この夏、通い詰めたミルミョン専門店 「
본가밀면전문점」 の向かい側に、いつの間にか족발(チョッパル)・보쌈(ポッサム)の専門店 「대천명가」(テチョンミョンガ)がオープンしていた。少し前まで、そこから100mも離れていないところで営業していたのだが、このたびここに移転してきたようだ。看板には 「25年の伝統の味」 と書かれてある。
ちなみに新 「대천명가」 の隣にはシジミ汁の店 「
할매 재첩국」 があったが、それもいつの間にか違う店になっていた。いつもながら、本当に入れ替わりが激しい。
「대천명가」 は、ランチタイム(12~14時)にはチョッパル定食やポッサム定食が7,000wという手ごろな値段で食べられるとのこと。早速、夫と行ってみた。
まだオープンしてそれほど経っていないようだが、店内は大勢の客で賑わっていた。移転前の店の常連客も来ているのかもしれない。店内は明るく清潔そうな雰囲気だ。
ランチタイムの7,000wの定食は、「ポッサム定食」・「ネンチェ(冷菜)チョッパル定食」・「ヤンニョムチョッパル定食」 の3種類(いずれも2人分から注文可)。私たちはネンチェチョッパル定食をいただくことにした。
複数人で食べる大皿メニューとしては、チョッパル(25,000~40,000w)、ポッサム(28,000~42,000w)、ネンチェチョッパル・ヤンニョムチョッパル(28,000~43,000w)があり、チョッパルとポッサムのセットメニューもある。ヤンニョムポッサムには 「辛い味」 と書き添えられているので、ヤンニョムがピリ辛なのだろう。
まずおかずが並べられる。左上から時計回りに、白キムチ、こんにゃくのマヨネーズ和え、レンコン・タマネギ・大根の장아찌(チャンアチ=漬物)、도토리묵(トトリムッ=どんぐりで作った寒天状の食べ物)、モヤシのナムル、キムチジョン、大根の酢のもの(▼)。どれも美味。
トゥッペギ(土鍋)からあふれんばかりの계란찜(ケランチム=蒸し玉子)や、口の中がさっぱりする동치미(トンチミ)、海苔、エリンギの和えもの、ホウレンソウのナムルなども(▼)。アツアツのふわふわケランチムは優しい味わいだ。
大根の干葉を使ったスープ시래기국(シレギクッ)には、青唐辛子のスライスがほんの少し入っており、後味にかすかにひりりとしたものを感じる(▼)。
そして、いよいよ主役のネンチェチョッパルが登場(▼)。彩り鮮やかで見るからにおいしそうだ。
薄切りにしたチョッパル(豚足)と、細切りにした野菜、クラゲを混ぜて、カラシのきいた酸味のあるソースで和えてある。
非常においしい。味噌やアミエビの塩辛と一緒に食べるチョッパルは、チョッパルそのものの味わいを堪能できるのが長点だが、味が単調になりがち。それに対しネンチェチョッパルは多彩な味・食感が楽しめるので、いくら食べても飽きない。そのまま食べてもよし、サンチュやエゴマの葉で包んで食べてもよし。時折、ツーンと鼻に抜けるカラシの香りもまたよし。
これはおいしい。一目惚れ。
そしてもう1つとても気に入ったのは쌈장(サムジャン)。写真には写っていないが、肉や青唐辛子につけて食べたり、ご飯にのせてサンチュなどで包んで食べたりと用途豊富な味噌だ。ごくありふれた食材だが、この店のはまろやかな甘みととろみがあって非常においしかった。サムジャンだけ箸の先でつまんで食べるほど気に入った。
ネンチェチョッパルがこれほどおいしいなら、ヤンニョムチョッパルやポッサムもさぞかしおいしいことだろう。また近いうちにそれらも食べてみたい。
店に入ったときは気が付かなかったが、入口脇のレジの後ろにはちょっとしたスペースがあり、店員さんがテイクアウト用のチョッパルを切り分けていた。
대천명가(テチョンミョンガ)
釜山市水営区南川洞6-10
(051) 626-5558