真っ赤な店 3
つづき
海産物を売る屋台が続く中、こちらは ”赤い店”(▼)。塩辛専門店なのだが、店頭に並ぶ各種塩辛・キムチ類などどれもこれも見事に真っ赤だ。ついでに商品名を書く文字も赤けりゃあ、店のテント、おばさんのエプロンまで見事に赤づくし。
こちらも塩辛類。これほどたくさんの塩辛の種類があるのも、海の街ならではだろう。
キジャン名産のワカメ・昆布類は、生でも乾燥したものでも豊富に並んでいる。
市場内を見学しながら進んでいくと、ほどなくカニエリアに到着。右を見ても左を見てもカニだらけだ。昨年食べた서생수산(西生水産)の前にさしかかると、店の前の水槽のところで客の呼び込みをしているおばさんが、私たちを見るや日本語で 「25,000ウォンね」 などと話しかけてくる。
この日ご一緒した友人たちによると、他の店でも食べてみたがやはりこの店のカニが一番おいしくサービスもよかった、とのこと。じゃあ今年もこの店にしましょうかと言いながら、でもせっかく来たのだからと、市場内をもう少し先までぐるりと見て回ることにした。
また後で来ますと言う私たちに、その店のおばさんは私たちに名刺を手渡してくれる。これだけたくさんのカニの店が並んでいれば、自分の店のことを客にいかに印象づけるか、いかに売り込むか、ということも重要だろう。
その店からさらに先へと進んでいく。まだまだカニの店が続く。私たちが日本人であることは一目で分かるのだろう、あちこちの店から 「おいしいよ」 「食べる?」 「安い」 などと日本語が飛んでくる。昨年同じようにここを歩いたときには、ここまで日本語は聞こえなかった気がする。カニを求めてここを訪れる日本人観光客も、徐々に増えているのかもしれない。商売のために、店の人たちも日本語を覚えるのだろう。
各店の前にある水槽には、カニがうじゃうじゃ。それぞれが他のカニの甲羅を足場にして、脱走しようと動いている。水槽は二重になっていて、水槽の外側にも小さなスペースがつけてある。カニが水槽から外に出ても、そのスペースに落ちこむようになっており、そこからはどうもがいても自力では出られないようになっている。
店頭には水槽とともに、もうもうと湯気が上がる大きな蒸し器も置かれている。客が選んだカニをその場で蒸して食べてもらうためだ。
まっすぐ進んでやがて市場の反対側の入り口まで来た。やっぱり今年もあの店で食べようという話になり、先ほどの 「西生水産」 まで戻ってきた。店頭のおばさんと交渉開始。
つづく
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