2012年12月20日

パルパルのテジカルビ

先日、日本から友人が釜山に遊びに来たので、夫と3人で夕食をご一緒した。釜山にはもう10数回来られているリピーターの方。釜山に拠点を置くLCC 「エアプサン」 のキャンペーンで無料航空券が当たったとのことで、今回はそれを利用して来られた。

この日は全国的に冷え込みが強く、釜山でも珍しく雪が降った。友人によると、沙上(ササン)のあたりには雪が積もっていたそうだ。金海(キメ)空港でも、欠航になった便もあった。

仕事の後、夫と友人と待ち合わせて向かったのは、水晶銅(スジョンドン)にある 「草梁(チョリャン)カルビ」 の店 「88(パルパル)돼지숯불갈비(テジスップルカルビ)」。早めの時間に行ったので、私たちが店に入ったとき、店員さんは食事中だった。

この日の仕事中、今日は仕事の後、夫と友人と88に行くのだと上司に話したら、おすすめの肉の注文の仕方を教えてくれた。

まずヤンニョム(味付け肉・網で焼く)を2人分食べ、その後センコギ(味付けする前の肉・アルミホイルを敷いた鉄板で焼く)を1人分食べ、最後に肉から出たおいしい脂でキムチを炒めてもらいご飯とともに食べる、というもの。

その方法なら、おいしいタレをからめた味付け肉のおいしさと、豚肉そのもののおいしさ、そして焼いたキムチのおいしさと3通りの味わいを楽しめる。早速その通りに注文しようとしたが、あいにく、今はセンコギがないとのこと。残念だが、ないものは仕方ない。ヤンニョムを3人分注文した。

炭火の上の網で、味付け肉を焼いていく。いつも焼いてくれる顔なじみのおばさんは、私たちが店に入ったときには食事していたが、食事後、帰られたのだろうか、姿が見えなくなった。焼いてくれるのは見知らぬおばさん。ひたすら黙々と肉を焼いてくれた。

パルパルのテジカルビ

焼き上がると適当な大きさに切り分けてくれるので、好みの食べ方でいただく。そのまま食べてももちろんおいしいし、醤油ベースのタレをつけて食べてもよし、ネギサラダやニンニク、味噌などと一緒にサンチュやエゴマの葉で包んで食べてもよし、酢漬けの薄切り大根で包んで食べてもよし。

パルパルのテジカルビ

おばさんが焼いてくれて、私たちはただいただくだけなので楽ちんだ。もっとも上司曰く、韓国では 「焼き肉を焼くのは男の仕事」 だそうで、そういえば、客が自分で焼くタイプの店でも韓国人と一緒のときは、私は自分で焼いた記憶がない。

おいしく肉を食べていると、店の前の道路を大音量の選挙カーが通り過ぎていった。そこまで大きくしなくてもと思うほどの音量で、肉を焼いてくれていたおばさんも眉間にしわを寄せながら外を見に行った。

この日はちょうど、ムン・ジェイン大統領候補と彼を全面支持すると発表したアン・チョルス元候補が、初めての共同遊説を釜山で行った日。その様子は店のテレビでも生中継されていた。

釜山でどれくらいの票を獲得できるが、選挙の勝敗に大きな影響を及ぼすと言われているため、対抗するパク・クネ候補も何度か釜山を訪れて遊説していた。ちなみにパク・クネは大邱(テグ)、ムン・ジェインは巨済(コジェ)、アン・チョルスは釜山と、3人とも釜山・慶尚道エリアの出身。

ちなみに昨日の大統領選挙の結果、大接戦の末、パク・クネ候補が当選し初の女性大統領が誕生した。

肉を食べ終える頃におばさんが 「ご飯お持ちしましょうか」 と聞いてくれるのでお願いする。白いご飯とシレギクッ(大根干葉のスープ)、キムチやイカの塩辛、青唐辛子の味噌漬けなどのおかずが出てくる。

パルパルのテジカルビ

もともと、釜山港で働く港湾労働者向けに、安くておいしく力のもとになる食事として始まった草梁テジカルビ。この日も力を使って働いていそうな男性グループが食べに来ていた。今でこそ、サラリーマンやOL風の客も多いが、港の男たちでいっぱいだった当時の光景が思い浮かんだ。

88돼지숯불갈비(88炭火テジカルビ)
釜山市東区水晶2洞301
(051)468-3065


同じカテゴリー(牛・豚肉料理)の記事
プルコギ定食
プルコギ定食(2013-12-09 08:42)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
パルパルのテジカルビ
    コメント(0)