10月3日に開かれる ”
釜山パダ(海)ハーフマラソン” まで、あと2週間ほどになった。当日に備えて、可能な限り毎日コツコツとビーチを走っている夫。
たいていは、約1.7kmの広安里ビーチの往復とプラスアルファの距離を走っているようだが、先日はいつもとは違う方角の용호동(龍湖洞)方面まで走ってきたとのこと。その途中、おいしそうな팥빙수(パッピンス)の店を見つけたと教えてくれた。
9月も折り返し点を過ぎ、さすがに朝晩は涼しく空も秋らしくなってきたが、昼間はまだけっこうな日差しだ。たっぷり1時間以上走って帰ってくる夫の服は、汗でびっしょり。
昼間はまだまだ ”パッピンス日和” なので、早速そのパッピンスの店に行ってみることにした。
8番のマウルバスの 「이기대공원입구(二妓台公園入り口)」 という停留所で降り、そのすぐ近くにある書店の(向かって)右側の細い道を入っていく。同じ龍湖洞といっても、すぐ隣のLGメトロの高層アパートが立ち並ぶ整然とした街並みとは、全く違う雰囲気だ。
道は細く入り組み、左右には飲食店や露天の市場、商店、教会などが並ぶ。少しカーブしている道を、道なりに少し歩いていくとやがて目指すパッピンスの店はあった。
「할매 팥빙수・단팥죽(おばあさんのパッピンスとぜんざい)」 という名前の小さな店の前まで行ってみて驚いた。店の外まで行列ができているのだ(▼)。
パッピンスの店に行列ができるとは。私たちが驚いている間にも、次々と人々が行列の最高尾に並んでいく。でも、食べ終わった人も次々と店内から出てくるので、行列もそれなりに前に進んでいる。私たちも列の後ろに並んだ。
こんなに行列ができるのは、日本ならさしずめ人気ラーメン店だろうか。
こじんまりした店内には、テーブルが7つぐらいだろうか。入り口を入ってすぐのところには、シンク台と作業台。氷をかく器械は2台。1台は店内で食べる客用、もう1台はテイクアウト用だ。
作業台の上には、大きな容器に入ったあんことジャム。器に氷をかく人、その上にあんことジャムをトッピングする人、テーブルまで運ぶ人、見事なチームワークで次々にパッピンスがテーブルで待つ客のところまで運ばれる。家族経営だろうか、姉妹らしき初老の女性が2人、中年の男女はそのどちらかの女性の息子夫婦、といったところだろうか。
テーブルはたいてい4人掛けだが、混雑しているので相席だ。また料金(2,000w)は、先払い。パッピンスが運ばれてきたら料金を払う。
店内には、いかにも自転車ライダーといった服装の人や、”朝から山に登ってきました” といういでたちの人の姿も。客の多くはリピーターのようだ。
私たちも相席で席に着く。やがて、”おばあさんのパッピンス” が運ばれてくる(▼)。
たっぷりのあんこは、私たちの行きつけのお茶屋のパッピンスのそれより、甘みが強い。このあんこが人気の秘訣だろう。
あんこの横から顔をのぞかせているのは、リンゴのジャム。これも手作りだろう。とてもおいしい。氷はふわふわタイプできめ細かい。器の底には牛乳が少し注がれている。
韓国人はピビンパをよく混ぜて食べるように、パッピンスもよく混ぜてから食べる。あんこと氷をよく混ぜて、全体を薄い茶色の半液体状態にしてから、食べるのだ。
かき氷というより、”氷水” の状態にして食べている。日本人には、氷が半分溶けてしまったような ”氷水” の状態はあまりおいしそうには見えないが、逆に、日本人のように混ぜずにそのまま食べる食べ方は、韓国人にはあまりおいしそうに見えないのかもしれない。
私たちが食べ終わったときにも、まだまだ行列は途絶えておらず、立って待っている人がたくさんいたので、早々に店を出た。大変おいしくいただいた。
할매 팥빙수・단팥죽(おばあさんのパッピンスとぜんざい)
営業時間:夏季9:00~23:00、冬季9:30~20:00
팥빙수(小豆のかき氷)2,000w、단팥죽(ぜんざい)2,000w