韓国語の作文大会で1等を受賞したお祝いに、夜は何かおいしいものを食べにいこうと、学会発表を聴きに行っていた夫と待ち合わせて向かった先は、家の近所にありながら今まで一度も入ってみたことがなかった 「VIPS」 というレストラン。
大型マートのすぐそばにあるこのレストランは、隣接する 「OUTBACK」 という同じようなステーキハウスともどもチェーン店で、あちこちで見かける。
「VIPS」 も 「OUTBACK」 も、ステーキがメインの高級ファミリーレストランといった感じのようだ。どちらがよりおすすめかと、カフェ 「ナム」 の店員ユランさんに尋ねてみると、迷う様子もなく 「VIPS」 の方がいいと思いますと。
さらに、「VIPS」 に行くならステーキを2人前頼むのではなく、ステーキは1人前だけ注文して2人で分けて食べ、もう1人はサラダバーだけ注文すればいいわよ」 と、オンニが注文のコツを教えてくれた。(ステーキの値段には、サラダバーの料金が含まれているそうだ)
オンニいわくサラダバーには、「ピビンパもあるしサラダもあるし果物もコーヒーも何でもある」 とのこと。ステーキでおなかいっぱいにするより、サラダバーを楽しむ方がいいわよと。
なるほど、なるほど。ユランさんやオンニの意見を参考に、いざ 「VIPS」 へ。「OUTBACK」 もそうだが、1階部分は駐車場になっており、店の受付は2階。
ちょうど週末の夕食時とあって、駐車場にはかなりたくさんの車が停まっている。また下から見上げるとガラス張りになっている2階部分では、空席を待っているらしい客の姿も見える。
2階の受付へ行くと案の定、ただいま満席なので少しお待ちくださいと言われ、名前を告げて少し待つ。やがてほどなく席に案内される。2階は受付とレジ、トイレがあるだけでレストランは3階にある。
初めて入る 「VIPS」 店内。想像以上に広い。そしてたくさんの席が見事に満席であることにも驚く。メニューをみると、韓国料理に比べるとどれもけっこう高いのに、こんなにも大勢の人が、しかもたいていは家族連れで食べに来ているとは。
ステーキ(サラダバー付き)はグラム数や肉の種類によって値段がいろいろだが、安いものでも2万ウォン代だ。一般的な韓国料理の店なら、せいぜい5,000w、高くても1万ウォンほども払えばおいしいものがおなかいっぱい食べられる。それをわざわざ2万ウォンや3万ウォンも払ってステーキを食べに来るとは、韓国人の食生活もここ最近で随分変わったものだと夫も驚いている。
さて、注文。
オンニのアドバイス通り、ステーキを1人前、サラダバーを1人前。サラダバーは平日と週末で値段が変わり、この日のような週末は1人23,400w。ステーキはいろいろあるのだが、「VIPS NO.1 ステーキ」 だと36,800w(サラダバー込み)。(いずれも税金10%別)
ということは、”ステーキの値段の36,800wのうち、3分の2ほどがサラダバーの代金” ということになるのだろうか。サラダバーだけで23,400wもするのなら、ステーキを注文した方がお得な気がしてくるが、メニューの中で一番グラム数が少ないものでも160g。たいていは200g前後あって、やはりステーキを1人前ずつ注文するとサラダバーなどとても食べられなさそうだ。
ということで、やはり ”ステーキ1人前、サラダバー1人前” という注文が妥当なのだろうと。
「VIPS NO.1 ステーキ」 とサラダバーを1人ずつ注文すると、サラダバーはどうぞご自由にとのこと。オンニの言っていた通り、種類が豊富だ。ご飯類・パンから、サラダ・ピザ・フライドチキン・シーフードマリネ・ベトナム料理のフォー・スープ・ピビンパ用の具材、デザートもケーキやフルーツ・アイスクリーム、コーヒーなど飲み物各種・・・。
ステーキがなくても、サラダバーだけで充分おなかがいっぱいになる。いろいろな種類を少しずついただいていると、やがて 「VIPS NO.1 ステーキ」 が運ばれてきた。オーストラリア牛のサーロインで、これで230g(▼)。
韓国にいると、サムギョプサルやプルコギなどを食べる機会は多いが、こういうステーキを食べるのは久しぶりだ。というより初めてかもしれない。2人で分けて食べても、ステーキだけでけけっこうおなかいっぱいになる。
こちらがそのサラダバー(▼)。フロアーには店員がたくさん配置されており、バーに並んでいるさまざまな食品は少なくなったらすぐに厨房へ連絡が行き、補充するようになっている。また、フロアーに落ちたゴミなども係員がすぐさま掃除していた。
フロアーの奥にはちょっとしたミニパーティーが開けるほどの個室があり、この日も子供の1歳の誕生記念パーティー(돌잔치)が開かれていた。
さて、ステーキとサラダバーでかなりおなかがいっぱいになった私たち。サラダバーに2万ウォン以上も払っていると思うと、やはりたくさん食べたいと思うし、かといってステーキでおなかはいっぱいだし・・・。おいしいことは確かにおいしかったが、けっこうな値段を支払ってこんなにおなかいっぱいになるまで食べなくても、ほどほどの値段でほどほどの量の食事をする方がいいかな、という印象を抱いた私たちだった。
もう1つ、私はそのときは気がつかなかったのだが、後日夫が 「キムチが1つもなかったね」 と。そういえば、あれだけ種類豊富な料理が並んでいたのに、韓国人の食卓には欠かせないキムチの姿がなかった。日本食の食堂に入っても必ずといっていいほど出てくるキムチが、この店にはなかったことも意外だった。
VIPS 広安店
釜山市水営区南川洞545-5
(051) 624-0997