白菜1,000株のキムチ 2
つづき
このボランティアのキムジャン漬け、この日に先立って前々日から作業が行われていた。その2日間で、白菜を縦割りに切る作業、それを塩漬けにして水洗いする作業、ヤンニョムを配合する作業が行われていたのだ。
私が参加した日は寒さが和らいでいたが、その2日間は道路の水たまりも凍るほど厳しく冷え込んだ日だった。戸外での作業、さらに水を使う作業はさぞかし大変だっただろうと思う。
そんなふうに、下準備の済んだしんなりした白菜がテーブルの上に山と積まれている。今回のキムジャンのために用意した白菜は、実に1,000株だそうだ。
まずは、水営区セマウル婦人会の方たちが、病院職員にお手本を見せてくれる。婦人会の方々は毎年行っている活動だが、病院が参加するのは今回が初めてなのだそう。
身支度を整えたら、まず大きな寸胴鍋数個に用意されたヤンニョムを、小さな洗面器ぐらいの容器に移し、白菜の上に置く。作業する人全員がその容器に手が届くように、いくつか置いていく。
キムチのおいしさは、使う白菜の品質、塩漬けの具合、そしてこのヤンニョムの配合によって決まってくるのだそうだ。赤い色と辛さのもととなるコチュジャンやコチュカルの他に、ニンニク、生姜、アミエビの塩辛、すりつぶした太刀魚、梨、柿などの果物類も入れるのだそう。
ヤンニョムに入れる材料は地域によってさまざまで、例えば海に面した釜山では入れる太刀魚やアミエビの塩辛も、内陸地方では入れないのだそう。また同じ地域でも、家庭によって使う材料や量はさまざまだ。
このヤンニョムを、塩漬けにした白菜の葉1枚1枚に適量ずつ塗り広げていく。この ”適量” というのがなかなか難しい。少なすぎると仕上がりが水臭くなりおいしくないし、多く使いすぎると後でヤンニョムが足りなくなってしまう。
白菜の葉を1枚1枚持ち上げて、表裏均等に塗りつけていく。婦人会の方たちは、さすが熟練した手さばきだ。
つづく
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