしてみれば、日々数多くの外国人の対応に追われ、韓国語がどの程度理解できるのか分からない外国人に対して、いちいち細かい理由を説明しているヒマはないということだろう。

しかしそれ以外にも、ある程度はお国柄も反映しているのではないかと感じる。全く違う話になるが、韓国で病院を受診した場合、医師は診断名や処方する薬の説明などをほとんどしてくれないのだと、何人もの日本人友人から聞いたことがある。それどころか、患者の側からいろいろ質問するといやな顔をする医師もいるとも聞く。

日本なら、「自分の見立てではこういう疾患で、治療するためにこれこれこういう薬を処方します。もし数日経っても改善しなければ・・・」 などの説明があろう。もっとも日本でも 「3時間待って3分診療」 という言葉があるように、そんなにきめ細かに説明してくれる医師ばかりではないとは思うが。

患者への医師の説明もしかり、先の出入国管理事務所での対応もしかり、どうも韓国では 「細かいことは聞かなくていいから、黙って指示に従われたし」 という権威主義的な発想があるような気がする。私の思い過ごしだろうか??

再入国許可



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この記事へのコメント
いつも貴女の日記を興味深く読ませていただいております。

今回の件では貴女も多少憤慨されたようですね?

<出入国管理局>という、その国を代表する国の機関であるひとつが、そのような体制しかとれていないというのは、、、すこしばかりお粗末の度を過ぎています。。。

多くの外国人が訪れる場所でもあるわけですから、制度の変更や手続きの変更があったのであれば しかるべくそれを訪問者にわかりやすく説明するのが、ある意味当然の事と思われます。

<韓国は一流の国の仲間入りをした>と自負しているのであれば、その辺に早く気がついて欲しいものです。。

どうも韓国という国は、<器ばかりを見栄え良くする>ことばかりを考えているようにしか思えないところがあります。

その<器>にたずさわる人の素養の向上を、どのようにアップさせていくかというソフトは手付かずです。

いくら道路をきれいに舗装し、道幅をいくら広くしてみても、、運転する人間のマナーの悪さ、平気で行われる交通違反など どうなっているのかなぁー と思ってしまいます。

でも、そんな人ばかりで無い事を願います。。。
Posted by 金海のおじさん at 2011年03月02日 11:48
金海のおじさん さま
いつも読んでくださって、ありがとうございます。励みになります。
文面から、少々憤慨した様子が伝わったようですね ^^
自分では、普段の生活の中でいちいち日本と比較することはあまりない方だと思うのですが、このときは 「もしこれが日本なら・・・」 と感じてしまいました。
まあこれもお国柄というのか、人々の気質というのか・・・。
公共マナーについてもそうですが、おっしゃる通りソフト面ではまだまだ向上の余地あり、という気がします。
そして、これもおっしゃる通り、全ての人がそうだということでもないのですけどね・・・。
Posted by dilbelaudilbelau at 2011年03月02日 21:08
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    コメント(2)