地下鉄・釜山鎮駅の近くに 「규봉카레」(キュボンカレー)という日本式のカレーの店ができて、もうずいぶん経つ。仕事帰りに利用するバスの停留所のちょうど向かい側にあり、バスを待ちながら一度行ってみたいと思いつつ、ついぞ行く機会がないままだった。
先日、職場の上司が 「今日はあのカレー屋で食べましょう」 と、昼食場所にキュボンカレーを提案してくれた。以前にも行ったことのある上司によると、なかなかおいしいとのこと。期待して店に入った。
店は外から見てもこじんまりしているが、店内も広くはない。4人がけのテーブル席が3つとカウンター席。それでも人気店のようでけっこう客は入っている。メニューは日本式のカレー以外にも、パスタやカツ丼(5,000w)、牛丼(5,000w)もある。
パスタはなんと 「カレーパスタ」(6,000w)・「クリームカレーパスタ」(6,500w)という独創的なもの。いずれも普通の味と辛い味の2種類ある。
カレーも 「普通の味」・「辛い味」・「とても辛い味」 の3種あり、好みでコロッケやソーセージ、チキン、とんかつ(1,000~1,500w)をトッピングする。この日は上司の提案で、辛い味のカレーにコロッケをトッピング。「辛い味」 というのが若干気になったが、「そんなに辛くないと思うよ」 という上司の言葉に従って。
料理が出てくるのを待つ間、ふと横を見ると本棚に本がたくさん並んでおり 「貸し出しカード」 なるものも置いてあった。店内で読んでもいいし、持ち帰って読みたい人には貸し出しもしてくれるサービスだ。貸し出しカードを見ると、名前と電話番号が書いてあり 「返納」 という赤い文字も。多くの人が利用しているようだ。客にとっては無料でゆっくり本を読むことができ、また、本を返しにきた客がついでに食事していくことも多いだろうから店にとってもメリットがあるというわけだ。いいアイデアだ。
こちらが 「辛い味のカレーライス+コロッケトッピング」(4,500w▼)。目玉焼きはどのカレーにもついてくる。
具が入っていないように見えるが、野菜などは細かく刻んだりすりおろしたりしてルーに溶け込んでいるのだそう。一口食べるとスパイスの風味と、若干遅れて青唐辛子の辛さが口の中に広がる。よく見ると、ルーの中に細かく刻んだ緑色の唐辛子のかけらがたくさん見える。辛くて食べられないほどではないが、辛い料理に慣れていない人だと少し苦戦するかもしれない程度。
コロッケは衣はサクサク、中のジャガイモはホクホクでとてもおいしい。どのメニューもテイクアウト可で、コロッケのみの販売もしているそう。普通のコロッケ(1,000w)の他にかぼちゃチーズコロッケ(1,500w)というのもある。カレーはご飯もルーも足りなければ追加してくれる。
半分ほど食べた頃、上司がぽつりと 「辛い」。「辛い味のカレーにしよう」 と提案し、私が辛さを心配しても 「そんなに辛くないと思うよ」 と言った上司だ。想像していた辛さと違ったようだ。「次は普通の味のカレーにしよう」 と。(そうしましょう)
カレーには、ピクルスとカクトゥギ、そしてうどんのスープのようなものがついてくる。日本人には少々不思議な組み合わせだ。
それにしても、カレーで 「辛い」、「とても辛い」 といえば普通はスパイスによる辛さを想像するが、この店は青唐辛子(チョンヤン(青陽)コチュ)の量で辛さのレベル分けをしているのが、韓国らしくて面白かった。
次回は 「カレーパスタ」 なるものに挑戦してみるか。
규봉카레(キュボンカレー)
釜山市東区水晶洞229ー6
(070) 4411-9765
営業時間:9:00~20:30
定休日:日曜日