イ・スヒョンさんの眠る霊園

dilbelau

2013年08月31日 09:34

先日、職場の上司のお母さまが亡くなったため、職場の方たちと弔問にうかがった。

韓国では、ある程度の規模の病院には葬礼式場が併設されていることが多く、入院中の人が亡くなるとたいてい、併設の葬礼式場で葬儀を執り行う。上司の母上も病院で亡くなられたが、葬儀は併設の葬礼式場ではなく、釜山施設公団が運営する영락공원(ヨンナク公園)というところで行われた。

広大な敷地の中には墓地や納骨堂、葬礼式場などがある。墓地は斜面になっていて、たくさんの墓碑と色とりどりのお供えの花が一目で見渡せるようになっている。きれいに整備されていた。

ここには2001年、新大久保駅で線路に転落した男性を救助しようとして亡くなった李秀賢(イ・スヒョン)さんのお墓もあるそうだ。

葬礼式場の奥には納骨堂があるそうで、別の上司が、自分の父の遺骨はそこに納められているのだと教えてくれた。

葬礼式場のロビーには電光掲示板があり、式場内のどの部屋で誰の葬儀が行われているか表示されている。弔問客は、それを見ればどの部屋に行けばよいか一目で分かる。

通路の両側には部屋がたくさん並んでいて、いずれの部屋でも葬儀が行われている。部屋の前には白い菊の花輪が並ぶ。

少し前、元上司が亡くなり弔問に訪れたときは、韓国式の作法がよく分からず日本式でご挨拶させてもらったが、この日は一緒に行った上司たちのやり方を見よう見まねで。

一緒に行った5人のうち1人が代表してお線香をあげ、その後5人そろって遺影のある祭壇に向かってジョルを3回。ジョルは韓国式のお辞儀・挨拶で、立った姿勢から土下座するようにし、再び立ち上がって・・・というのを繰り返す。

祭壇に向かってのジョルが終わると、弔問客を迎えるためそばに立って控えているご遺族に向かってジョル。そして最後に부의금(賻儀金/プウィグム=お香典)を、祭壇前に設置された木箱・부의함(賻儀函=プウィハム)に納める。

祭壇のある部屋の隣には弔問客を食べ物や飲み物でもてなす部屋があり、故人を偲びながら食べたり飲んだりする。

ご遺族は、祭壇脇に控えていて弔問客を迎え、また食事をしている弔問客のそばに行って少し話もし、と忙しい。普通は3日葬といって、葬礼式場で葬儀を始めた日とその翌日は弔問客を迎え、3日目の早朝に出棺することが多いそうだ。ご冥福をお祈り申し上げます。



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