行列のできるミルミョン屋

dilbelau

2010年07月06日 20:46

先日、釜山駅の近くに行列のできている食堂を見かけた。店の大きな看板には 「초량밀면(草梁ミルミョン)」 と書いてある。ミルミョンとは、冷麺に似た夏の釜山名物の食べ物だ。

何事も ”빨리빨리(早く早く)” と、せっかちなことで知られている韓国人。食堂にのんびりと列を作って並ぶことは、あまりしない。私が今まで行列ができているのを見たことがあるのは、この 「초량밀면(草梁ミルミョン)」 と、テジクッパの 「쌍둥이(双子)」 、そしてモヤシと豚肉料理の 「콩불」 ぐらいだ。(その代わり食べるのも相当速い!)

そんな韓国人が行列を、それも相当長い行列を作っていたのでよっぽどおいしいのだろうと思い、後日私も入ってみた。

私が入ったときはまだお昼には随分早い時間だったので空いていたが、それでも後から後から客はどんどん入ってくる。やはり人気の店のようだ。

メニューは、밀면(ミルミョン)と왕만두(ワンマンドゥ)のみ。해물칼국수(海産物のカルククス)もあるようだが、冬季限定なのだろうか、メニューの上に白紙が貼られ今は取り扱っていないことを示していた。

ミルミョンには2種類。冷たいスープの中に麺が入っている물밀면(ムルミルミョン)と、スープはなくヤンニョムを麺にからめていただく비빔밀면(ピビムミルミョン)だ。いずれも(小)が3,000wで(大)が3,500w。

왕만두(ワンマンドゥ・3,000w)は大きな蒸し餃子のような感じ。店の奥の方で店員さんが慣れた手つきで作っているのが見えていて、とてもおいしそうだ。ミルミョンの(小)とワンマンドゥを注文してみようかと思い、マンドゥの数を尋ねてみると6個だと。ゴルフボールとテニスボールの間ぐらいの大きさのマンドゥ6個とミルミョンは、いかに私でも食べきれまいと、この日はマンドゥは断念。ムルミルミョン(小)だけを注文した。

やがて、小さなやかんに入った육수(ユクス=肉を煮出したスープ)が運ばれてくる。ミルミョンや冷麺にはつきものの飲み物だ。日本のインスタントラーメンのスープの味にも少し似た、温かいユクスをいただいていると、ミルミョンが運ばれてきた。



きれいな球形に形を整えられた麺と、その上にのっかっている具材は、色・形ともに実にバランスよく美しい。芸術的で、崩すのがもったいないほど。例によってキッチンバサミで食べやすい長さに麺を切り、お好みで酢やからしを加えていただく。

そば粉が入っているためグレー色をしている冷麺に対し、ミルミョンは小麦粉とジャガイモやサツマイモのでんぷんでできているため ”色白” だ。歯ごたえは冷麺に近く、かなり強いコシがある。

ヤンニョムをからめていただくピビムミルミョンは、けっこう辛くて汗がにじみ出るほどだが、このムル(水)ミルミョンは辛くない。日本人の口にも合うだろう。

ミルミョン 「(小)」 ということで、もしかしたら物足りないかと少し心配したが、なんのなんの。ボリュームがあり、おなかいっぱいで大満足だ。これで 「(小)」 なら、「(大)」 は女性はちょっと食べきれないだろう。

それにしても、왕만두(ワンマンドゥ)も非常においしそうで大変気になる。次回は是非夫と一緒に来て、マンドゥも注文してみよう。



초량밀면(草梁ミルミョン)
釜山市東区草梁洞363-2
(051) 462-1575

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