コレな~んだ?
先日、職場でのこと。昼食後、スーパーに寄ってきたという上司が、袋を開けて中に入っていたオレンジ色のモノを私に 「どうぞ」 とくださった(▼)。「懐かしかったから買ってきた」 と。
「召し上がれ」 と私に言って上司が食べ始めるのを見るまで、コレが食べ物だと分からなかった。
色といい手触りといい食べ物には見えない。匂いもない。むしゃむしゃ食べている上司に、これは一体何ですかと尋ねると、袋を見せて 「쫀디기(チョンディギ)」 だと教えてくれた。쫀디기(チョンディギ)という言葉は聞いたこともなく、名前からどんなものなのか推測することもできない。
材料は何ですかと尋ねたが、上司も 「さぁ・・・」 と。とりあえず食べてみた。角の部分からかじってみたら、思ったより硬くて噛み切れない。かじりついたまま引っ張ると、縦にすーっと裂ける。裂けるチーズのように、端から端まできれいに裂ける。その様子を見ていた上司が 「これは手で裂いてから口に入れると食べやすいんですよ」 と教えてくれた。
これといって味はしない。うっすら甘みがある程度。噛み応えは抜群であごが鍛えられる感じだ。袋の原材料を見ると 「小麦粉・砂糖・とうもろこしパウダー・マーガリン・塩・水あめ・ベーキングパウダー・合成着色料」 とある。品目名としては 「菓子」 だそうだ。
上司曰くこれは、昔、食糧が充分ではなかった時代、空腹を満たすために子どもがよく食べていたお菓子なのだそう。噛むのに時間がかかるので口寂しさを紛らわすことができ、またおなかの中でふくれるので空腹もいやされ、しかも安いということで、よく食べられていたそうだ。冬はストーブの上にのせ、焼いて食べたそう。
私はこれまで1度も見たことがなかったが、今でもスーパーなどで売られているそう。もっとも、今はおいしいお菓子があふれているので、現代の子どもたちはこんなお菓子を食べることもないだろうが。
上司がくださったチョンディギは2枚重なっており、全部いただくとかなりおなかいっぱいになった。こうして空腹を紛らわせた当時にしばし思いをはせた。
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