少年時代 1

dilbelau

2013年05月06日 08:33

今年2月12日午前、大淵(テヨン)洞のご自宅で85年の生涯を閉じた写真作家최민식(チェ・ミンシク=崔敏植)先生。

4月3日~21日、ロッテ百貨店光復(クァンボク)店アクアモール10階のロッテギャラリーで 「소년시대」(少年時代)という写真展が開かれた。チェ・ミンシク先生の未公開作品や愛用のカメラなども展示されると聞き、夫と訪ねた。


以下、会場の案内文より抜粋。
*****

会場には、チェ・ミンシク作家の作品の中から 「少年」 をテーマにした未公開作を含む160点が展示されている。1950年代から現在までのチャガルチ市場や広安里(クァンアルリ)の海辺、影島(ヨンド)の路地裏、釜山駅などで、チェ・ミンシク作家がカメラに収めた子どもの写真を5つのセクションに分けて展示している。1部:「少年、表情をつくる」、2部:「少年、家族と会う」、3部:「少年、背中で育つ」、4部:「少年、友を探す」、5部:「少年、瞬間に留まる」の5つだ。

「写真は観念ではなく生きている真実だ。正直で正確でなくてはならない。うまく見せようと操作してはならない。それでこそ見る人が感動するのだ」。

真実こそが感動の源泉だという彼の写真作品と芸術観は、他の芸術ジャンルを含む社会のあらゆる分野において、嘘や虚飾では誰も感動させることはできないという事実を思い起こさせてくれる。1955年、日本へ渡り東京中央美術学院に通ったチェ・ミンシク作家は、古本屋で偶然手に取ったエドワード・スタイケンの写真集 『The Family of Man』(人間家族)に魅了され、独学で写真を学ぶようになり、人物写真を撮り始めた。彼は写真作家になろうと決心してから人生最後の瞬間まで、作品活動を続けた。

今回の展示は、国家記録院に寄贈された作家の数多くの写真の中から 「少年」 をテーマに写真を選定する過程で、未公開の、さらには現像さえされていなかった作品が見つかり展示することになった。

彼が撮った 「少年」 たちは、その時代の明確な 「事実(reality)」 であり 「真実(truth)」であり、そこに流れる人間に対する愛と希望こそ、チェ・ミンシク作家が自分の写真を通して伝えたかった最重要かつ唯一のことであった。
*****




いずれも躍動感、臨場感があり、一瞬を捉えた写真はどれも見る人をひきつけてやまない。写真を見ていると、まるでチェ・ミンシク先生がシャッターを押したその瞬間に自分も立ち会っているかのような感覚を覚える。胸にぐっとくる。

つづく

関連記事