2011年12月04日

韓国の飲酒文化

12月に入り、そろそろ忘年会シーズン。忘年会についての面白い記事があったのでご紹介。

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「この朝鮮社会というものが、酒を勧めるんだよ」

현진건(玄鎭健=ヒョン・ジンゴン)が1921年に 『개벽(開闢)』 に発表した短編小説 『술 권하는 사회(酒を勧める社会)』 の中で、夫が妻に、酒を飲む言い訳として言う台詞だ。

この作品は、ともすると名誉の戦いや地位争い、「俺が正しい、お前は間違っている」 とお互いのあらさがしをするのに余念がない、当時の植民地社会性を風刺している。その酒を勧める社会が現在でも有効なのかどうか分からないが、いまだに酒の消費量が減ったという話を聞いたことはない。酒の消費量は当然年末に激増する。忘年会のせいだ。

経済不況とウェルビーンの風潮により、会社員たちの忘年会風俗図が大きく変わってきてはいる。爆弾酒(*)を回し飲みする忘年会の代わりに、公演を楽しむ文化忘年会や奉仕忘年会が登場してかなり経つ。所属部署の人々の家族も集まってピクニックに出かけたり、ゲームなどのイベントを行う送別会も出てきている。

会社員10人中7人が、酒を飲み過ぎる忘年会は変えていかねばならないと答えたアンケート結果も出ている。他の調査でも、会社員10人中6人が忘年会のことを考えるだけでストレスになるといい、その主な理由が度を越して酒を飲み過ぎるためだという。「注げ!飲め!」 式の忘年会に対する否定的な態度の変化を端的に表している。

忘年会のスタイルについては文化忘年会が最も望ましく、反面、上司の顔色をうかがわなければならない権威的な忘年会が最も嫌いだという答えだ。ある大企業の社員に対するアンケートでも、最もなくしたい忘年会の文化として、いつまでも続く飲み会が一番に挙げられ、次に女性への配慮がない場所やメニュー選択、無理やり酒を勧める文化、という順だった。

総合すれば、忘年会(飲み会)をするにしても、3次会4次会5次会・・・といつまでも続けず、和気あいあいとした雰囲気で終わるのが良い。職場の上司の威勢を示すため、酒を強要することはもちろん禁物。いや、不条理な社会が勧める酒ならまた話は別だが。백태현(ペク・テヒョン)釜山日報論説委員(12月2日付)

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(*)ビールが入っているコップに、ウィスキーのシングルコップを入れて混ぜて作るチャンポン酒。ウィスキーの代わりに焼酎を入れることも。ビールが入ったグラスの上にウィスキー入りコップを並べ、ドミノ倒しのようにビールの中に落としていく。この爆弾酒を一気飲みする。(写真は노컷뉴스より)

韓国の飲酒文化

有名な韓国の酒文化。楽しい時間を過ごすはずの忘年会や飲み会が、「ストレスの原因」「苦痛」 になっているというのでは本末転倒。「酒を飲みながら話してこそ本音も出るし、親しくなれる」、「爆弾酒があってこそ盛り上がる」。その理論も分からなくはないが、飲酒文化も 「中庸をもってよしとす」 では??


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