厄よけのお餅
先日の朝掃除をしていると、トントンとノックの音。2軒隣のオンニかと思いきや、ドアの向こうに笑顔で立っていたのは、オンニとは反対側のお隣の若いママさん。持っていたお餅を 「どうぞ」 と差し出してくれる。3人の男の子のうち、2番目のボクのお誕生日なのだそうだ。
수수팥떡だ。「수수」 は 「もろこし」、「팥떡」 は小豆餅なので 「수수팥떡」 を日本語で言うなら 「もろこし小豆餅」 ということになろうか。
その名の通り、もろこしと小豆を使って作るお餅だ。表面にはゆでた小豆をそぼろ状につぶしたものがまぶしてあるが、中のお餅にも小豆の粉が練りこまれている。
お餅は、もち米粉・小豆の粉・もろこしの粉・砂糖を練り混ぜて形作り、ゆでる。そのお餅の表面に、そぼろ状のあんこをまぶしてあるのだ。
この 「수수팥떡」 は、韓国では子供のお誕生日には必ず食べる習慣がある。돌잔치(トルジャンチ)という1歳のお誕生日祝いの席にも欠かせないもので、その後も10歳のお誕生日までは毎年必ず食べるのだそうだ。
子供の誕生日にこのお餅を食べるのには、意味がある。
昔、まだ現在ほど医療が発達していず乳幼児の死亡率が高かった時代、子供にふりかかる厄を払い、健やかに育ちますようにという願いを込めて作ったのがこの 「수수팥떡」 だったそうだ。(韓国でも小豆は厄除けの意味を持つ)
昔は各家庭でお母さんが心を込めて作ったものだそうだが、現代では餅屋で買って食べるケースも増えているとか。
甘さ控えめで柔らかくてとてもおいしいお餅だった。
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