ご飯が進む味
オペラ 『蝶々夫人』 を観終わって会場を後にしたのは18時前。すっかり上がったように見えていた雨が、オペラを観ている間にまた一雨降ったようで地面が濡れている。最近、3週連続で週末に雨が降っている。
私たちは会場近くの食堂で夕食を食べて帰ることにした。以前一度入ったことのある 「영빈갈비(ヨンビンカルビ)」 という食堂だ。この食堂がある辺りには似たような規模の食堂が立ち並んでおり、「기사식당(技士食堂=キサシクタン)通り」 と呼ばれている。
「キサ」 とはタクシーやバスの運転手。「シクタン」 は食堂。地域の地理や店を知り尽くしたタクシー運転手が食事のために立ち寄る食堂で、早くて安くておいしく、さらに駐車場があり24時間営業であることが普通だ。
そのためキサシクタンと呼ばれる店は、タクシー運転手ならずとも一般の人にも人気がある。
食堂が並んでいるため、どの店に入ろうかと店の前に立ち止まって考えていると、すかさず店のおばさんがどうぞどうぞと呼び込む。どの店も適当に客は入っており、「ここだけはガラガラ」 という店はないが、他の店より明らかに客の入りが良い店はある。
さて私たちは以前と同じく 「돼지 두루치기(豚肉のトゥルチギ)」(5,000w)を注文。豚肉と野菜を辛いタレで炒め煮にした料理だ。
店によって程度の差はあるが、もともとトゥルチギは辛い料理。
前回食べたとき、けっこうパンチのきいた辛さだったので、この日は辛さ控えめでとお願いしてみた。
見るからに食欲をそそるメニューだ。サンチュで包んで食べても、ご飯と一緒に食べてもおいしい。辛さは、前回よりは少し控えめのようだが、あまり変わらないような気がする。どうも、唐辛子の量を少なくしたのではなく、使用するヤンニョム(調味料)の量を減らしただけのようだ。前回はヤンニョムがもっとたっぷりからまっていた。
ヤンニョムは注文を受けるごとにいちいち作るのではなく、あらかじめ配合して準備してあるので、辛さ控えめにと言われてもヤンニョムの量を減らすしかない、ということなのだろう。
辛いことは辛いが、おいしい辛さで食が進む。おかず類(▼)。食べ残しゼロキャンペーンに賛同している店なので、どれも量は少なめだ。足りなければお代わりをすればよい。
これにご飯とスープがつく。この日のスープは 국(シレギクッ=大根の干葉のスープ)だった。この日も制服姿のタクシー運転手や一般の客でとても賑わっていた。
영빈갈비(ヨンビンカルビ)
釜山市東区凡一2洞 釜山市民会館のすぐ近く
(051) 646-0920
24時間営業
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