オさんのぜんざい
大満足で소예(ソイェ)を出た後、私たちはある店に向かって歩いた。夫が以前、ジョギングの途中でチラシをもらったという、パッピンスとぜんざいの店だ。一度行ってみようと思いつつ、家から少し離れているのでこれまでその機会がなかった。この日はちょうど通り道だったので、食後のデザートにと寄ってみることにした。
店は、広安里(クァンアルリ)ビーチ沿いのカフェ 「coffee smith」 と刺身店 「칠성횟집」(チルソンフェッチッ)の間の道を少し上がったところにある。住宅や食堂、銭湯、カフェなどいろいろな建物が並ぶ通りに建つ小さな店だ。
店内は広くはないが、大きな鏡が取り付けてあるのと、入口ドアも含めてガラス張りになっているのとで、狭苦しいという印象ではない。私たちが店に入ったとき、先客がぜんざいをテイクアウトしているところだった。
店は中年の男性1人が切り盛りしているようだった。ちょうどこの日の朝、ソウルのマンションにヘリコプターが衝突するという事故が起き、店内のテレビでもニュースで大きく報道していた。
この店のメニューはパッピンス(2,000w)とぜんざい(大3,000w・小2,000w)。料金は先払い。私たちはぜんざいの小を注文した。
注文するとき、レジ横の名刺に目がとまった。名刺の左半分が黄緑色、右半分が茶色という変わったデザインも目を引いたが、そこに書かれてあった 「OSI」 という文字が気になった。釜慶(プギョン)大学脇にある、ベトナム料理の店も同じ 「
오씨」(OSI=オシ)という名前だったからだ。
店の男性に 「同じ名前のベトナム料理店があるけど・・・」 と聞いてみると、「あー、釜慶大のね」 と言う。あの店とこの店は何か関係があるのかと聞いてみると、「あー、そうです。同じです。あっちでも最近パッピンスとか出してるんです」。
店の雰囲気がまるで違うし、あちらはベトナム料理、こちらはパッピンス・ぜんざいと扱う料理も違うので、同じと言われても不思議な感じがするが・・・。とにかく、あちら(ベトナム料理)の오씨(オシ=オさん)とこちらのオさんは、家族か親戚同士なのだろう。
さて、これがぜんざい(小)。店で茹でた小豆は販売もしているそうだ。
韓国の多くの店同様、この店のぜんざいにもシナモンパウダーがかかっていた。小さな餅入り。器はやや小ぶりだが、甘すぎず優しい味でおいしい。
かと言って、このぜんざいを食べにわざわざここまで来ようと思うほど特別おいしいというわけでもなく、近くを通りかかったら寄ってみようかなという感じの店だった。
오씨 팥빙수・단팥죽 広安(クァンアン)店
(051) 754-5525
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