Busan nikki 1 (2008～2013)

つづき

この 「북소리」 という韓国伝統茶のお店は、西面にあるという場所柄、日本人客もけっこう来るのだろう、メニューにも日本語が表記されていた。それぞれのお茶の効能まで日本語で説明が書かれている。

友人Kさんはカリン茶、夫は十全大補湯、私は梅の花茶をそれぞれ注文した。梅の実のお茶は何度も飲んだことがあるし、家でも梅の実を砂糖漬けにしてシロップを作っているので、どんな味か分かるが、梅の花のお茶は初めて。

濃厚な色で、いかにも体によさそうな漢方的な匂いのする十全大補湯。



梅の花茶のセット。おちょこぐらいの茶器3人分に、おままごとのようにかわいらしい透明の急須、そして熱湯の入った魔法瓶が運ばれてくる。茶器が載せられている台は、お湯やお茶がこぼれても大丈夫な作りになっている。急須の中には、白い梅の花が入っている。



急須にお湯を注ぐと、ふんわりといい香りが立ち、お湯の中で梅の花が踊る。



小さい茶器に注ぎ分けていただく。色はかすかに黄色っぽい。味は口に含んだ瞬間、桜餅のような香りが広がる。梅のお茶というよりは、桜のお茶という感じ。



急須のお茶を全部いただいたら、またお湯を入れて何度でもいただくことができる。おしゃべりを楽しみながらいただいていると、店の女性主人が注文していないお茶を持ってきてくださり、「サービスです」 とテーブルに置いていってくださった。

대추차（ナツメ茶）だった。圧倒的なナツメの香りが口いっぱいに広がる。濃厚だが、比較的甘めに作ってあるので飲みやすい。



この女性主人、仏教を信心されている方なのだろうか、注文をしたときやお金を払ったときなど、客である私たちに向かって丁寧に胸の前で合掌して 「ありがとうございます」 と言ってくださる。心のこもった応対をしてくださる方だった。