一大観光地 「カムチョン文化マウル」 4

dilbelau

2013年05月31日 08:44

つづき

歩道橋からすぐのところに、「カムチョン(甘川)文化マウルこちら」 という看板があった。その看板の矢印の指す方向がこの道路(▼)。若者が何組も歩いていた。


道路脇の案内板に、カムチョン文化マウルについての説明と一帯の地図が書いてあった。それによると、

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2009年に実施された町アートプロジェクト(『夢見る釜山のマチュピチュ』、文化体育観光部公募)によって、中腹の道路脇を中心に10点の造形作品が設置された。また2010年は第2次町のアートプロジェクト(『美路迷路プロジェクト』、文化体育観光部公募)により、6カ所の「家プロジェクト」と6つの「路地プロジェクト」が行われた。

甘川2洞は、再開発ではなく保存と再生の視点から「文化の町づくり」が進んでいるところである。またここは、住民や芸術専門家、行政担当者などにより構成された協議体スタイルで、創造都市(creative city)を実現した1つのモデルになっている。
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のどが渇いてきたので、カムチョン文化マウルを散策する前に、近くの売店でペットボトルの水を買った。一帯は観光地のようになっているようだし、もしかしたら高い “観光地価格” かもしれないとちらっと思ったが、杞憂だった。店番をしていた笑顔がチャーミングな初老の女性は 「500ウォンね」。愛想のいいとても優しそうなおばあさんだった。

さて、道なりに歩いていくとほどなく、壁に絵を描いたりアートチックに装飾された建物が左右に見えてきた。その建物をバックに多くの人が写真を撮っている。




ものすごい人出。まさに一大観光地だ。話には聞いていたが、これほどまでに人が多いとは驚いた。


「감내카페」(カムネカフェ▼)。カムネとは、このカフェが面している道路 「감내로」(カムネ路)からとった名前。

釜山市には、まちおこし的な意味合いで立ち上げられたマウル企業(地元の企業)がいくつかあるが、このカムネカフェもその1つ。マウル企業は住民がアイデアを出して事業を展開し、その収益金は住民に還元されるというもの。釜山市が地域経済の活性化のため、重点的に育成している事業の1つでもあるそうだ。


カムネカフェのひと月の平均売上げは408万ウォン(2012年12月現在)で、マウル企業の代表的な成功例として挙げられている。飲み物は1,500~3,500wと一般的なカフェに比べると安いのだそう。

もともと、観光客が訪れる場所にしては休憩するところがないということから、地元の住民が既存の建物を一部リモデリングしてつくったカフェ。またカフェの運営にも地元住民が参加している。中には自費でバリスタの資格までとった人もいるのだそうだ。またカフェの一角では地元住民らが作ったクッキーやパン、手工芸品なども販売しており、これも収益金として活用されているのだそう。

つづく

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