ホーム上の運動会 13

dilbelau

2013年04月18日 17:41

つづき

釜山(韓国?)の鉄道(地下鉄・軽電鉄以外)のホームには乗車位置が記されていないケースが多い(私が利用した範囲では)。ここウォンドン駅にも乗車位置の表示はなかった。

1本前の、ドア閉めに難儀したムグンファ号は、先頭車両から1号車・2号車・・・の順だったので、てっきり私たちが乗るムグンファ号も同じだと思い、だいたいの見当をつけてホームで待っていた。ホームには立ち席の客も含め、あふれそうなほどの乗客が(▼)。


私たちの座席は6号車だったのでホームの後方で待っていた。しかし実際に入ってきたムグンファ号は先のムグンファ号とは逆で、先頭車両が6号車だった。予想が外れ、慌ててホームの前方へと移動。車内でも通り抜けはできるだろうが、この混雑では人ごみをかきわけて1号車から6号車まで移動するのは至難のわざなので。

他の乗客も多くが同じ状況で、中ほどの3号車や4号車の乗客を除いてほとんどの人が前方から後方へ、後方から前方へと。まるで運動会のようだった。


少々慌てたが、無事6号車に乗り込んだ。すでにたくさん立っている立ち席の乗客の間をかき分けるようにして、自分の座席へと進む。すると、私の席に1人の初老の女性が座っていた。

仲間と並んで座りたいからと自分の座席ではない席に座ったり、あるいは指定席は買っていないが空いているからと指定席に座ってみたりということは、韓国では(日本でも?)よくある。様子からして女性はウォンドン駅より前のどこかの駅から乗ってきたようだ。

想像するに、窓口で切符を買おうとしたら座席が売り切れだと言われたので立ち席で乗ったものの、ウォンドン駅より以前は車内も空いていたので、あいていた席に座っていた、というところだろう。

気の毒ではあったが、私たちも苦労してせっかく購入した座席なので、「ここ私の席です」 と言うと、「そうですか」 と言いつつもすぐには腰は上げようとしない。「あ、いいですよ。そのまま座っててください」 と言ってくれるのを期待しているのが見て取れたが、こちらも黙っていた。するとしぶしぶ立ち上がり、座席の背もたれによりかかって 「こんなおばあさんを立たせるなんて、ひどい仕打ちね」 とでも言わんばかりの様子。

これが地下鉄や市内バスならもちろん譲るが、こちらもわざわざ指定席を買って乗っている列車なのだから、それでも譲れというのはおかしいと思い、席に座った。そもそも自分も立ち席を承知で乗ったのではないのかと。

すると、私と並んで窓側に座った夫の足元にある幅10~15センチほどの段を指差し、「そこに座ったらダメですかね」 と言う。もちろん、そんなところに座られたら、夫も私も窮屈でしょうがない。お断りすると、ようやく諦めた様子。

なんだか居心地が悪いなと思いながら座っていると、最初の停車駅화명(華明=ファミョン)駅かその次の구포(亀浦=クポ)駅で、ちょうど女性の近くの乗客が下車した。女性はすぐさまそこに座ってやれやれといった雰囲気。こちらもほっとした。

列車は洛東江(ナクトンガン▼)に沿って南へと走る。


川に沿って自転車道が整備されていた(▼)。最近、釜山では自転車道やウォーキングコースがどんどん整備されている。


ケナリが見送ってくれているようだった(▼)。


往路はプジョン駅からウォンドン駅までの間に4駅停車したが、復路はウォンドン駅から釜山駅までの間に2駅しかとまらなかった。釜山駅へは約8分遅れて16:43に到着。少し小腹が空いたので、駅でおやつをいただいて家に戻った。満開の時期は少し過ぎていたが、きれいな梅と芳しい香りに囲まれて楽しい春のひとときとなった。

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