Busan nikki 1 (2008～2013)

家の近くにあった선지국（ソンジクッ）の店はいつも大勢の客で賑わう人気店だった。夫も私も気に入っていて時々食べに行っていたが、ある日閉店してしまった。おいしかったのに残念だ。韓国では、商売がうまくいかなくて閉店するケース以外に、繁盛していても店主の都合で店を閉めるということもよくあることなので仕方がない。

その後にできたのは 「시골 통돼지볶음 전문점」（田舎のトンテジポックム専門店）という食堂。トンテジ（豚まるごと1頭）を仕入れ、各部位をまんべんなく使った炒め物やチゲを出す店だ。早速、先日夫と食べに行ってみた。

メニューは통돼지 볶음（トンテジポックム・6,500w)と통돼지 찌개（トンテジチゲ・6,000w)。いずれも1人分から注文できる。追加用の豆腐やラーメン･お餅（各1,000w）もある。お肉の追加は3,000w。

まず、大きなステンレスのボウルに入ったご飯と、동치미（トンチミ）やニンニク・海苔が出てきたが、メインの鍋が運ばれてくるまで意外にしばらく待った。韓国では（特に人々の気質がせっかちだと言われる釜山では）、注文するとあっという間に料理が出てくることが多い。それに慣れてしまっているので、少し待つと 「遅いな」 と感じるようになってしまった。



ようやく鍋が運ばれてきた。豚肉やタマネギ、ネギ、キムチ、ヤンニョムなどが入った鍋を、卓上のコンロでフタをして加熱する。コンロのスイッチいっぱいいっぱいの強火だ。



時々店員さんが煮え具合を見に来て全体を混ぜる。この時点では 「もう少しお待ちください」（▼）。



タマネギがしんなりし、キムチもクタッとしたら食べごろ（▼）。



おたまですくってご飯の上にのせ、韓国海苔を散らしてよく混ぜていただく。



豚肉がたっぷり入ったキムチチョンゴルといった感じ。韓国人が好みそうな辛さだ。辛いものが苦手な人には少しつらいかもしれない。豚肉は、一般的な肉の部分だけでなく、皮やホルモンも含めてけっこうたくさん入っていてボリュームたっぷりだ。白いご飯がよく合う、まさにご飯泥棒的なメニューだ。

食べ終えて会計をするとき、店のおばさんが 「お口に合いましたか?」 と心配そうに聞いてくれた。私たちが日本人だと知ってのことだ。おいしかったですと答えると、安心したようににっこり笑顔で見送ってくれた。



시골 통돼지볶음 전문점（シゴル トンテジポックム チョンムンジョム）
釜山市水営区南川洞　「南川中央教会」 の近く
(051) 625-0092
営業時間：11～21時（L.O.20：30）
定休日：日曜日