絶品! 88テジカルビ

dilbelau

2012年11月04日 09:44

「今日のお昼はパルパルでも行きましょうか」。

上司の提案に私は小躍りして喜んだ。「パルパル」 とは 「88(パルパル)돼지숯불갈비(テジスップルカルビ)」 という店のこと。職場のある水晶洞界隈にはおいしい店がたくさんあるが、私の好きな店ベスト3に入るのがこの 「パルパル炭火テジカルビ」 だ。

ここのテジカルビは 「草梁(チョリャン)テジカルビ」 という一種のブランドになっているテジカルビで、歴史が長い。

朝鮮戦争以降、外国からの物資が釜山港に集まるようになり、釜山港には大勢の人手が必要になった。全国から押し寄せてきた港湾労働者たちは、港からほど近い草梁・水晶洞付近で暮らすようになった。港での仕事は厳しい肉体労働で、仕事帰りにテジカルビでも食べないと体力的に続けられないものだった。現在の草梁のテジカルビ通りは、そういった港湾労働者たち相手に始めた店が、今に至ったものだ。

「パルパル」 のメニューに書かれている肉の種類は、돼지목살(テジモクサル=豚の肩ロース)(200g8,000w)と삼겹살(サムギョプサル=豚の三枚肉)(160g8,000w)の2種類のみ。ほとんどの人が、秘伝のヤンニョムに漬け込んだこの店ご自慢の肩ロースを注文する。炭火で焼く肉は柔らかく非常においしい。

この日もそれを注文するのかと思いきや、上司が店のおばさんに 「생고기(センコギ)あるでしょ?」 と。センコギとはヤンニョムで味付けしていない肉のことだ。「はい、ありますよ。それにしますか?」 と炭火の準備を始めた。

上司曰く 「この店はヤンニョム(の肩ロース肉)が有名だけど、実はセンコギもあるんだ。メニューにはのってないから一般の人は知らないけど、うちの会社の職員は昔からの常連だから特別に出してくれるんだよ」 と、ちょっと声をひそめて教えてくれた。そういえば以前、職場の他部署の人たちと合同で会食をしたことがあり、そのとき一度だけセンコギを食べた記憶がある。

ヤンニョムは炭火の上に焼き網をのせて焼くが、センコギは鉄板の上にアルミホイルを敷き、その上で焼く。



「うちの肉は血抜き(作業)をしっかりしてるから、臭みがないんです」 と、以前、店のおばさんが説明してくれたが、見た目もとてもきれいな肉だ。



おばさんが焼いて適当な大きさに切り分けてくれるので、ごま油や味噌をつけたり、ネギサラダやニンニクと一緒にサンチュやエゴマの葉で包んでいただく。サムギョプサルほど脂が多くなく、あっさりしていて非常においしい。

そしてセンコギといえば、もう1つのお楽しみがある。肉を食べ終えた後の鉄板で、キムチを炒めていただくのだ。肉を完全に食べ終えてからではなく、あと数切れ残っているという状態でキムチやネギサラダを投入、全体をよく炒める。キムチは焼くことで少し甘みが出て味わい深くなる上に、肉から出た脂や旨みも加わるので、えも言われぬおいしいさとなる。



これを白いご飯の上にのせていただくときの幸せと言ったら・・・。ご飯と一緒に出てくるのは시래기국(シレギクッ)。大根の干葉で作った味噌汁だ。素朴な味わい。



肉もおいしく、その後のキムチ炒めもおいしく大満足。ご馳走さまでした。



88돼지숯불갈비(88炭火テジカルビ)
釜山市東区水晶2洞301
(051)468-3065

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