流行りの公開プロポーズ 4
つづき
青山さんたちとは一旦別れ、夫はゴール先にあるテントへ記念品をもらいに行った。袋の中身は例年通り、完走記念メダルとパン、バナナ、ジュース。
しばらくして、ステージでは授賞式の前の 「公開プロポーズ」 イベントが始まった。 司会者の進行で、まず男性から女性にプロポース。すでに婚約していると聞いたが、緊張していたのか声が少し震えているようだった。
続いて指輪をはめて、
花束を渡す。女性側の返事はもちろん 「YES」。この手の 「公開プロポーズ」 イベントは最近流行りのようで、いろいろなイベントで目にする。
そしていよいよ授賞式。最多参加賞に続いて、10km、ハーフの順に授賞。青山さん、堂々の1位。おめでとう!!
一緒に並んでいるのは釜山日報のイ・ミョングァン社長(▼)。
続いて、釜山日報社と姉妹関係にあり、この大会を後援している福岡の西日本新聞社より、日本人ハーフ部門1位として表彰された。
写真ではよく見えないが、このジャージにも、中のランニングシャツにも、胸の部分に日の丸と太極旗のワッペンがついていた。私はてっきり、日韓共同のスポーツイベントなどで揃えたユニフォームなのかなと思っていたが、実はワッペンは青山さんご自身がこの大会のためにつけたものなのだそう。
残念ながら、韓国メディアのインタビューでは国旗ワッペンのことは取り上げられなかったが、釜山でのマラソン大会で日韓の国旗を胸に走った青山さんの思いが、釜山市民にも紹介されたらもっとよかったのになと思った。
さて、この大会には後日談がある。今回はタイム計測に初めて使い捨てチップを導入した。これまでは走り終わったらチップを会場で返却せねばならなかった。しかし毎年チップの返却漏れがあることから、今年は初めて、返却不要のチップを使ったのだ。
このチップに不備があったのか、何が原因だったのか結局分からずじまいだが、参加者の一部で、スタート地点の時刻が計測されなかったというトラブルが発生した。スタートの時刻が記録されていないため、ネットタイムが算出できないのだ。
しかも、その数が数人とか数十人という単位ではなく、「1,000人以上」(主催者)とも 「参加者の3分の1程度(=約5,000人)」(チップ会社)とも言われ、大会終了後、「記録が届かない」 という苦情が大会HPに殺到した。
結局、スタートの時刻が計測されなかった参加者の記録について、アメリカの記録会社にデータ復旧を依頼し、その復旧ファイルをもとにネットタイムを算出する、ということで何とか落ち着いたようだ。一時は、「この日のために一所懸命練習したのに、マラソンの命ともいえる記録が測れませんでしたなんて、あり得ない事態。参加費を返金せよ」 などという怒りの書き込みも数えきれないほどあった。
いやはや。記録に関しては今年は何となく後味の悪い大会になってしまった。来年は改善してもらいたい。
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