チャガルチ祭りの始まり・龍神祭

dilbelau

2010年10月15日 17:41

10月14~17日の4日間、第19回チャガルチ祭りが開かれている。毎年のぞいてみるのだが、いつ行ってもすごい人出と人々の熱気や活気に圧倒される。

14日からの祭りにに先だって、13日には 「용신제(龍神祭)」 と前夜祭が開かれた。

韓国では龍が海の生き物の ”長” と考えられており、その龍に対して、日ごろの感謝の気持ちを込めてお供え物をし舞を舞い、チャガルチが位置する釜山市中区、また釜山市全体のますますの発展と市民の安寧を祈願するための儀式なのだそうだ。

この龍神祭は、チャガルチ祭りの本祭りに先立って行われ、いわばこの儀式によってチャガルチ祭りがスタートするという位置づけだそうだ。龍神祭の後は、宵からチャガルチ市場一体で前夜祭が行われ、人間が捕獲して命をいただいている魚たちのための慰霊祭も行われたそうだ。

さて、その龍神祭りが13日15時から용두산공원(龍頭山公園)で行われると聞き、見に行ってみた。お馴染みの釜山タワー前にはテントが設置されている。テント下に並べられた椅子には、”たまたま龍頭山公園に来たら何か始まるみたいだから座ってみた” という雰囲気のおじいさんたちや、写真を撮るために来たのであろう立派なカメラを持った人たちなどが座っている。



海の生き物の長とされる龍の像の前には、お供え物が準備されている。



果物のお供えのほかに、ろうそくやお線香が立ててある台の右横には、やかんとマッコルリのボトルが見えている。



まだ15時には30分ほどあり、儀式での出番をくつろいだ感じで待っている女性たち。



テント下の椅子は、最前列に来賓が座る予定になっており、一般市民が座ってしまわないよう係員が気をつけていた。しかし、そのことを知らずに来たあるおじいさん・おばあさんが、”いい席が空いてる” とばかりに、迷わず最前列の席へ。

すかさず ”すみませんが、後ろに空席がありますのでそちらに座っていただけますか” と説明する係員。しかし、目の前でそう言われているにもかかわらず、おじいさん・おばあさんは動こうとしない。

聞こえていないわけでもなく、聞こえていないふりをしているわけでもない。単に、後ろの席に移動してくれと言われたことに対し、”イヤだ” と無言で応えているのだ。いかにも韓国らしい光景だ。韓国では、目上の人の言うことは絶対的な力を持っているため、このように若い人が注意しても、しかもそれが一般的には正当な内容であっても、お年寄りがそれに従おうとしないということは、しばしばある。

この時も、自分の言葉に従ってくれないおじいさん・おばあさんの様子を見て取った係員は、”はぁ~、まいったなこりゃ” というふうに小さくため息をついていた。

2~3度繰り返し ”後ろの席へ・・・” と説明しても動こうとしなかったおじいさん・おばあさんだが、それでもさすがに、スーツ姿のいかにも ”おえらいさん” といった来賓たちが最前列に座り始めると、こりゃいかんと思ったのだろうか、席を立ちすーっと後ろの方へ移動していった。



つづく

関連記事