2012年07月05日

山向こうの南村には 1

先日、日本人の友人のお誘いを受け、夫と3人で夕食を食べに行った。場所は南川(ナムチョン)洞の 「산 넘어 남촌에는」(サン ノモ ナムチョネヌン)という店。

店名は直訳すると 「山向こうの南村には」。珍しい店名だと思ったら、詩人김동환(キム・ドンファン=金東煥)氏の詩の題名なのだそう(詩の題名は 「산 너머 남촌에는」 と少し綴りが違うが)。その詩に曲をつけたものが、1965年頃、박재란(パク・ジェラン)という歌手によって歌われていた(▼)。



『산 너머 남촌에는』

1
산너머 남촌에는 누가 살길래
해마다 봄바람이 남으로 오네.
꽃피는 사월이면 진달래 향기
밀 익는 오월이면 보리 내음새.
어느 것 한 가진들 실어 안 오리
남촌서 남풍 불 제 나는 좋대나.

2
산너머 남촌에는 누가 살길래
저 하늘 저 빛깔이 저리 고울까.
금잔디 너른 벌엔 호랑나비 떼
버들밭 실개천엔 종달새 노래,
어느것 한 가진들 들려 안 오리
남촌서 남풍불 제 나는 좋데나.

3
산너머 남촌에는 배나무 있고
배나무꽃 아래엔 누가 섰다기,
그리운 생각에 재를 오르니
구름에 가리어 아니 보이네.
끊었다 이어 오는 가는 노래는
바람을 타고서 고이 들리네.


また、2007年から今年2月まで、同名のテレビドラマ(KBS)も放映されていたそうだ(▼)。4年余りにわたっての長寿ドラマだったようだ。

山向こうの南村には 1

この詩を書いたキム・ドンファン氏は、1901年、咸鏡北道鏡城郡(現在の北朝鮮)で生まれた。中学卒業後、日本へ留学。東洋大学英文科在学中に関東大震災に遭遇し、大学を中退して帰国。1924年文芸誌に詩を発表し、詩人としてデビューした。

「동아일보」(東亜日報)、「조선일보」(朝鮮日報)の記者として働いていたが、日本植民地時代には雑誌 『삼천리』(三千里)の主宰者でもあった。当時 『三千里』 の女性記者として入社した作家최정희(チェ・ジョンヒ=崔貞熙)氏と結婚、2人の娘が生まれた。

しかし、1945年の植民地解放後、文壇の代表的な親日派ととらえられ、反民族行為特別調査委員会に逮捕され裁判を受けた。朝鮮戦争中の1952年7月に北朝鮮に拉致され、1956年、在北平和統一促進協議会に参加。その後、労働者収容所に送致され、1958年に死亡したと伝えられているそうだ。

つづく


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